AUシステム監査技術者試験 午前Ⅰ

平成27年度春期 システム監査技術者 午前Ⅰ 問9

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

DBMSに実装すべき原子性(atomicity)を説明したものはどれか。

選択肢

  1. ア
    同一データベースに対する同一処理は,何度実行しても結果は同じである。
  2. イ
    トランザクション完了後にハードウェア障害が発生しても,更新されたデータベースの内容は保証される。
  3. ウ
    トランザクション内の処理は,全てが実行されるか,全てが取り消されるかのいずれかである。
  4. エ
    一つのトランザクションの処理結果は,他のトランザクション処理の影響を受けない。
解き方のヒントを見る

トランザクション特性の見分け方

トランザクション特性を整理するときは、処理全体をどの観点で保証・制御しようとしているかに注目し、用語の印象ではなく、対象となる状態やタイミングを切り分けて考えます。

この問題で問われていること

選択肢の説明が、何を対象にしているか、いつの状態を扱うか、どの範囲に及ぶかを見極め、対象と確認時点をそろえて比較することに集中してください。表面的な語句の一致ではなく、説明が成立する前提の置き方まで確認します。

視点

用語を暗記だけで対応させず、各説明が「何を対象に」「いつの状態を」「どの範囲で」扱っているかという読み取りの枠組みで整理します。選択肢間の違いは、表現の強さではなく、説明の対象と成立する条件の置き方を確認して捉えます。

確認ポイント

  • 説明の対象と範囲を確認する
  • 状態を確認する時点をそろえる
  • 成立条件の置き方を比較する
正解と解説を見る

正解

ウ

解説

原子性とは、トランザクション内の処理を分割できない一つの単位として扱い、全て実行するか、全て取り消すかを保証する性質です。

理由

原子性では、トランザクションの処理が途中で失敗した場合に、一部の更新だけがデータベースへ残ることを防ぐ。処理が正常に完了すれば全体を反映し、完了できなければ全体を取り消す。

比較

アは処理の再実行時に結果が同じになる性質、イは完了後の更新内容を保持する永続性、エは他のトランザクションとの干渉を抑える分離性に関する説明です。したがって、原子性を表すのはウです。

選択肢ア

これは不正解だよ。同一処理を繰り返したときに結果が同じになるという説明は、処理の再実行や結果の一貫性に関する性質を示している。トランザクション内の処理を一体として扱い、途中失敗時に全体をどうするかという原子性の定義ではない。

選択肢イ

これは不正解だよ。トランザクション完了後も更新内容を保持し、障害後に失われないことを保証する説明は、確定した結果の永続性に関する性質である。処理を全部実行するか取り消すかという原子性そのものを説明していない。

選択肢ウ(正解)

これは正解だよ。原子性は、トランザクションを分割できない一つの処理単位として扱う性質である。そのため、内部の処理が途中で失敗した場合は一部だけを残さず全体を取り消し、正常に完了した場合は全体を反映する。設問の説明はこの特徴に一致する。

選択肢エ

これは不正解だよ。一つのトランザクションが他のトランザクションの影響を受けないという説明は、同時実行時の相互干渉を抑える分離性に当たる。処理全体を実行するか取り消すかという原子性とは、保証する対象が異なる。

学習のポイント

ACID特性のうち、原子性と永続性・分離性などの違いを整理する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成27年度春期 システム監査技術者試験 午前Ⅰ 問9(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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