AUシステム監査技術者試験 午前Ⅰ

平成31年度春期 システム監査技術者 午前Ⅰ 問11

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

図のようなIPネットワークのLAN環境で,ホストAからホストBにパケットを送信する。LAN1において,パケット内のイーサネットフレームの宛先とIPデータグラムの宛先の組合せとして,適切なものはどれか。ここで,図中のMACn/IPmはホスト又はルータがもつインタフェースのMACアドレスとIPアドレスを示す。
図。ネットワーク構成図。上のLAN1にはホストA(MAC1/IP1)とルータのインタフェース(MAC3/IP3)が接続されている。下のLAN2にはホストB(MAC2/IP2)とルータのもう一方のインタフェース(MAC4/IP4)が接続されている。ルータがLAN1とLAN2を中継する。
図。ネットワーク構成図。上のLAN1にはホストA(MAC1/IP1)とルータのインタフェース(MAC3/IP3)が接続されている。下のLAN2にはホストB(MAC2/IP2)とルータのもう一方のインタフェース(MAC4/IP4)が接続されている。ルータがLAN1とLAN2を中継する。
選択肢。選択肢の表。列見出しは「イーサネットフレームの宛先」と「IPデータグラムの宛先」。各行の組合せは、ア:MAC2とIP2、イ:MAC2とIP3、ウ:MAC3とIP2、エ:MAC3とIP3。
選択肢。選択肢の表。列見出しは「イーサネットフレームの宛先」と「IPデータグラムの宛先」。各行の組合せは、ア:MAC2とIP2、イ:MAC2とIP3、ウ:MAC3とIP2、エ:MAC3とIP3。

選択肢

  1. ア
    イーサネットフレームの宛先:MAC2,IPデータグラムの宛先:IP2
  2. イ
    イーサネットフレームの宛先:MAC2,IPデータグラムの宛先:IP3
  3. ウ
    イーサネットフレームの宛先:MAC3,IPデータグラムの宛先:IP2
  4. エ
    イーサネットフレームの宛先:MAC3,IPデータグラムの宛先:IP3
解き方のヒントを見る

層ごとの宛先アドレスの役割を追う

ルータをまたぐ通信では、送信元から宛先までの経路を区間に分けて考えることが出発点です。各区間で、データリンク層とネットワーク層の宛先欄にそれぞれ何を指す情報が入るのかを、自分の知識で一つずつ確かめてみましょう。

この問題で問われていること

観点は一つに絞ります。『各アドレスは何を識別するための情報で、その情報はどの範囲の機器が読み取って使うのか』という問いを、データリンク層とネットワーク層のそれぞれについて自分で説明できるかを確認してください。

視点

OSI参照モデルでは、層ごとに役割とヘッダがあり、アドレスもその層の役割に合わせて定義されています。ルータは中継機器です。受け取ったデータをどの層まで解釈し、何を基に転送先を決めるのかを、教科書の階層モデルの図と照らし合わせて整理してください。そうすると、各層の宛先欄が持つ意味を自分で導き出せます。

確認ポイント

  • 通信経路を『送信元からルータまで』『ルータから宛先まで』のように区間に分け、区間ごとに個別に考えたか
  • データリンク層の宛先アドレスが何を識別し、どの範囲で意味を持つのかを自分の言葉で説明できるか
  • ネットワーク層の宛先アドレスについても同じ問いを立て、二つの答えを並べて比較したか
正解と解説を見る

正解

ウ

解説

ホストAからルータを経由してホストBへ送る場合、LAN1上のイーサネットフレームの宛先は次の中継先であるルータのLAN1側MAC3になります。IPデータグラムの宛先は、最終宛先であるホストBのIP2です。したがって、正解はウです。

理由

ホストAは、宛先IP2が自分とは別のネットワークにあると判断し、ルータ(デフォルトゲートウェイ)へ転送を任せます。LAN1のイーサネットフレームは、同じLAN上にあるルータのLAN1側インタフェースに届ける必要があるため、宛先はMAC3です。IPデータグラムの宛先は最終的な受信者であるホストBを表すため、IP2のままです。ルータは受け取ったフレームを外し、LAN2側で宛先をMAC2とする新しいフレームを作ってホストBへ送ります。

比較

MAC2はLAN2上のホストBのアドレスなので、LAN1上のフレームの宛先にはなりません(ア・イ)。IP3はルータ自身のアドレスなので、IPの宛先にするとパケットはルータ宛てとして扱われ、ホストBに届けるための宛先情報がなくなります(イ・エ)。イーサネットの宛先は区間ごとに変わり、IPの宛先はエンドツーエンドで変わりません。この組合せになっているのはウだけです。

選択肢ア

これは不正解だよ。IPデータグラムの宛先をIP2とする点は正しいけれど、イーサネットフレームの宛先MAC2はLAN2上にあるホストBのインタフェースだよ。イーサネットフレームは同じLAN内でしか届かないので、ホストAがLAN1からMAC2へ直接フレームを送ることはできない。LAN1での宛先は、ルータのLAN1側インタフェースのMAC3になるよ。

選択肢イ

これは不正解だよ。MAC2はLAN2にあるホストBのMACアドレスなので、LAN1上のフレームの宛先にはならない。さらにIP3はルータ自身のLAN1側IPアドレスで、これをIPデータグラムの宛先にすると最終目的地のホストBを示せなくなる。二つの宛先がどちらも誤っている組合せだよ。

選択肢ウ(正解)

これは正解だよ。ホストAはホストBが別のネットワーク(LAN2)にあると判断し、ルータに転送を任せる。そのため、LAN1上のイーサネットフレームの宛先は次の中継先であるルータのLAN1側MAC3になる。一方、IPデータグラムの宛先は経路の途中で変わらない最終宛先、つまりホストBのIP2のままだよ。

選択肢エ

これは不正解だよ。イーサネットフレームの宛先をルータのMAC3とする点は正しいけれど、IPデータグラムの宛先をルータのIP3にすると、パケットはルータ宛てとして扱われ、ホストBへ届けるための情報がなくなる。ルータを経由して中継する場合でも、IPデータグラムの宛先は最終宛先のIP2のままだよ。

学習のポイント

MACアドレスは中継区間ごとの宛先、IPアドレスは最終的な宛先という役割の違いを理解することです。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成31年度春期 システム監査技術者試験 午前Ⅰ 問11(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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