AUシステム監査技術者試験 午前Ⅱ
令和6年度秋期 システム監査技術者 午前Ⅱ 問16
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- ア権限行使と命令統制による労務管理を批判し,目標管理制度や経営参加制度などによる動機付けが有効だとしたもの
- イ恒常的に成果に結び付けることができる個人の行動や思考特性をモデル化し,これを評価や育成の基準にしたもの
- ウ人間の基本的欲求を低次から,生理的欲求,安全の欲求,所属と愛の欲求,承認の欲求,自己実現の欲求と階層化したもの
- エ唯一最適な部下の指導・育成のスタイルは存在しない,という考え方に基づいて,リーダーの特性や行動と状況の関係を分析したもの
解き方のヒントを見る
理論ごとの説明の軸を見極める
リーダーシップに関する理論は、同じ「有効なリーダー」を扱っていても、何に着目して説明しようとしているかが異なります。用語の響きや提唱時期の印象ではなく、各理論が説明の出発点に置いている要素は何かという一つの観点に絞って整理しましょう。
この問題で問われていること
問われているのは個々の用語の暗記ではなく、学派どうしの考え方の違いを区別できるかどうかです。問題中の各内容が、リーダーシップの有効性を何によって説明しようとしているかを手がかりに、どの学派の発想に属するかを自分で判断してください。
視点
リーダーシップ研究は、時代とともに「有効なリーダーシップは何によって決まるのか」という問いへの答え方を変えてきました。学派の違いは、この問いに対してどの要素を主な説明要因として置いているかに表れます。個々の理論名を覚えるよりも、各理論がこの問いにどう答えているかを自分の言葉で説明できるようにしておくと、区別しやすくなります。
確認ポイント
- それぞれの内容が、有効なリーダーシップを何によって説明しようとしているかを一言で言えるか
- 似た用語や似た印象の内容でも、説明の出発点となる要素が本当に同じかどうかを確かめたか
- 学派に割り当てた根拠が、名称からの連想ではなく説明の軸に基づいているか
正解と解説を見る
正解
エ
解説
リーダーシップのコンティンジェンシー理論は、唯一最適な指導・育成スタイルの存在を否定し、リーダーの特性や行動と状況との関係を分析する考え方です。
理由
コンティンジェンシー理論では、リーダーシップの有効性はリーダーの特性や行動だけで決まらず、置かれた状況との関係によって変わると考える。したがって、唯一最適な指導スタイルは存在しないという説明が該当する。
比較
アは参加型管理などの動機付けに関する説明、イは成果に結び付く個人特性を扱う考え方、ウは人間の欲求を段階化したマズローの欲求階層説です。これらは状況との関係を分析するコンティンジェンシー理論の説明ではありません。
選択肢ア
これは不正解だよ。権限行使や命令統制を批判し、目標管理制度や経営参加制度による動機付けを重視する説明である。これは参加型の労務管理や動機付けに関する考え方であり、リーダーの特性・行動と状況の関係を分析するコンティンジェンシー理論そのものではない。
選択肢イ
これは不正解だよ。恒常的に成果へ結び付く個人の行動や思考特性をモデル化し、評価や育成の基準にする説明である。状況によって有効性が変化する指導スタイルではなく、成果を生む個人の特性を重視しているため、コンティンジェンシー理論とは異なる。
選択肢ウ
これは不正解だよ。生理的欲求から自己実現の欲求まで、人間の基本的欲求を低次から高次へ階層化した説明である。これは欲求の段階に関する理論であり、リーダーの特性や行動と状況の関係を分析するリーダーシップ理論の説明ではない。
選択肢エ(正解)
これは正解だよ。唯一最適な部下の指導・育成スタイルは存在しないという考え方に基づき、リーダーの特性や行動と状況の関係を分析している。状況に応じてリーダーシップの有効性を捉える点が、コンティンジェンシー理論の説明と一致する。
学習のポイント
理論名と説明を対応させ、状況適応を重視する点を押さえる。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和6年度秋期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問16(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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