AUシステム監査技術者試験 午後Ⅰ
平成29年度春期 システム監査技術者 午後Ⅰ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題

解き方のヒントを見る
品質評価記録の整合性を確認する視点
この問題では、各工程の品質評価や完了判定を支える記録について、同じ基準で収集・分類・報告されているかという整合性に注目して整理するとよい。監査では、資料間の差異や集計結果だけでなく、その根拠と確認手続のつながりも意識する。
この問題で問われていること
確認の中心は、レビューやテストの結果が、記録・報告・判定の各段階で同じ意味を保っているかです。個々の件数や数値を推測せず、記録の範囲、分類、承認、比較方法の対応関係を考える。
視点
品質管理の監査では、実績を示す記録と、工程完了を判断する資料が、同じ定義や集計単位に基づいているかを確認する視点が重要です。記録の作成者、利用者、確認者の役割が分かれ、後から追跡できる構造になっているかも併せて考える。
確認ポイント
- 記録された情報と報告資料が、同じ対象を扱っているか
- 分類や集計の前提が、工程や担当者によって揺れていないか
- 監査手続が、結論を支える十分な比較・追跡になっているか
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解説
本問は、システム開発の品質管理について、規程や記録が形式的に整っているかではなく、指標の算定、分析、承認、工程完了判定が品質確保に実効的かを監査する問題です。
問題の全体像
C社では品質管理基準やレビュー・テストの記録制度が整備されているが、本番稼働前のユーザ受入テストで不具合が発生している。監査部は、詳細設計工程での指摘件数の扱い、指摘密度が低い場合の承認、レビュー記録の分析方法、システムテストの完了基準を調査する。出題の狙いは、形式的な文書・承認の確認にとどまらず、品質管理の運用が実際に有効かを判断することです。
設問1
レビュー記録表には全ての指摘が記載されていた一方、品質管理部への報告書では単純ミスなどを除外していたため、指摘件数に差異が生じた。したがって、監査部が確認すべきなのは、何をレビュー指摘件数として数えるかの判断基準が明文化され、各開発部に周知されているかです。50字以内では、判断基準の明文化と周知を押さえる。
設問2
指摘密度が指標値の半分以下でも、過去のシステムや設計書を流用できたという理由が報告されていた。指標値から外れた場合は品質管理部の審査が必要なので、その理由を品質管理部が審査し、承認していることを確認した点が答えの核になる。
設問3(1)
3件のレビュー記録表を、レビューアごとの指摘区分別件数として一覧化することで、レビューアによってレビュー観点が異なっていないか、また特定の指摘区分に偏りがないかを比較しようとした。単なる件数集計ではなく、レビュー品質のばらつきや偏りを確認する目的を示します。
設問3(2)
表計算ソフトで傾向を分析するなら、3件のサンプルだけでは全体の傾向を代表しない可能性がある。そのため、サンプリングではなくレビュー記録表を全件調査すべきです。改善方法と、その理由である網羅性・代表性の不足を45字以内でまとめる。
設問4
システムテストでは、不具合が解決したことだけを基準に工程完了が承認されていた。しかしテスト標準にはテスト密度や欠陥密度などの指標が定められているため、それらの実績値が工程完了の判定基準に含まれているかを品質管理部へ確認する。
学習のポイント
監査証拠をリスクと内部統制に結び付け、適切な確認手続を短い答案で表現する力を養う。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成29年度春期 システム監査技術者試験 午後Ⅰ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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