NWネットワークスペシャリスト試験 午後Ⅰ
平成25年度秋期 ネットワークスペシャリスト 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題



解き方のヒントを見る
要件と構成の対応を見極める視点
この分野では、各構成要素の役割だけでなく、求められる可用性や運用上の制約と、提示された説明の対応関係を落ち着いて確認することが重要です。用語の印象だけで判断せず、全体の目的との整合性に注目しましょう。
この問題で問われていること
一つの観点として、提示された説明が想定される運用目的と矛盾なく結び付いているかを確認してください。個別の用語を暗記で照合するより、要件、構成、期待される効果の関係を整理して読むことが手掛かりになります。
視点
構成を評価するときは、目的に対してどの要素が関係し、どの前提が置かれているかを整理します。似た表現でも、対象範囲や運用条件が異なると評価の観点は変わるため、説明全体のつながりを確認します。
確認ポイント
- 説明の主語と対象範囲が一貫しているか
- 示された目的と構成上の役割が対応しているか
- 前提条件や運用制約を含めても説明が成り立つか
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解説
顧客ごとに個別管理されていたネットワークを共通のNW基盤へ統合し、VLANトンネリングで独立性を保ちながら、冗長化・ループ抑制・仮想化を実現する問題です。
問題の全体像
C社では、顧客システムごとにネットワークが構築され、IPアドレスやVLAN IDの管理が分散していた。その結果、共用設備の管理が難しく、フロア間配線の不足や、ある顧客のループ障害が他システムへ波及する問題も発生していた。D君は、複数の顧客NWを収容する共通のNW基盤を構築し、顧客側の設定を変えずに独立性、冗長性、障害影響の局所化を実現しようとした。設問では、そのために用いるIEEE 802.1Qトンネリング、リンクアグリゲーション、VRF、スタック、FWの機能と、図中のフレーム構造を確認している。
設問1(ア)
本文は「VLAN用の【ア】は、32ビットで構成され」と述べている。IEEE 802.1QのVLANタグ全体を指す語を入れるため、公式解答例は「タグ」としている。
設問1(イ)
IEEE 802.1Qタグ内のVIDに割り当てられるビット数を問うている。公式解答例は12であり、VLAN識別子の範囲を表す基本知識が根拠となる。
設問1(ウ)
リンクアグリゲーションは複数リンクを一つの論理リンクとして扱う機能です。本文の「リンクの冗長化」と対になる効果として、複数リンクの容量を活用できるため、公式解答例は「帯域」としている。
設問1(エ)
VRFは、一台のルータやL3SW上で複数の独立したルーティング環境を動作させる機能です。本文の「仮想【エ】」には、公式解答例どおり「ルータ」が入る。
設問1(オ)
複数の物理筐体を接続し、単一のスイッチとして動作させ、複数筐体を一つのIPアドレスで管理する機能です。これはスタック機能なので、公式解答例は「スタック」としている。
設問2(1)
図2のDAとSAは、同一イーサネットフレーム内で宛先と送信元の機器を示している。本文もDAとSAに該当機器の宛先アドレス、送信元アドレスが入ると説明しているため、アドレス種別は公式解答例どおりMACアドレスです。
設問2(2)
フレーム①はSV1から顧客α側のL2SWへ送られるが、DAは最終宛先SV2、SAは前提でSV1です。NW基盤内のフレーム②では外側のVLANタグが付加され、フレーム③ではさらに別の顧客側区間へ転送されるが、図の説明上、DAとSAは機器間で置き換わらない。したがって公式解答例は、①~③すべてDAがSV2、SAがSV1としている。
設問2(3)
フレーム②に顧客のタグ情報としてTPIDとTCIが追加されている。フレーム③ではトンネリング用の外側タグも付くため、網掛け部分は外側のTPIDとTCIに分割する。既存の顧客側タグはその後ろに残るので、フィールドの並びはDA、SA、TPID、TCI、TPID、TCI、Ether Type/Lengthとなる。
設問2(4)(①)
下線部(I)は、同じ物理NWを複数顧客が共用する際の問題を問うている。顧客ごとに独立したVLANを使っていても、VLAN IDの管理範囲が共通であるため、別顧客間で同じVLAN IDを使うと識別が衝突する。30字以内では、公式解答例の「別々の顧客で使用しているVLAN IDが重複する」という要素を押さえる。
設問2(4)(②)
IEEE 802.1QのVIDにはビット数に基づく上限があり、顧客数やVLAN数が増えると識別子を使い切る可能性がある。30字以内では、公式解答例の「VLAN数に制限があり、これを超える」という要素を簡潔に述べる。
設問3(1)
図3は監視システム上の論理的なマップであり、図1のNW基盤の全物理構成をそのまま描くものではありません。FWの稼働系・待機系をL3SWへ接続し、L3SWの下に複数のL2SWを並列に配置する。公式解答例では、既に示されたL2SWに加えて二つのL2SWを置き、冗長な下位スイッチ群を表している。
設問3(2)(①)
顧客側L2SWからNW基盤の別筐体へ2本接続すると、物理的なループや二重経路が生じる可能性がある。その一方を論理的に閉塞して、障害時に経路を切り替える方法がSTPです。30字以内では、公式解答例の「STPを動作させ、ブロックポートを設ける」という構成要素を書く。
設問3(2)(②)
もう一つは、2本のリンクを一つの論理リンクとして扱う方法です。リンクアグリゲーションを使えば、通常時は帯域を有効利用し、一方のリンク障害時も通信を継続しやすい。30字以内では、公式解答例の「リンクアグリゲーションで単一のリンクとして扱う」という要素を押さえる。
設問3(3)
顧客NWごとにFWを設置すると、装置数や管理負荷が増える。NW基盤では複数NWを共通収容するため、FWでも顧客ごとの独立性を保つ必要がある。40字以内では、公式解答例の「複数の独立したFW機能を、1台のFW装置で稼働させる機能」という内容を簡潔に述べる。
学習のポイント
図と本文を対応付け、各技術が解決する運用上の問題を理解する。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成25年度秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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