AUシステム監査技術者試験 午後Ⅰ
平成26年度春期 システム監査技術者 午後Ⅰ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題


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統制目的と監査可能性の接点
予算管理の仕組みを考えるときは、業務上の統制目的と、後から経緯を確かめられる記録のつながりに注目します。機能の多さではなく、説明責任を支える観点で整理してください。
この問題で問われていること
一つの観点として、予算に関する判断や変更が、誰の責任で、どの時点に、どの根拠に基づいて行われたかを後から追跡できるか、という監査可能性に絞って各記述を見比べます。
視点
統制は、単に処理を制限するだけでなく、判断の根拠と経緯を説明できる状態との関係で捉えます。利用者、時点、変更内容、根拠資料などの結び付きを、具体的な方式の暗記ではなく、監査で確認しやすい情報のまとまりとして考えてください。
確認ポイント
- 判断や変更の責任の所在を確認できるか
- 処理の時点と経緯を一貫して追えるか
- 記録が根拠や説明責任と結び付いているか
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解説
X社の予算管理システム導入計画について、予算修正、実績データの取込み、利用者教育、機密情報のアクセス管理に潜む不足を監査の観点から確認する問題です。
問題の全体像
X社は、会計システムだけでは不足していた詳細な予算・実績管理を強化するため、各部が予算を登録・修正し、各部で情報を活用する予算管理システムを導入しようとしている。監査では、導入目的に対して、予算修正の統制、必要な実績データの取込み、情報活用のための研修、機密情報を含むデータのアクセス管理が十分かを確認する。出題趣旨でも、情報の質、利用方法、情報管理をシステム監査人の立場から検討する能力が問われている。
設問1
本調査の実施計画(2)では、軽微な予算修正を各部が独自に入力・承認できる。金額によっては本来、年度予算と同様に慎重な統制が必要になるため、システム側で一定金額以上の修正を入力できないようにする機能が必要になる。これにより、軽微な修正として扱える範囲を超えた修正が、簡易な手続で行われることを防ぐ。公式解答例も、一定金額以上の予算修正を入力できないようにする機能を示している。
設問2
監査要点②aは、必要な実績データを取り込めるかを問う。本調査計画(3)は、会計システムの勘定科目や部の設定を予算項目に合わせる点に着目しているが、それだけでは、上流の基幹システムにある対応データを実際に全て受け渡せるとは限らない。したがって、予算項目に対応する会計データを基幹システムから全て取り込める計画かを確認する。
設問3
実績データは正確性を重視して月次決算確定後に自動生成する計画だが、予算・実績情報を各部が有効に利用する目的から見ると、月次決算後では情報提供が遅くなり、迅速な対応に使えない可能性がある。そのため、単に正確であることだけでなく、取込み時期が業務上適切か、月次決算後では遅すぎないかを検討していない点が理由になる。
設問4
研修計画は、会計システムの操作経験がある経理部員の意見を根拠に、操作方法の説明だけを想定している。しかし、今回は広範囲の利用者を対象とする新しい情報系システムであり、各部が予算・実績情報を分析し活用することも目的です。操作方法だけでは情報の活用方法を理解できず、予算・実績情報が効果的に利用されないという課題が導入後に現れると考える。
設問5
予算管理システムは製品カテゴリ別の売上・粗利など機密レベルの高い情報を扱う一方、利便性を重視して参照制限をできる限り設けない方針です。本調査では、作成済みの権限マトリックスを閲覧し、機密レベルの高い情報について、部別・役職別の参照権限が適切に制限されているかを確かめる。
学習のポイント
目的・現状・予備調査を対応付け、監査上の懸念を具体的な機能や手続に落とし込む力を身に付ける。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成26年度春期 システム監査技術者試験 午後Ⅰ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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