AUシステム監査技術者試験 午前Ⅱ

平成27年度春期 システム監査技術者 午前Ⅱ 問6

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

システムの開発,運用及び保守を担当者が1人だけで実施している企業におけるシステム監査に関する記述のうち,最も適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    開発,運用及び保守の実施状況を熟知している当該担当者に対するヒアリング結果だけを監査証拠にする。
  2. イ
    システム改修時の利用部門による動作確認及び責任者による承認の実施状況を確認できる監査手続にする。
  3. ウ
    適正な監査手続の実施が不可能であることを当然のこととして,監査意見を形成する。
  4. エ
    内部統制による牽制が十分であることを当然のこととして,監査計画を策定する。
解き方のヒントを見る

独立性と職務分掌の確認ポイント

監査の信頼性を考えるときは、担当者の立場と、計画・実施・評価・承認などの役割分担を切り分けて整理します。各選択肢がどの観点を述べているか、丁寧に確認しましょう。

この問題で問われていること

一つの観点として、監査を行う人の客観性が保たれる仕組みと、相互けん制のための役割分担が、どのように説明されているかに注目して読み比べ、全体の関係も確認します。

視点

独立性は判断への不当な影響を避ける視点、職務分掌は一連の業務を適切に分けて相互けん制を働かせる視点として、両者を混同せずに整理します。

確認ポイント

  • 監査担当者の立場や利害関係が、判断の客観性に影響しないか確認する。
  • 計画、実施、評価、承認などの役割が、適切に分けられているかを見る。
  • 説明が独立性と職務分掌のどちらの観点に主眼を置くかを整理する。
正解と解説を見る

正解

イ

解説

一人の担当者が開発、運用、保守を担う企業では、職務分掌による牽制が働きにくい。そのため、システム改修時に利用部門が動作を確認し、責任者が承認した事実を検証できる監査手続が重要です。

理由

担当者が一人だけの場合、開発・運用・保守の各段階を同じ人が担当するため、内部統制上の牽制が弱くなりやすい。監査では、その状況を前提に、利用部門の動作確認や責任者の承認など、担当者以外の関与を確認できる手続を設定する。

比較

担当者へのヒアリングだけでは、説明の裏付けとなる証拠が不足する。反対に、監査手続が不可能だと決めつけたり、牽制が十分だと当然視したりするのも不適切です。実際の記録や承認状況を確認し、監査証拠の十分性と適切性を判断する。

選択肢ア

これは不正解だよ。担当者は開発、運用、保守の実施状況を熟知しているとしても、その担当者へのヒアリング結果だけでは、説明を裏付ける客観的な証拠が不足する。監査では、改修記録、利用部門の確認、責任者の承認など、複数の証拠を確認できる手続が必要である。

選択肢イ(正解)

これは正解だよ。担当者が一人だけで開発、運用、保守を行う場合は、職務分掌による牽制が働きにくい。そのため、システム改修時に利用部門が動作確認を行ったことや、責任者が承認したことを確認できる監査手続を設定し、担当者以外の関与を検証するのが適切である。

選択肢ウ

これは不正解だよ。担当者が一人であっても、改修記録、利用部門の確認記録、責任者の承認記録などを調査する監査手続は考えられる。適正な手続の実施が不可能だと当然視して監査意見を形成するのではなく、得られる証拠の範囲と信頼性を評価する必要がある。

選択肢エ

これは不正解だよ。開発、運用、保守を一人の担当者が行う体制では、職務分掌による内部統制上の牽制は弱くなりやすい。牽制が十分であることを当然のこととして監査計画を策定するのではなく、実際の統制状況を確認し、不足する統制を補う監査手続を計画する必要がある。

学習のポイント

職務分掌が難しい組織での監査証拠と変更管理の確認方法を学ぶ。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成27年度春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問6(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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