AUシステム監査技術者試験 午前Ⅱ
平成29年度春期 システム監査技術者 午前Ⅱ 問9
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- ア会計基準や法人税法などの改正を調査した上で,システムの変更要件を定義し,承認を得る。
- イ固定資産情報の登録に伴って耐用年数をシステム入力する際に,法人税法の耐用年数表との突合せを行う。
- ウシステムで自動計算された減価償却費のうち,製造原価に配賦されるべき金額の振替仕訳伝票を起票する。
- エシステムに登録された固定資産情報と固定資産の棚卸結果とを照合して,除却・売却処理に漏れがないことを確認する。
解き方のヒントを見る
統制が及ぶ範囲から種類を考える
内部統制の種類を区別するときは、個々の用語を暗記に頼るのではなく、その統制がどの対象に対して、どの範囲で効果を及ぼすのかという一点に着目して整理すると、判断の軸がぶれにくくなります。
この問題で問われていること
問われているのは統制の名称そのものより、ある統制活動について、それがどの階層・範囲に位置づくかを自分で判断できるかどうかです。対象と作用範囲を切り分けて考える姿勢が求められます。
視点
統制を分類するときは、その統制が何を守ろうとしているのか、どこまでの範囲に効くのかを言葉にしてみることが有効です。名称の印象だけで判断せず、統制の目的と作用先を自分の言葉で書き出し、学習した分類の定義と照らし合わせて確認します。
確認ポイント
- 統制が働きかけている対象が何かを、自分の言葉で言い換えられるか
- その統制の効果が及ぶ範囲が広いか限定的かを意識して考えたか
- 名称や印象ではなく、学習した分類の定義に照らして判断したか
正解と解説を見る
正解
ア
解説
IT全般統制は、システムの開発や変更、運用などを適切に管理するための統制です。会計基準や税法の改正に応じたシステム変更要件の定義と承認は、システム全体に関わる変更管理に該当する。
理由
会計基準や法人税法の改正を調査し、その内容を反映するシステム変更の要件を定義して承認を得る手続は、システム変更を適切に管理する統制です。特定の取引だけでなく、システム全体の信頼性に関係する。
比較
固定資産情報の入力確認、減価償却費に関する仕訳の起票、棚卸結果との照合は、固定資産業務の個別処理や結果を確認する活動です。このため、IT全般統制ではなく、業務処理統制に該当する。
選択肢ア(正解)
これは正解だよ。会計基準や法人税法の改正を調査し、必要なシステム変更の要件を定義して承認を得る手続は、システム変更管理に関する統制である。特定の固定資産処理だけでなく、システム全体の適切な変更を対象としているため、IT全般統制に該当する。
選択肢イ
これは不正解だよ。固定資産情報の登録時に耐用年数を耐用年数表と突合する行為は、入力された個別データの妥当性を確認する統制である。システム全体の開発、変更、運用を管理するものではないため、IT全般統制には該当しない。
選択肢ウ
これは不正解だよ。自動計算された減価償却費のうち、製造原価に配賦すべき金額の振替仕訳伝票を起票する行為は、固定資産会計の個別処理に関する統制である。システム変更や運用全体を管理する統制ではないため、IT全般統制とはいえない。
選択肢エ
これは不正解だよ。システム上の固定資産情報と棚卸結果を照合し、除却や売却処理の漏れを確認する行為は、固定資産の実在性や処理の完全性を確認する業務処理統制である。システム全体の管理を対象としないため、IT全般統制には該当しない。
学習のポイント
IT全般統制と業務処理統制を、統制対象の広さで区別する。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成29年度春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問9(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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