AUシステム監査技術者試験 午前Ⅰ
平成31年度春期 システム監査技術者 午前Ⅰ 問26
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- ア主な事業ドメインの高い成長率
- イ競合他社よりも効率性が高い生産システム
- ウ参入を予定している事業分野の競合状況
- エ収益性が高い事業分野での市場シェア
解き方のヒントを見る
用語の定義と事例の要素を対応づける
経営戦略の用語は名前の印象で選ぶと取り違えやすい分野です。まず各用語が何を目的とし、誰が何に対して行う活動なのかという定義の核を自分の言葉で整理し、そのうえで示された状況の中身と一つずつ照らし合わせて判断する姿勢が大切です。
この問題で問われていること
この問題で意識したいのは、具体的な状況のどの部分が用語の定義の核に当たるのかを見極めることです。登場する主体、働きかける対象、狙っている成果を状況から抜き出し、表面的な言葉の一致ではなく中身の一致で判断できているかを確かめてください。
視点
経営戦略の用語は、名称が似ていたり日常語と重なったりするため、言葉の響きだけで判断すると誤りやすくなります。用語を学ぶときは「誰が」「何に対して」「何を目指して」行うのかという定義の核を整理しておくと、初めて見る事例にも当てはめやすくなります。事例を読むときも同じ観点で要素を抜き出し、定義の核と事例の要素が過不足なく対応しているかを確かめることが、概念を具体例に適用する際の基本的な考え方です。
確認ポイント
- 事例に登場する主体、働きかける対象、目指す成果をそれぞれ言葉にして抜き出せているか
- 検討している用語の定義の核を、名称の印象に頼らず自分の言葉で説明できるか
- 事例の要素と定義の核を照らし合わせたとき、表面的な言葉の一致ではなく中身が一致していると言えるか
正解と解説を見る
正解
イ
解説
コアコンピタンスとは、顧客に価値を提供し、競合他社が容易に模倣できない企業の中核的な能力のことです。競合他社よりも効率性が高い生産システムは企業内部の能力であり競争優位の源泉となるため、正答はイです。
理由
コアコンピタンスは、他社がまねしにくい技術・ノウハウ・仕組みなど、競争優位の源泉となる企業の中核的な能力を指します。イの「競合他社よりも効率性が高い生産システム」は企業内部に蓄積された能力であり、他社との差別化につながるため、コアコンピタンスに該当します。
比較
アの事業ドメインの成長率は市場の伸び、ウの参入予定分野の競合状況は外部環境、エの市場シェアは事業活動の成果を表す指標です。いずれも能力そのものではないため、コアコンピタンスには当たりません。「能力(源泉)」なのか「環境・結果」なのかを区別することが大切です。
選択肢ア
これは不正解だよ。主な事業ドメインの高い成長率は、その事業領域の市場がどれだけ伸びているかという市場の魅力度や業績の状況を示すもので、企業が持つ中核的な能力そのものではないよ。成長市場には他社も参入できるので、成長率だけでは自社の競争優位の源泉とはいえず、コアコンピタンスには該当しないんだ。
選択肢イ(正解)
これは正解だよ。コアコンピタンスは、顧客に価値を提供し、競合他社が容易にまねできない企業の中核的な能力を指すよ。競合他社よりも効率性が高い生産システムは、企業内部に蓄積された技術やノウハウに基づく能力であり、他社との差別化や競争優位の源泉になるから、コアコンピタンスに該当するんだ。
選択肢ウ
これは不正解だよ。参入を予定している事業分野の競合状況は、市場にどのような競合企業がいて、競争がどの程度激しいかという外部環境の情報だよ。SWOT分析などでは外部環境として検討する対象であり、自社が保有する能力ではないから、コアコンピタンスには該当しないんだ。
選択肢エ
これは不正解だよ。収益性が高い事業分野での市場シェアは、事業活動の成果として得られた市場での地位を示す指標で、PPMなどで事業を位置付けるときに使われるよ。高いシェアはコアコンピタンスを活かした結果として得られることはあっても、能力そのものではないから該当しないんだ。
学習のポイント
コアコンピタンスを、市場の状況や事業の成果指標と区別して、企業の中核的な能力として理解すること。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成31年度春期 システム監査技術者試験 午前Ⅰ 問26(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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