NWネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ

平成21年度秋期 ネットワークスペシャリスト 午前Ⅱ 問25

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

開発した製品で利用している新規技術に関して特許の出願を行った。日本において特許権の取得が可能なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    学会で技術内容を発表した日から11か月目に出願した。
  2. イ
    顧客と守秘義務の確認を取った上で技術内容を説明した後,製品発表前に出願した。
  3. ウ
    製品に使用した暗号の生成式を出願した。
  4. エ
    製品を販売した後に出願した。
解き方のヒントを見る

判断に用いる条件の範囲を確かめる

この分野を学ぶ際は、判断の根拠にする条件の範囲に注目しましょう。印象や身近な例から結論を急がず、与えられた条件と自分で補った前提を分け、どこまでを根拠として扱えるかを確認してください。

この問題で問われていること

考えるときの焦点は、判断に使おうとしている前提が、与えられた条件の範囲に収まっているかです。知っている事例や言葉の印象を付け足していないか、根拠として使う条件を一つずつ確かめてください。

視点

制度に関する判断では、覚えている知識と、その場で根拠として使える条件を区別して整理すると、考えの飛躍を点検しやすくなります。まずは、結論の前提に置いた条件の出どころを確かめましょう。

確認ポイント

  • 根拠として使う条件の出どころを確認したか
  • 身近な事例の条件を無意識に付け足していないか
  • 与えられた条件と自分の推測を区別できているか
正解と解説を見る

正解

イ

解説

正解はイです。守秘義務のある顧客への説明は一般に公知とはならず、製品発表前の出願なので新規性を保てます。公開後の出願の扱いは、2009年当時の制度を前提に判断します。

守秘義務と新規性

特許取得には、出願時に発明が新規性を備えていることが必要です。イでは、顧客と守秘義務を確認した上で説明しているため、その説明だけで一般に公知になったとは扱いません。さらに製品発表前に出願しており、設問の条件では特許権の取得が可能です。

公開後の出願と保護対象

2009年当時、学会発表による新規性喪失の例外を適用するには、原則として発表から6か月以内の出願が必要であり、アの11か月目では期間を過ぎています。エは販売によって技術が公開された想定で、当時は販売による公開が例外の対象ではありませんでした。ウの暗号の生成式そのものは数式・計算規則であり、それを利用した具体的な技術的発明とは区別します。

選択肢ア

これは不正解だよ。2009年当時、学会発表によって新規性を失った発明に例外を適用するには、原則として発表から6か月以内の出願が必要でした。この選択肢は発表から11か月目の出願なので、例外の期間を過ぎています。現行制度の期間と混同しないようにしましょう。

選択肢イ(正解)

これは正解だよ。守秘義務を確認した顧客への説明は、秘密を守る義務のある相手への開示なので、それだけでは一般に公知になりません。さらに製品発表前に出願しているため、設問の条件では新規性を保った出願が可能です。ただし、特許権の取得には新規性以外の要件も満たす必要があります。

選択肢ウ

これは不正解だよ。製品に使用したというだけで、暗号の生成式そのものが特許の対象になるわけではありません。数式や計算規則自体は、自然法則を利用した技術的思想としての発明に当たりません。設問のように生成式自体を出願する場合と、それを用いた具体的な暗号処理装置や方法を出願する場合を区別しましょう。

選択肢エ

これは不正解だよ。2009年当時の本問は、製品の販売により技術内容が公になった状況を想定しています。この想定では販売後の出願は新規性を欠き、当時は販売による公開が新規性喪失の例外の対象でもなかったため、特許権を取得できません。現在の制度にそのまま当てはめないようにしましょう。

学習のポイント

出願前の公開と新規性の関係を中心に、守秘義務のある開示、当時の例外制度、数式自体の扱いを理解しましょう。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成21年度秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問25(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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