AUシステム監査技術者試験 午前Ⅱ

令和3年度秋期 システム監査技術者 午前Ⅱ 問10

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

固定資産管理システムに係るIT全般統制として,最も適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    会計基準や法人税法などの改正を調査した上で,システムの変更要件を定義し,承認を得る。
  2. イ
    固定資産情報の登録に伴って耐用年数をシステム入力する際に,法人税法の耐用年数表との突合せを行う。
  3. ウ
    システムで自動計算された減価償却費のうち,製造原価に配賦されるべき金額の振替仕訳伝票を起票する。
  4. エ
    システムに登録された固定資産情報と固定資産の棚卸結果とを照合して,除却・売却処理に漏れがないことを確認する。
解き方のヒントを見る

統制が働く対象の範囲を見極める

問題で扱われる各統制が、どのような対象に向けて働き、どこまでの範囲に影響を及ぼすのかを一つずつ捉えることが、この分野の区別を考える出発点になります。名称の印象ではなく作用先に着目して整理しましょう。

この問題で問われていること

確認すべき観点は、その統制の効果がどこに直接及び、どこまで波及するのかという作用の範囲の一点です。統制名を覚えるのではなく、統制が何を守ろうとしているのかを自分の言葉で説明できるか確かめてください。

視点

内部統制の分類を学ぶときは、個々の統制活動が何に対して働くのかを明確にし、その効果が及ぶ範囲を考えると整理しやすくなります。同じ業務システムに関わる統制でも、作用先の捉え方によって位置付けが変わることがあります。用語の響きや登場する担当者の印象だけで判断せず、統制の作用先を基準に考えることが大切です。

確認ポイント

  • その統制が直接働きかけている対象は何かを、自分の言葉で一文にできるか
  • その統制の効果が及ぶ範囲が、一つの対象にとどまるのか、より広く波及するのかを説明できるか
  • 用語の印象ではなく作用の範囲という同じ基準で、扱われている統制を一貫して捉えられているか
正解と解説を見る

正解

ア

解説

IT全般統制とは、システムの変更や運用を適切に管理し、システム全体が継続して正しく機能することを支える統制です。法令改正を調査し、変更要件を定義して承認を得る手続は、その代表例に該当する。

理由

会計基準や法人税法の改正を調査し、必要なシステム変更を定義して承認を得ることは、システム変更管理に関する統制です。これはIT全般統制として、システムの継続的な信頼性を支える。

比較

耐用年数の入力確認や棚卸結果との照合は、個別データや個別処理の正確性を確かめる統制です。また、振替仕訳伝票の起票は会計処理そのものであり、システム変更を管理するIT全般統制とは異なる。

選択肢ア(正解)

これは正解だよ。会計基準や法人税法などの改正を調査し、その影響を踏まえてシステムの変更要件を定義し、承認を得る手続は、システム変更管理に該当する。システム全体の継続的な適切性を支えるIT全般統制として最も適切である。

選択肢イ

これは不正解だよ。固定資産情報の登録時に耐用年数を法人税法の耐用年数表と突き合わせることは、入力内容や個別データの妥当性を確認する手続である。システム変更の計画、要件定義、承認を管理するIT全般統制そのものではない。

選択肢ウ

これは不正解だよ。自動計算された減価償却費のうち製造原価に配賦すべき金額について振替仕訳伝票を起票することは、計算結果に基づく会計処理である。システムの変更や運用全体を管理する統制ではなく、個別の業務処理に当たる。

選択肢エ

これは不正解だよ。システムに登録された固定資産情報と棚卸結果を照合し、除却・売却処理の漏れを確認することは、資産情報や処理結果の正確性を検証する手続である。個別業務の確認であり、システム変更管理を対象とするIT全般統制ではない。

学習のポイント

IT全般統制と、個別処理を確認する業務処理統制を区別する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和3年度秋期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問10(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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