AUシステム監査技術者試験 午後Ⅰ
平成29年度春期 システム監査技術者 午後Ⅰ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題


解き方のヒントを見る
在庫統合計画の整合性を確認する視点
合併に伴う在庫データ移管、棚卸、滞留品管理を、計画上の前提と実際の業務手順・統制が矛盾なくつながっているかという観点で整理します。監査では個別の答えを当てに行かず、抜けや不整合が起きる箇所を見つけることに集中します。
この問題で問われていること
各設問では、統合前後でデータの意味や扱いが変わらないか、担当者の役割と承認が適切につながるか、計画された時点で必要な情報を確認できるかを一つの軸として考えます。
視点
在庫統合では、データの対応関係、作業手順、承認、更新時点が別々に設計されていないかを見ます。計画の各工程が前後の工程と整合し、誰が何を確認するかが明確か、また移行後も在庫の追跡可能性が保たれるかを概念的に整理してください。
確認ポイント
- 統合前後で同じ在庫を同じ意味で追跡できる前提が崩れていないか
- 作業・調査・承認・更新の役割が相互けん制になるよう整理されているか
- 実施時期の違いによって、必要な対象が記録や確認から漏れないか
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解説
A社とB社の合併に伴う在庫管理システム統合を題材に、データ統合の不備、棚卸差異、在庫移管、長期滞留品、処理能力に関する監査上の着眼点を問う問題です。
問題の全体像
A社の在庫管理システムを残し、B社の在庫データを移管して両社を統合する計画です。製品コードの違い、棚卸差異の修正、在庫移管前の承認、長期滞留品の抽出条件、取引件数・品目数の増加が主な論点となる。公式解答例は、統合に伴う固有のリスクを識別し、状況に対応したコントロールや監査手続を設定することを重視している。
設問1
A社はB社から仕入れたモジュール製品用の製品を、組込み前までA社の製品在庫として管理している。一方、B社製品のコードには統合用の8を付加して別コードにするため、同じ製品がB社と異なる製品コードで記録される可能性がある。したがって、公式解答例のように、在庫データが複数コードに分かれて統合されないリスクを理由として示す。
設問2
棚卸差異の原因と適正数量を担当者が登録入力し、棚卸実施責任者が妥当性を判断して承認入力する手続が示されている。入力者と承認者が同一だと相互けん制が働かないため、公式解答例のとおり、登録入力担当者と承認入力責任者を別人にする職務分離を記述する。
設問3(a)
棚卸数量を確定するのは9月30日で、在庫移管は10月1日から始まる。棚卸差異の承認が未完了のまま移管を始めると、システム上の在庫数量と実在庫が一致しない状態で移管される。そこで、公式解答例のように、在庫移管開始前に全ての棚卸差異データの承認入力が完了したことを確認する。
設問4
統合計画では在庫移管やデータ統合が行われるため、最終出庫日が移管日などに置き換わると、実際の滞留期間を正しく算出できず、長期滞留品が抽出漏れになる。したがって、公式解答例のように、システム担当者へ質問し、最終出庫日が在庫移管日で置き換えられないことを確認する手続を示します。
設問5
合併の背景では、モジュール製品や一括受注の増加により、取引件数・品目数の増加が予想されている。また、既存システムは処理能力の限界に達している。したがって、統合後の在庫管理システムが増加する取引件数及び品目数を処理できる能力について検討済みかを確認する。
学習のポイント
統合計画の日程と業務変更から、リスク、コントロール、監査手続を結び付けて考える。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成29年度春期 システム監査技術者試験 午後Ⅰ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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