AUシステム監査技術者試験 午後Ⅰ
平成21年度春期 システム監査技術者 午後Ⅰ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題

解き方のヒントを見る
内部統制評価の責任分界を考える視点
外部委託された店舗販売システムを含む一連の処理について、委託先と利用会社の責任分界、処理のつながり、評価時点、手作業を含む証跡の確認範囲を整理する問題です。特に境界部分に注目します。
この問題で問われていること
一連のデータ処理を、委託先の仕組みだけでなく利用会社側の運用や入力、受け渡しまで含む統制の連鎖として捉え、各段階で誰が何を確認できるか、責任の切替点はどこかに集中してください。
視点
委託先が提供する機能の信頼性と、利用会社が行う設定・入力・確認・受け渡しは別の観点です。データが生成、送信、蓄積、抽出、伝票化される各接点で、責任主体、証跡、確認可能な時点、手作業と自動処理の境界を切り分けて考えましょう。
確認ポイント
- 委託先と利用会社の責任範囲を混同していないか
- 自動処理だけでなく、人が関与する確認や入力も視野に入れているか
- データの受け渡しから最終利用まで、確認できる証跡の所在を追えているか
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解説
本問は、店舗売上に関係するPOS、ASP、DWH、会計システムを対象に、委託先評価の妥当性、手作業を含む統制、データ集計の正確性を検討する問題です。
問題の全体像
A社の店舗売上は、POSからB社のASP店舗管理システムへ送信され、DWHを経て売上合計表となり、会計システムへの仕訳に利用される。F君の計画には、B社の自己評価への依存、ITと手作業を組み合わせた統制の見落とし、スプレッドシート作成時の条件設定に関する評価不足がある。設問は、財務報告の信頼性を確保するため、委託先を含む統制の責任、手作業、入力と集計の正確性をリスクに基づいて説明させる。
設問1(理由)
本文では、店舗管理システムがB社のASPサービスであり、F君はチェックリストをB社に実施させ、その結果だけを評価結果にしようとしている。これはB社自身による自己評価なので、B社が内部統制上の不備を適切に報告するとは限らない。この点を40字以内で簡潔に示す。公式解答例でも、B社の自己評価に依存することが理由とされている。
設問1(解決策)
自己評価だけに任せず、A社がB社で評価作業を自ら実施する、という独立した確認を示します。公式解答例は、A社自身もB社で評価作業を行うことを解決策としているため、単にチェックリストを回収するだけでなく、A社の検証を答案に含める。
設問2(1)
未受信一覧表は、POSからデータが届いていない店舗を把握するための資料であり、一覧を出力するだけでは統制は完結しない。店舗の休日は締め処理をしないため、休日店舗を除いて未受信の有無を確認し、未処理の対象店舗へ締め処理を促す手作業が必要になる。公式解答例も、この確認と締め処理の督促を示している。
設問2(2)(A社)
A社側では、ASP端末からの債権入金データ入力を誰が行えるかが正当性に関係する。本文にある、承認された依頼書に基づいてユーザIDをメンテナンスする手続を、A社のアクセス管理上のコントロールとして挙げる。公式解答例も、承認済み依頼書に基づくユーザID管理を示している。
設問2(2)(B社)
B社側では、入力された債権入金データそのものが正しい内容として確定される仕組みに着目する。本文に明記された入力データ承認機能によって、入金データを承認後に確定する統制を挙げる。公式解答例も、入力データ承認機能で債権入金データを確定することを示している。
設問3
営業部は、毎回、データ範囲や集計項目などの条件を設定して売上合計表を作成している。この条件がすべて正確に設定されなければ、集計対象や集計方法を誤り、売上合計表の金額を間違えるリスクがある。答案では、条件設定の誤りと集計金額の誤りを因果関係が分かる形で40字以内にまとめる。採点講評でも、DWHからスプレッドシートへのダウンロードに関する完全性・正確性の統制を評価する観点が重視されている。
学習のポイント
システム構成を追い、統制の責任者と想定リスクを具体化する力を養う。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成21年度春期 システム監査技術者試験 午後Ⅰ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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