AUシステム監査技術者試験 午後Ⅰ
平成26年度春期 システム監査技術者 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題


解き方のヒントを見る
監査指摘をリスクと目的から読む視点
この問題では、BYOD導入に伴う監査指摘を、記載された導入目的や運用上の懸念と結び付けて読むことが重要です。各設問が問う対象の範囲を見失わないように整理しましょう。
この問題で問われていること
一つの監査指摘について、想定されるリスク、必要な管理上の観点、導入後に確認すべき効果が、本文のどの記述と対応するかに絞って確認し、本文の根拠だけを追ってください。
視点
監査人の指摘は、単なる機能の説明ではなく、BYODを安全かつ継続的に運用するために見落とされた観点を示しています。設問ごとに、対象となる指摘が「何を守るためか」「誰の負担や利用状況に関係するか」「導入後に何を測るべきか」という切り口で本文と照合すると、必要な検討範囲を整理できます。
確認ポイント
- 指摘が想定する問題の対象は、情報、端末、利用者、運用のどこにありますか。
- 本文の導入目的や運用条件のうち、指摘と直接つながる記述はどれですか。
- 問われているのは予防、事故対応、運用体制、効果測定のどの観点ですか。
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解説
本問は、BYOD導入計画を対象に、古い端末、端末内データ、運用体制、効果測定、ヘルプデスクに関する新たなリスクと対策を考える問題です。
問題の全体像
Z社は営業力強化やコスト削減を目的にBYODを導入し、セキュリティポリシ、MDM、MDMサーバ運用、導入効果測定を検討している。システム監査人は、計画に漏れているBYOD固有のリスクと、それに対応するコントロールが十分かを確認した。設問では、古いOSの利用、通信不能時の端末内データ保護、事故対応の運用費、従業員の理解不足、問い合わせ増加への対応を具体化する。
設問1
着目点は、表1項番1の「OSのバージョン確認」と、技術の進歩が速いという監査人の指摘です。古いOSを使い続けると、Z社が定めたセキュリティ要件を満たせなくなる。したがって、想定するリスクは、旧型端末の継続使用によるセキュリティ要件未達です。50字以内では「旧型の機種を使用し続けることによって、Z社が定めるセキュリティ要件を満たせなくなるリスク」という因果関係を押さえる。
設問2①
着目点は、MDMサーバと端末が通信できない場合、リモートロックやリモートワイプを実行できないという指摘です。そのため、遠隔操作に依存せず端末の不正利用を防ぐため、端末を使用するためのパスワードなどを設定する対策を書く。30字以内では、端末利用時の認証設定を簡潔に示す。
設問2②
同じく通信不能時にも端末内に保存された業務データを保護する必要がある。そこで、端末内に保存されているデータを自動的に暗号化する対策を書く。30字以内では、保存データの自動暗号化という対象と方法を明確にする。
設問3
表1項番3では、MDMツールで運用負荷を抑え、運用要員を増やさない前提になっている。しかし監査人は、モバイル端末のセキュリティ事故発生時に、要員が常時迅速に対応できる体制が必要になる点に着目した。その結果、人員配置や対応要員に関する人件費が増加する可能性がある。45字以内では、必要な運用体制と人件費の増加を結び付ける。
設問4
アンケートはBYODの希望を調べているが、導入後の制約事項や端末購入・修理費、通信費の一部負担方針について、従業員が十分理解しているかまでは確認していない。実際の制度を知ると期待と異なり、満足度が下がったりBYODを実施しなかったりする可能性がある。50字以内では、制約事項や費用負担方針への理解不足を理由として示す。
設問5①
機種やOSが多様になると、問い合わせ内容も増え、同じ質問への対応を個別に繰り返す負荷が高まる。そこで、想定される質問と回答をFAQとして作成し、利用者に公開する対策を挙げる。15字以内では「想定FAQを作成し公開する」程度に簡潔化する。
設問5②
FAQだけでは解決できない個別の問題や、機種ごとに異なる問い合わせに対応するため、専用の問い合わせ窓口を設ける。15字以内では「専用問合せ窓口を設置する」と、窓口設置の対策を明確に書く。
学習のポイント
BYODでは利便性だけでなく、端末管理、情報保護、運用負荷、従業員の理解まで一体で監査する。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成26年度春期 システム監査技術者試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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