AUシステム監査技術者試験 午前Ⅱ

平成22年度春期 システム監査技術者 午前Ⅱ 問9

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

情報システムの可監査性を説明したものはどれか。

選択肢

  1. ア
    コントロールの有効性を監査できるように,情報システムが設計・運用されていること
  2. イ
    システム監査人が,監査の目的に合致した有効な手続を行える能力をもっていること
  3. ウ
    情報システムから入手した監査証拠の十分性と監査報告書の完成度が保たれていること
  4. エ
    情報システム部門の積極的な協力が得られること
解き方のヒントを見る

システム特性の概念を区別する視点

情報システム監査で扱う特性の概念は、名称が似ていても何を守り何を確かめるための観点かが異なります。用語の響きではなく、その概念が主に対象とする事柄を一つに定めて考えることが区別の手がかりになります。

この問題で問われていること

問われているのは、各概念が評価の対象としている側面を取り違えずに捉えられるかどうかです。問題に現れる状況が、その概念の本来の着眼点と対応しているかを一つずつ照らし合わせる姿勢が求められます。

視点

システム特性の概念は、それぞれ「どの側面について、どのような状態を保証したいか」という問いへの答えとして整理できます。概念名だけを暗記すると混同しやすくなります。各概念について、評価の対象(何を見ているのか)を自分の言葉で一文にまとめておくと、似た概念同士の境界が見えやすくなります。

確認ポイント

  • 各概念が評価の対象とする側面を、自分の言葉で一文にまとめられるか
  • 問題に示された状況が、どの側面の問題として語られているかを先に言い表せるか
  • 名称の似た概念同士で、着眼する対象の違いを説明できるか
正解と解説を見る

正解

ア

解説

可監査性とは、コントロールの有効性を監査できるように、情報システムが設計・運用されていることです。監査人の能力、証拠や報告書の品質、部門の協力体制そのものを指す概念ではありません。

理由

情報システムに必要な記録や確認可能な仕組みが備わり、内部統制やコントロールの有効性を監査できる状態が可監査性です。対象はシステムの設計・運用です。

比較

監査人が手続を実施する能力は監査人の専門性、監査証拠の十分性や報告書の完成度は監査業務の品質、情報システム部門の協力は監査環境に関する事項です。

選択肢ア(正解)

これは正解だよ。コントロールの有効性を監査できるよう、情報システムが設計・運用されている状態は、可監査性の定義に合致する。監査に必要な記録や確認可能な仕組みを備え、システム自体を監査対象として検証できることを示している。

選択肢イ

これは不正解だよ。監査の目的に合致した有効な手続を行う能力をもつことは、システム監査人の専門性や職務能力に関する説明である。可監査性は監査人の能力ではなく、監査対象となる情報システム側に備わる性質を指す。

選択肢ウ

これは不正解だよ。情報システムから得た監査証拠の十分性や、監査報告書の完成度は、監査業務の実施結果や品質に関する事項である。可監査性は、証拠や報告書の状態ではなく、監査可能なシステムの設計・運用を表す。

選択肢エ

これは不正解だよ。情報システム部門から積極的な協力を得られることは、監査を進めるうえでの協力体制や監査環境に関する事項である。可監査性は、部門の協力の有無ではなく、システム自体が監査できる状態を表す。

学習のポイント

可監査性と、監査人の能力・監査証拠・協力体制を区別する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成22年度春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問9(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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