NWネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ
令和元年度秋期 ネットワークスペシャリスト 午前Ⅱ 問16
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- ア暗号化通信が確立された後に,暗号鍵候補を総当たりで試すことによって暗号化されたデータを解読する。
- イ暗号化通信中にクライアントPCからサーバに送信するデータを操作して,強制的にサーバのディジタル証明書を失効させる。
- ウ暗号化通信中にサーバからクライアントPCに送信するデータを操作して,クライアントPCのWebブラウザを古いバージョンのものにする。
- エ暗号化通信を確立するとき,弱い暗号スイートの使用を強制することによって,解読しやすい暗号化通信を行わせる。
解き方のヒントを見る
通信保護を考える確認の視点
SSL/TLSに関する設問では、通信のどの段階に関わる話か、攻撃者の目的と成立条件は何かを切り分け、用語の印象だけで判断せず、問題文の前提と照らして検討しましょう。
この問題で問われていること
一つの観点として、説明されている事象が通信のどの段階で起き、攻撃者が何を得ようとしているのかを対応づけてください。名称の連想ではなく、前提・対象・結果のつながりを確認します。
視点
通信保護に関する説明を読むときは、対象となる通信の場面、関与する主体、攻撃によって生じる結果を分けて整理し、それらが一貫してつながっているかを確認します。
確認ポイント
- 事象が起きる通信の場面を確認する
- 攻撃者が関与する対象を整理する
- 説明された結果が前提とつながるか確認する
正解と解説を見る
正解
エ
解説
SSL/TLSのダウングレード攻撃は、接続時に本来選択されるはずの強いプロトコルや暗号スイートを使わせず、弱い暗号方式を強制して通信の安全性を低下させる攻撃です。
理由
SSL/TLSでは、通信を確立する際に利用可能なプロトコルや暗号スイートを選択する。ダウングレード攻撃は、この選択に介入し、強度の低い暗号スイートを使用させることで、暗号化通信を解読されやすくする。
比較
暗号鍵候補を総当たりするのは暗号解読の攻撃であり、証明書を失効させる操作やブラウザを古い版に変更する操作も、SSL/TLSの暗号方式を弱くするダウングレード攻撃の定義には当たらない。
選択肢ア
これは不正解だよ。暗号化通信が確立された後に暗号鍵候補を総当たりしてデータを解読するのは、鍵の強度や暗号アルゴリズムに対する総当たり攻撃の説明である。接続時に弱い暗号スイートを選択させるダウングレード攻撃とは、攻撃の対象となる段階と手法が異なる。
選択肢イ
これは不正解だよ。クライアントPCからサーバへ送信するデータを操作し、サーバのディジタル証明書を失効させることは、証明書の有効性に関わる操作である。利用するプロトコルや暗号スイートを弱いものへ変更させる説明ではないため、ダウングレード攻撃には該当しない。
選択肢ウ
これは不正解だよ。サーバからクライアントPCへ送信するデータを操作してWebブラウザを古いバージョンにするという内容は、クライアントソフトウェアの変更に関するものだ。SSL/TLSの接続時に暗号方式を弱くする攻撃そのものを説明していないため、該当しない。
選択肢エ(正解)
これは正解だよ。SSL/TLSの接続を確立するときに弱い暗号スイートの使用を強制すると、本来より安全性の低い暗号方式で通信させられる。このように通信方式を強いものから弱いものへ変更し、解読しやすくすることがダウングレード攻撃である。
学習のポイント
暗号化後の解読ではなく、接続時の暗号方式選択を操作する攻撃として整理する。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和元年度秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問16(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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