DBデータベーススペシャリスト試験 午前Ⅰ
平成22年度春期 データベーススペシャリスト 午前Ⅰ 問1
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- ア一部のクライアントは,プリンタの空き具合を見ながら印刷要求をする。
- イ印刷の緊急性や印刷量の多少にかかわらず,先着順に印刷する。
- ウ印刷待ち文書の総量がプリンタのバッファサイズを超えるときは,一時的に受付を中断する。
- エ一つの印刷要求から印刷完了までの所要時間は,印刷の準備に要する一定時間と,印刷量に比例する時間の合計である。
解き方のヒントを見る
前提条件の整合性を見極める視点
待ち行列を考えるときは、個々の用語を覚えるだけでなく、到着・処理・待機の関係が同じ前提の上で説明されているかを確認します。各記述を独立に読まず、モデル全体の整合性に注目しましょう。
この問題で問われていること
選択肢を読む際は、現実の運用で成り立つかより先に、同じモデル内で置かれた前提同士が矛盾なくつながっているかに焦点を絞ります。用語の印象ではなく、前提の対応関係を確認してください。
視点
待ち行列モデルでは、観測対象、到着の扱い、処理の扱い、待ち方などの前提を別々に見るのではなく、互いに同じ分析対象を説明しているかという観点で整理します。
確認ポイント
- 各記述が同じ分析対象の範囲を前提にしているか確認する
- 到着・処理・待機に関する説明の間で、視点や条件がずれていないか確認する
- 個別の用語の知識だけで判断せず、全体の前提が一貫しているか確認する
正解と解説を見る
正解
イ
解説
M/M/1は、1台のサービス設備に要求が到着し、待ち行列を経て処理される状況を表す基本モデルです。要求の到着や処理時間、待ち行列容量などがモデルの仮定に合うかを確認する。
M/M/1の前提
M/M/1は、要求の到着がポアソン過程、1件の処理時間が指数分布、サービス窓口が1台である待ち行列モデルです。通常の基本形では、待ち行列の容量にも制約がないものとして扱う。
選択肢の比較
利用者がプリンタの状態に応じて要求を控える運用、待ち行列の容量制限、文書量に応じて処理時間が決まる運用は、M/M/1の単純化された仮定と一致しにくい。一方、要求の緊急性や量に左右されない先着順処理は、基本モデルの処理順序として扱える。
選択肢ア
これは不正解だよ。M/M/1では、印刷要求の到着はプリンタの空き具合を見て利用者が意図的に調整するのではなく、一定の確率過程として扱う。空き状況に応じて要求を控える利用者がいると、到着率が待ち行列の状態に依存し、モデルの前提と合わない。
選択肢イ(正解)
これは正解だよ。印刷の緊急性や印刷量によって順番を変更せず、到着した順に処理する方法は、M/M/1で基本的に想定される先着順のサービス規律に合う。記述は処理順序に関する条件を示しており、モデルの条件に反しない。
選択肢ウ
これは不正解だよ。待ち文書の総量がバッファサイズを超えると受付を中断するなら、待ち行列には有限の容量があることになる。M/M/1の基本モデルは、通常、待ち行列の収容数に上限を設けないため、この運用は基本条件と一致しない。
選択肢エ
これは不正解だよ。準備時間が一定で、さらに印刷量に比例する時間が加わるなら、文書量によってサービス時間が決まる。M/M/1ではサービス時間を指数分布に従う確率変数として扱うため、このように内容から機械的に決まる時間の記述は条件に反する。
学習のポイント
到着過程、サービス時間、受付容量、処理順序の違いをモデルの前提と結び付けて判断する。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成22年度春期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅰ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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