NWネットワークスペシャリスト試験 午後Ⅱ
令和4年度春期 ネットワークスペシャリスト 午後Ⅱ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題






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通信認証と冗長化の確認視点
この分野では、利用者や機器を確認する仕組みと、障害時にも業務を継続するための備えを分けて捉え、両者がどの場面で関係するかを整理しながら、前提条件と想定される影響を読み取ることが大切です。
この問題で問われていること
一つの観点として、通常時の利用条件だけでなく、認証に関わる異常や通信経路の一部停止が起きた場合に、誰が何を確認し、業務への影響をどの範囲で評価する設計かに注目してください。
視点
認証と冗長化を別々の機能として捉え、利用条件、障害時の確認対象、継続性への影響という関係を整理する。
確認ポイント
- 通常時と異常時で、確認すべき対象がどのように変わるか
- 通信経路や利用環境に関する前提条件が示されているか
- 障害発生時の影響範囲をどの単位で捉えているか
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解説
本問は、SSL-VPNとVDIを組み合わせたテレワーク環境を題材に、TLS・電子証明書・鍵交換・通信中継の仕組みと、OSPFによるECMP及びVRRPによるネットワーク冗長化を問う問題です。
問題の全体像
K社は、個人PCに業務データを置かず、VDI上の仮想PCで業務を行うテレワーク環境を導入する。個人PCからはSSL-VPNでデータセンタへ接続し、クライアント証明書で認証した上でRDP通信を仮想PCへ中継する。また、拠点間回線、スイッチ、サーバ接続を冗長化し、OSPFのECMPとVRRPを利用する構成です。設問1~4は主にTLS・PKI・VDI接続の技術理解、設問5は冗長経路の選択と障害時の切替えを確認する。
設問1(ア)
解答は「改ざん検知」。本文はTLSの機能として暗号化と通信相手の認証を挙げており、通信内容が途中で変更されていないことを確認する機能が残るためです。
設問1(イ)
解答は「L2フォワーディング」。リバースプロキシはWebアプリ、ポートフォワーディングは指定ポートを対象とし、動的ポートのアプリケーションを扱う方式としてL2フォワーディングが対応する。
設問1(ウ)
解答は「ポート」。ポートフォワーディング方式は、社内ノードのTCP又はUDPの任意のポートへのアクセスを可能にする方式として本文で説明されている。
設問1(エ)
解答は「公開」。X.509証明書には証明対象の識別情報や有効期限とともに、公開鍵、シリアル番号、CAの署名が含まれる。
設問1(オ)
解答は「ポートフォワーディング」。利用するアプリケーションがRDPだけで、RDPはTCP 3389番ポートを使うため、特定ポートを転送する方式を選ぶ。
設問1(カ)
解答は「DHE」。公式解答例では、TLS1.3の鍵交換方式をDHE、ECDHE、PSKとしている。RSA鍵交換や静的DHは前方秘匿性の問題からTLS1.3では利用されない。
設問2(1)
解答は「暗号化」と「メッセージ認証」。AEADは、通信データを第三者に読めないようにする暗号化と、内容の改ざんを検出するメッセージ認証を同時に行う。
設問2(2)
解答は「Subject」。証明書の証明対象を識別する情報を示すフィールドを問うており、公式解答例ではX.509証明書のSubjectとしている。
設問3(1)
解答の要点は「クライアント証明書の公開鍵に対応する秘密鍵は本人しか保有していないから」。証明書の公開鍵と、接続時に秘密鍵を所持している主体が対応するため、送信元を一意に特定できる。40字以内では、秘密鍵の本人保有と公開鍵との対応を押さえる。
設問3(2)
解答は「CAのルート証明書」。SSL-VPN装置は、受信したクライアント証明書の発行元CAを信頼できるか確認する必要があるため、あらかじめCAのルート証明書をインストールしておく。
設問3(3)
解答の要点は「なりすまされたSSL-VPN装置へ接続してしまうリスク」。個人PCがサーバ証明書を検証することで、偽のSSL-VPN装置とのTLS接続を避け、中間者攻撃などの危険を低減できる。
設問3(4)
解答は「秘密鍵が漏えいする前に行われた通信のデータ」。RSA鍵交換や静的DHでは、後に秘密鍵が漏えいすると過去に記録された通信も復号され得るため、TLS1.3の方式より影響範囲が広い。
設問3(5)(a)
解答は「利用者の秘密鍵」。CSRは利用者の公開鍵を含む申請情報であり、申請者本人であることを示すため、対応する秘密鍵でCSRに署名する。
設問3(5)(b)
解答は「利用者の公開鍵」。CAサービスはCSRに含まれる利用者の公開鍵を使って署名を検証し、秘密鍵の所持者が作成した申請であることを確認する。
設問3(6)
解答は「シリアル番号」。証明書失効リストは失効日時と、失効対象の証明書を一意に識別するシリアル番号を登録する。
設問4(1)
解答の要点は「VDI利用者の利用者IDと、その利用者の仮想PCのIPアドレスの組」。SSL-VPN装置が認証済み利用者を適切な仮想PCへ対応付けるために必要な情報です。
設問4(2)(a)
解答の要点は「クライアント証明書から得られる利用者ID情報」。本文で社員番号を利用者IDとして証明書に含めるとしているため、ユーザテーブル検索のキーは証明書から得た利用者IDです。
設問4(2)(b)
解答は「Ⅷ」。図3では、SSL-VPNトンネル確立後、クライアントからCertificateが送られる段階がⅧであり、クライアント証明書から利用者ID情報を得られるタイミングに当たる。
設問5(1)
解答の要点は「M社とN社の広域イーサネットの両方を利用すること」。同一コストの経路を作ってECMPを働かせ、通常時から二つの回線を利用することが目的です。
設問5(2)(a)
解答は「4」。図4のコスト設定では、L3SW11からサーバセグメントまで同一コストとなる経路が4本存在し、L3SWのECMP上限にも合う。
設問5(2)(b)
解答は「70」。図4の各リンクのOSPFコストを合計すると、L3SW11からサーバセグメントまでの同一コスト経路は70になる。
設問5(3)
解答の要点は「フローモードはパケット到着順序の逆転が起こりにくいから」。パケットごとに別経路を選ぶと遅延差で順序が入れ替わりやすいが、フローモードは同一通信を同じ経路へ振り分ける。
設問5(4)
解答の要点は「送信元IPアドレスと宛先IPアドレスから計算したハッシュ値が偏らないから」。フローモードではIPアドレスの組ごとにハッシュで経路を選ぶため、ハッシュ値が偏らなければ複数回線へ通信がほぼ均等に分散される。
設問5(5)
解答の要点は「インタフェースの障害を検知した時にL3SW31のVRRPの優先度を下げる」。L3SW31を通常のマスタとしつつ、a又はbの障害時には優先度を下げ、L3SW32がマスタになるようにする。
学習のポイント
証明書認証の鍵の役割と、経路冗長化技術の動作理由を本文の流れに沿って説明できるようにする。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和4年度春期 ネットワークスペシャリスト試験 午後Ⅱ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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