NWネットワークスペシャリスト試験 午後Ⅰ
平成21年度秋期 ネットワークスペシャリスト 午後Ⅰ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題


解き方のヒントを見る
通信方式と安全対策の整理ポイント
メールシステムの移行を考えるときは、通信の目的と守るべき情報を切り分け、利用場面ごとに安全性・互換性・運用負担のバランスを確認し、全体の要件に照らして整理する視点が重要です。
この問題で問われていること
一つの方式名や用語の印象だけで判断せず、送受信のどの段階を対象にしているか、保護したい対象と運用上の制約が何か、さらに移行後も無理なく維持できるかを対応づけて考えてください。
視点
通信方式を検討する際は、経路・接続先・認証・保護対象を同じ観点で整理し、移行後の利用者操作や管理方法まで含めて比較します。個別の名称より、要件との対応関係に注目しましょう。
確認ポイント
- どの通信段階を確認対象にするか整理する
- 守るべき情報と想定されるリスクを分けて考える
- 移行後の運用負担や継続的な管理方法を確認する
正解と解説を見る
解説
自社メールシステムをASPのWebメールへ移行する事例を通じて、メールプロトコル、プロキシ、FW、DNS、ウイルス対策、移行時の通信制御を問う問題です。
問題の全体像
X社は、PCにメールデータを保存する問題を解消するため、J社のASP型Webメールへ移行する。移行では、社内利用への限定、ASPサーバとの暗号化、既存メールデータのアップロード、旧メールサーバ停止を順に実施する。設問は、Webメール技術とメールプロトコル、プロキシ・FW・DNSの設定、ウイルス対策、移行期間中の通信制御を、本文の通信経路に対応付けて答えさせる構成です。
設問1(ア)
本文は、JavaScriptの非同期通信によって画面遷移を抑えた動的なユーザインタフェースを実現する技術を説明している。公式解答例では、この技術をAjaxとしている。
設問1(イ)
表ではTCPポート25のプロトコルを問うている。メール送信に使う標準プロトコルはSMTPなので、公式解答例はSMTPです。
設問1(ウ)
TCPポート995は、SSLで暗号化したPOP3です。したがって、公式解答例ではPOP3Sとしている。
設問1(エ)
複数のPCが一つのグローバルアドレスを共有してASPサーバと通信する方式を、FWのアドレス変換機能で実現しようとしている。公式解答例は、ポート番号も変換して多重化するNAPTです。
設問1(オ)
HTTPSでPCがプロキシへ接続先を指定し、その先のASPサーバとSSLセッションを確立する場面です。プロキシを通して任意の宛先へTCP接続を確立するHTTPメソッドはCONNECTであり、公式解答例もCONNECTとしている。
設問2(1)
Webメールの利用は社内からの接続に限定する要件です。表のアクセス設定は接続を許可するクライアントのIPアドレスを指定するため、社内PCの個々のアドレスではなく、社内PCが利用するプロキシサーバのIPアドレスだけを許可する。公式解答例も、プロキシサーバのIPアドレスだけを許可するとしている。
設問2(2)
外部メールサーバのログだけでは、社内メールサーバから社内宛てに配送されるメールの状況を把握できない。本文で確認したいメールトラフィックには社内間のメールも含まれるため、公式解答例は、社内から社内宛てのメールのログが残っていないことを理由としている。
設問2(3)
メールを閲覧するだけでPCが感染するリスクは、HTMLメールに含まれるスクリプトや悪用コードの実行と関係する。したがって、字数内ではHTMLメールの表示機能を無効にする設定を押さえる。公式解答例も同じ内容です。
設問3(1)(カ)
DNSでX社ドメイン宛てのメール配送先をASPサーバへ変更するため、対象となるDNSレコードはメール交換サーバを示すMXレコードです。
設問3(1)(キ)
MXレコードの値には、メールサーバをホスト名で指定する。本文の「ASPサーバの【キ】」に入るのは、公式解答例のFQDNです。
設問3(2)
誤って旧メールソフトを使い続けても内部メールサーバに新規メールが保存されないよう、送信に使うSMTP機能を停止する。公式解答例では、SMTPの機能を停止するとしている。
設問3(3)
PCのメールソフトはIMAPSに対応していない一方、プロキシにIMAPとIMAPSを相互変換するSSLゲートウェイを追加する。したがって、設定変更は、受信プロトコルをIMAPにすること、受信サーバをプロキシサーバにすることの二つです。これによりPCからはIMAPで接続し、プロキシ以降をIMAPSとして暗号化できる。
設問3(4)
社員が割り当てられた期間以外にアップロードできないよう、FWでIMAP通信を許可する送信元IPアドレスを期間ごとに制限する。公式解答例では、作業期間ごとにIMAPを利用できる送信元IPアドレスを制限するとしている。
学習のポイント
ネットワーク構成と各設定の役割を通信方向ごとに整理する力を身につける。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成21年度秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午後Ⅰ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
関連する過去問一覧
IPA Advancedは非公式の学習サイトです。解説にはAIによる補助生成を含む場合があります。公式の問題冊子・解答例・採点講評を優先し、誤りは確認後に訂正します。運営・編集方針