NWネットワークスペシャリスト試験 午後Ⅰ
平成23年度秋期 ネットワークスペシャリスト 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題



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判断の前提と適用範囲をそろえる
店舗ネットワークの再構築について考えるときは、判断がどの前提に基づき、どの範囲に当てはまるかを整理しましょう。同じ観点で考えているつもりでも、途中で対象や条件が変わっていないかを確かめることが大切です。
この問題で問われていること
この問題では、扱われている対象と条件を、判断の前提として意識してみましょう。ある範囲で考えた内容を別の範囲へ広げていないか、明示された条件と自分が補った想定を混ぜていないかに注目してください。
視点
検討の前提は、対象となる範囲と、そこで成り立つとされている条件を合わせて捉えます。考えを進める際は、根拠のある条件と自分で置いた想定を区別し、前提が途中で変わっていないかを見直しましょう。
確認ポイント
- 判断の対象となる範囲を意識できているか
- 明示された条件と自分の想定を区別できているか
- 考えを進める途中で前提を変えていないか
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解説
本問は、ネットワーク監視の外部委託に伴う再構築を題材に、VPNの接続区間、VLANの通信条件、障害時の付け替え準備、通知の集約と機器交換手順を問う問題です。設計段階から現場での運用と障害対応を考慮することが要点です。
問題の全体像
S社では、店舗ごとに会員用NWの構成とセキュリティ対策が異なり、障害対応にも時間が掛かっています。そこでC社の監視サービスを導入し、業務用NWも含めて構成を見直します。出題趣旨では、現場担当者が運用できるように、障害の発生を前提として可用性と運用管理を設計段階から考慮する力を問うとしています。機器やプロトコルの知識に加え、付け替え準備、通信制御、障害通知、設定復元を具体的な運用と結び付けて読むことが必要です。
設問1(ア)
FWにVPN、Webフィルタリング、ウイルスチェックなどの複数のセキュリティ機能をもたせるという記述に着目します。公式解答例では「UTM」です。統合脅威管理を意味し、複数のセキュリティ機能を統合した装置を指します。
設問1(イ)
設定変更やウイルス感染があっても、ある操作で会員用PCを元の状態に戻せるツールを導入するという記述が根拠です。公式解答例では「再起動」です。ここでは、導入する復元ツールによって再起動時に元の状態へ戻す仕組みを想定しています。
設問1(ウ)
構成管理SVからL2SWへ設定情報を転送する際の「簡易型ファイル転送用プロトコル」という説明に着目します。公式解答例では「TFTP」です。機器の設定情報をファイルとして転送する用途と結び付けて理解します。
設問1(エ)
店舗担当者がL2SWにログインし、構成管理SVの何かとファイル名を指定するという記述が根拠です。転送元のサーバを特定する必要があるので、公式解答例では「IPアドレス」です。サーバの指定と、取得するファイルの指定を分けて読み取ります。
設問1(オ)
DSUとFWの接続に用いるケーブルのモジュラジャックの名称を問うています。公式解答例では「RJ-45」です。本文の接続対象と、問われているものがプロトコルではなくコネクタの名称であることを確認します。採点講評でも、この用語の理解が課題として挙げられています。
設問1(カ)
監視対象機器がSNMP v1/v2cに対応し、監視SVが名称を指定して問い合わせるという記述に着目します。公式解答例では「コミュニティ」で、空欄の後の「名」と合わせてコミュニティ名となります。採点講評では、頻繁に目にする用語として把握しておくことが求められています。
設問2(1)
本文ではDC、店舗、監視センタの接続にインターネットVPNを利用し、DCと監視センタのルータ及び店舗のFWにVPN機能をもたせます。公式解答例の三つの区間は「T社DCのルータと店舗のFWの間」「C社監視センタのルータと店舗のFWの間」「C社監視センタのルータとT社DCのルータの間」です。図2のインターネットへの接続線だけでなく、拠点間の通信を保護するトンネルの両端を機器名で答えます。
設問2(2)(a)
障害時には、利用可能なもう1台のFWへL2SWを付け替えるという運用に着目します。付け替え先のFWには、追加するL2SWを接続できるポートが必要です。公式解答例では「L2SW接続用のポートを確保する」です。20字以内の答案では、この接続先ポートの確保を明記します。採点講評では、こうした事前準備を構築フェーズから考慮する必要があるとしています。
設問2(2)(b)
設問は「FWに対して」事前に準備する事項を問うています。L2SWを別のFWに付け替えると、そのFWが受け持つ接続構成が変わるため、変更後の接続構成に対応するFWの設定・構成情報を事前に用意しておく必要があります。公式解答例では「接続変更後の構成情報を用意する」です。これはFW側の設定・構成情報の準備を指します。20字以内なら「接続変更後のFW構成情報を用意する」と、準備対象を明確にまとめられます。
設問2(3)(a)
会員用PC間の通信を遮断する一方、会員用PCはFWを経由してインターネットを利用する必要があります。したがって、VLANの通信条件には必要な通信の許可も含めます。公式解答例では「FW接続ポートとPC接続ポート間は通信できる」です。30字以内では、通信する二種類のポートと許可条件を示します。採点講評でも、端末側だけでなくアップリンク側を考えることが求められています。
設問2(3)(b)
本文の「L2SWの機能によって、会員用PC間の通信を遮断する」が直接の根拠です。公式解答例では「PC接続ポート同士では通信できない」です。30字以内では、遮断する対象をPC接続ポート同士と明示します。前の回答と合わせて、FWへの通信は許可し、会員用PC同士の通信は遮断するという二つの条件を押さえます。
設問3(1)
図2では複数のL2SWがFWの配下にあり、監視SVは対象機器への定期的な問い合わせで異常を検知し、メールを送ります。FWが故障すると、その配下の複数機器への監視通信にも影響し、通知が集中することが考えられます。公式解答例では、大量のメールによってS社の担当者が重要な通知を見落とすことを挙げています。40字以内なら「S社の担当者に大量のメールが届き、重要な通知を見落とす」と、通知量と運用への影響を示します。
設問3(2)
前問の支障は、大量の通知によって重要な内容を見落とすことです。そのため、複数の検知内容を集約してメールの数を抑える方法を考えます。公式解答例では「複数の検知内容を一つのメールにまとめるようにする」です。30字以内なら「複数の検知内容を一つのメールにまとめる」と、通知をまとめる処理を具体的に示します。
設問3(3)(④)
表1では、③でL2SWをFWに接続し、⑤で設定情報を保存してリブートします。また、本文ではL2SWの設定情報を構成管理SVに保存し、TFTPで転送するとしています。このため④は、保存とリブートに先立って設定情報を取得する作業です。公式解答例では「L2SWの設定情報を構成管理SVから転送する」です。25字以内なら「L2SWの設定を構成管理SVから転送する」と、転送元と対象を示します。
設問3(3)(⑥)
①で故障したL2SWから全てのケーブルを抜き、③では交換機をFWに接続しています。⑤で設定情報の保存とリブートを終えた後、⑦で会員用PCの利用を確認するためには、PC側の接続を戻す必要があります。公式解答例では「会員用PCをL2SWに接続する」です。この表現は25字以内で、接続する機器と接続先を具体的に示しています。
学習のポイント
通信を許可する条件と遮断する条件を区別し、障害時に必要となるFWの構成情報や交換手順を設計段階で準備する考え方を学びましょう。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成23年度秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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