AUシステム監査技術者試験 午前Ⅱ

令和7年度秋期 システム監査技術者 午前Ⅱ 問3

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

システム監査基準(令和5年)におけるリスク・アプローチに関する記述として,適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    監査対象に対するリスクとは,組織体に対して重要な影響を与えるリスクを発見できない等,監査の目的が達成できない可能性を合理的に低い水準にまで抑えられないリスクをいう。
  2. イ
    監査の効率性よりも網羅性に重点を置くことによって,リスクに応じた監査を実施する方法である。
  3. ウ
    保証を目的としたシステム監査計画策定における監査対象先の選定や監査の優先度は,残存リスクの評価に基づき決定されるので,固有リスクや統制リスクについての考慮は不要である。
  4. エ
    リスクの大きさは,脅威と脆弱性が決定要因となるリスク発生可能性とリスクが発生した場合に組織体が受ける影響度の組合せで評価される。
解き方のヒントを見る

リスクに基づく監査の判断軸を確認

システム監査基準の考え方を扱う問題です。用語の印象で判断せず、記述が誰の立場で、どの段階の判断を、何を根拠に述べているかという一つの観点に絞って、基準の趣旨と照らし合わせながら検討しましょう。

この問題で問われていること

問われているのは、監査という活動の中で判断がどのように位置付けられるかの理解です。記述ごとに判断の主体と根拠、その判断が監査全体のどの場面に関わるのかを自分の言葉で言い直し、基準の趣旨と矛盾がないかを確かめてください。

視点

システム監査基準は、監査人が一定の品質で監査を行うための拠り所です。学習の際は、個々の用語を暗記するより、監査人が判断を下す場面ごとに『誰が』『何を拠り所に』『何を決めるのか』を整理しておきましょう。そうすると、似た表現の記述でも立場や段階の違いに気付きやすくなります。

確認ポイント

  • 記述の中で判断や決定を行っている主体は誰かを特定したか
  • その判断が何を拠り所にしているかを記述から読み取れたか
  • 主体・根拠・場面の組合せが基準の趣旨と矛盾しないか確かめたか
正解と解説を見る

正解

エ

解説

リスク・アプローチは、監査対象に存在するリスクの大きさを評価し、その結果に応じて監査対象や監査手続の優先度を決める方法です。

理由

リスクの大きさは、脅威と脆弱性を要因とするリスク発生可能性と、リスクが発生した場合に組織体が受ける影響度を組み合わせて評価する。したがって、エの記述が適切です。

比較

リスク・アプローチは網羅性だけを重視する方法ではなく、効率性にも配慮しながらリスクの高い領域へ監査資源を重点配分する。また、監査計画では固有リスクや統制リスクも考慮する。

選択肢ア

これは不正解だよ。記述は監査人が監査目的を達成できない可能性に関する監査リスクの説明に近く、監査対象に対するリスクそのものの定義としては適切でない。リスク・アプローチの評価要素も示されていない。

選択肢イ

これは不正解だよ。リスク・アプローチは、監査の効率性よりも網羅性を優先する方法ではない。リスクの大きさに応じて監査対象や手続に重点を置き、限られた監査資源を効果的かつ効率的に配分する考え方である。

選択肢ウ

これは不正解だよ。残存リスクだけでなく、対策実施前の固有リスクや統制によって変化する統制リスクも、監査対象や優先度を決める際に考慮する必要がある。固有リスクや統制リスクが不要とする点が誤りである。

選択肢エ(正解)

これは正解だよ。リスクの大きさは、脅威と脆弱性によって決まるリスク発生可能性と、発生した場合に組織体が受ける影響度を組み合わせて評価される。この説明はリスク・アプローチの考え方に合致している。

学習のポイント

発生可能性と影響度を組み合わせてリスクを評価する考え方を理解する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和7年度秋期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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