AUシステム監査技術者試験 午後Ⅰ
平成26年度春期 システム監査技術者 午後Ⅰ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題


解き方のヒントを見る
保守監査で見る統制のつながり
情報システムの保守業務を監査するときは、作業の発生から承認、実施、記録、事後確認までを一連の流れとして捉え、リスクに対して統制がどの段階で働くかを考えると整理しやすくなります。
この問題で問われていること
一つの観点に絞るなら、想定されるリスクと、それを抑えるための統制が同じ業務の流れの中で対応しているかを確認してください。誰が、いつ、何を確認し、結果が残るかを順に見ます。
視点
監査では、業務上のリスクと統制を別々に見るのではなく、発生する場面と確認のつながりを対応づけて整理します。
確認ポイント
- 想定されるリスクが業務のどの場面に関係するか
- 統制を担う主体と実施されるタイミングが明確か
- 確認した結果を後から追える形になっているか
正解と解説を見る
解説
保守要員の不足、システムの複雑化、文書の不足や未更新、委託保守による情報断絶を背景に、保守業務のリスクに対応する具体的な監査手続とコントロールを問う問題です。
問題の全体像
S社は多数のシステムを少ない要員で保守し、古いシステムでは開発担当者が残っていない。また、別ベンダへの委託、設計書や仕様書の不足・未更新、同一原因の障害再発が確認されている。そこで、保守作業に伴う影響範囲の調査漏れ、テスト不足、障害の再発、引継ぎ文書の不足をリスクとして捉え、監査上の具体的なコントロールを考えることが狙いです。採点講評でも、保守の実態を理解し、監査手続を設定・実施する力が問われたと説明されている。
設問1
影響範囲調査では、保守担当者が調査目的に応じて関連ライブラリを指定している。ここでは、指定範囲に漏れや誤りがあると調査漏れにつながるため、担当者任せにせず、別の担当者によるチェックの有無を確認する。公式解答例では、ライブラリの指定範囲に漏れや誤りがないことを別担当者が確認しているかを問う内容としている。40字以内なので、対象、確認内容、確認者の独立性を簡潔に含める。
設問2
表2のリスクは、テスト範囲が不足して不具合が残る可能性です。プログラムを修正した箇所だけをテストしても、その出力や処理結果を利用する後続プログラムへの影響は確認できない。したがって、公式解答例のように、修正箇所に加えて修正プログラムの後続プログラムもテストするコントロールを書く。45字以内では、修正箇所と後続プログラムの双方を明示する。
設問3(1)
同一原因による障害が複数回発生しているため、一つのシステムだけを直しても、同じ構造や処理を持つ他システムで再発する可能性がある。そこで、同様の原因による障害のおそれが他のシステムにもないか、全システムを対象に調査するコントロールを記載する。公式解答例も、全システムに対する横断的な調査を示している。
設問3(2)
障害報告書には原因と当該プログラムの対応結果だけが記載されていた。しかし、限界値超過のような原因が他システムにも存在すれば、同様の障害が再発する。したがって、障害原因に応じて他システムへ対策を展開する必要性と、実際に展開した結果を記載する。40字以内では、展開の要否と実施結果を一体で示す。
設問4
引継ぎ規程に必要文書が網羅されていても、実際の文書内容が保守作業に十分とは限らない。したがって、文書が存在するかだけでなく、保守担当者が作業に必要とする情報を漏れなく含んでいるかを確認することがポイントになる。公式解答例では、ドキュメントの内容に保守作業で必要な情報が網羅されていることの確認を示している。
学習のポイント
リスクの原因と、それを防止・検出する具体的なコントロールを対応付ける力を養う。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成26年度春期 システム監査技術者試験 午後Ⅰ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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