AUシステム監査技術者試験 午前Ⅰ

平成26年度春期 システム監査技術者 午前Ⅰ 問24

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

IT投資効果の評価に用いられる手法のうち,ROIによるものはどれか。

選択肢

  1. ア
    一定期間のキャッシュフローを,時間的変化に割引率を設定して現在価値に換算した上で,キャッシュフローの合計値を求め,その大小で評価する。
  2. イ
    キャッシュフロー上で初年度の投資によるキャッシュアウトフローが何年後に回収できるかによって評価する。
  3. ウ
    金銭価値の時間的変化を考慮して,現在価値に換算されたキャッシュフローの一定期間の合計値がゼロとなるような割引率を求め,その大小で評価する。
  4. エ
    投資額を分母に,投資による収益を分子とした比率を算出し,投資に値するかどうかを評価する。
解き方のヒントを見る

評価の前提をそろえる視点

IT投資の効果を考えるときは、まず何を評価対象とし、どの時点の状態を比べるのかをそろえます。数字だけでなく、比較の条件と判断の目的が一致しているかを確認しましょう。

この問題で問われていること

この問題では、評価手法の名称や印象に引きずられず、投資前後の比較対象・評価期間・判断目的が同じ土台に置かれているかという一点に注目して丁寧に考えることが重要です。

視点

評価を整理するときは、最初に評価したい成果と比較の基準を明確にし、その後で期間や前提条件の違いが判断を左右しないかを点検します。手法名よりも、何を同じ条件で見ているかを軸に考えると整理しやすくなります。

確認ポイント

  • 評価したい成果が何かを一文で言えるか確認する
  • 比較する時点と期間がそろっているか確認する
  • 判断の目的と比較条件が食い違っていないか確認する
正解と解説を見る

正解

エ

解説

ROIは、投資によって得られる収益を投資額との比率で表し、その比率によって投資効果を評価する手法です。

理由

ROIはReturn on Investmentの略で、投資額に対してどれだけの収益が得られたかを比率で示す。したがって、投資による収益を分子、投資額を分母として算出し、その大きさから投資効果を判断する。

比較

アは現在価値に換算したキャッシュフローの合計を比較するNPV、イは投資額を回収するまでの期間を測る回収期間法、ウは正味現在価値をゼロにする割引率を求めるIRRです。

選択肢ア

これは不正解だよ。割引率を用いて将来のキャッシュフローを現在価値に換算し、その合計額の大小で評価する方法は、正味現在価値(NPV)に該当する。投資額と収益の比率を求めるROIの説明ではない。

選択肢イ

これは不正解だよ。初年度の投資によるキャッシュアウトフローが何年後に回収できるかで評価する方法は、回収期間法である。評価の基準が回収までの年数であり、収益と投資額の比率を求めるROIとは異なる。

選択肢ウ

これは不正解だよ。現在価値に換算したキャッシュフローの合計がゼロとなる割引率を求める方法は、内部収益率(IRR)である。求める対象が割引率であり、投資額に対する収益率を直接表すROIとは異なる。

選択肢エ(正解)

これは正解だよ。ROIは、投資額を基準として投資による収益の割合を算出し、その比率の大きさで投資効果を評価する手法である。投資額を分母、収益を分子とする説明はROIの定義に一致する。

学習のポイント

ROIとNPV、回収期間法、IRRの違いを、計算結果の意味で整理する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成26年度春期 システム監査技術者試験 午前Ⅰ 問24(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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