STITストラテジスト試験 午後Ⅱ
令和7年度春期 ITストラテジスト 午後Ⅱ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
解き方のヒントを見る
検討の前提をそろえるための視点
検討を始める前に、何を前提として考えるかを整理しましょう。扱う範囲や置かれた状況が途中で変わっていないかに注目すると、個々の情報を同じ土台で捉え、考えを落ち着いて進めやすくなります。
この問題で問われていること
ここでは、検討の前提が一貫しているかという一点に注目しましょう。考えを進める途中で、自分が置いた仮定を与えられた条件と混同していないか確かめ、前提を補った箇所があれば意識して区別してください。
視点
前提とは、検討を進める際に土台として置く条件です。与えられた条件と、自分が理解のために補った仮定を分けて整理すると、同じ前提を保ったまま考えているかを確かめやすくなります。
確認ポイント
- 検討の土台とする条件を確認したか
- 自分で補った仮定を条件と区別したか
- 考えの途中で前提を変えていないか
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解説
本問は、経営課題に対して必要な変革を明確にし、その実現に向けたDX企画と、阻害要因への対応を論述する問題です。技術・データ活用の具体性に加え、経営層や事業部門との協議内容と、その意思を企画にどう反映したかが重要です。
問題の全体像
本問には特定企業の事例が与えられておらず、自分が携わったDXの企画策定について、経験と考えに基づいて論述します。問題文は、経営課題の解決に向けて、製品・サービス、業務プロセス、組織、企業文化・風土などを変革する状況を示しています。熟練者不足の例では、データ活用や業務の標準化・自動化、ノウハウのナレッジ化が、経験の浅い人の業務遂行や熟練者の役割変更につながっています。このように、技術の導入と、その結果として実現する変革を結び付けることが論述の軸です。添付の公式資料に掲載されているのは出題趣旨であり、特定の答案を示した公式解答例ではありません。出題趣旨では、DXの企画力と、経営層や事業部門とのコミュニケーション力などを評価するとしています。設問アで経営課題と変革を定め、設問イで実現の企画を示し、設問ウで阻害要因と協議を踏まえた対応を説明します。採点講評では、対象となる企画の概要や、規模・金額などの整合性、自身の経験の具体性にも注意を求めています。
設問ア
着目するのは、「解決すべき経営課題」「必要となった変革」「事業背景、事業特性」という要求です。400字以上800字以内で、まず対象事業と自分の関わりを簡潔に示し、事業背景や事業特性によって、なぜその経営課題が生じたのかを説明します。その上で、課題を解決するために、業務、製品・サービス、組織などをどのような状態へ変える必要があったのかを明確にします。例えば問題文の熟練者不足なら、不足が事業に及ぼす影響を示し、熟練者個人に依存する業務から、経験の浅い人でも遂行できる業務へ変える、といったつながりを説明できます。これは問題文に基づく説明例であり、答案では自分の経験に即して具体化します。採点講評では、経営課題が明確でも、変革の論述が曖昧なものが見受けられたとしています。そのため、「効率化する」「DXを推進する」だけで終えず、誰の仕事や役割をどう変えるかまで示すことが重要です。字数内では、背景・特性、経営課題、必要な変革を中心にまとめ、詳しい技術や推進方法は設問イで展開すると整理しやすくなります。
設問イ
着目するのは、「設問アで述べた変革の実現」と「あなたが特に重要と考え、工夫したこと」です。800字以上1、600字以内で、設問アの変革を実現するDX企画の内容と、その企画における自分の判断を説明します。問題文が企画上の観点として挙げる、デジタル技術とデータ活用の貢献、事業部門や管理部門との役割分担、投資金額を手掛かりに、何を使い、誰が担い、どのように変革を進める企画としたかを具体化します。技術やデータについては、対象業務、利用するデータ、その処理・活用方法、業務や役割の変化までつなげて書くと、経営課題への貢献を説明できます。特に重要と考えた点は、その理由と、理由を踏まえて企画に加えた工夫を一組で示します。採点講評では、デジタル技術の導入やデータ活用だけを論述し、変革が曖昧な答案や、AIを万能と捉え、その内容に具体性がない答案が指摘されています。AIを扱う場合も、対象のデータ、支援する判断や作業、人が担う役割を明らかにする必要があります。字数内では、企画の概要と変革への貢献を示した上で、重要な判断と工夫に紙幅を割きます。機能の羅列にせず、企画内容が設問アの変革にどう結び付くかを一貫して説明することが要点です。
設問ウ
着目するのは、「変革を阻害する要因」「対応策をDXの企画に反映」「対応策に取り入れた経営層や事業部門の意思」という要求です。600字以上1、200字以内で、設問イの企画に即した阻害要因を選び、どの変革が、なぜ妨げられると想定したのかを説明します。問題文では、改修や新技術の導入が難しいレガシーシステム、外部組織との複雑な連携プロセス、変革を受け入れない組織や人などを例示しています。これらをそのまま列挙するのではなく、自分の企画で問題になる要因と、その影響を具体化することが必要です。続けて、経営層や事業部門と何を協議し、相手がどのような方針、要望、懸念を示したか、その意思を踏まえて対応策をどう定め、企画のどこに反映したかを説明します。「経営層と協議した」「部門の理解を得た」という記述だけでは、取り入れた意思が分かりません。関係者の意思と、変更・追加した企画内容を対応させることが重要です。採点講評では、ITストラテジスト自身の考えだけを論述し、経営層や事業部門との協議内容が書かれていない答案が指摘されています。字数内では、阻害要因と影響、協議で確認した意思、対応策と企画への反映を一連の流れでまとめます。設問イで示した推進体制や投資などとの整合性を保ち、実際の協議と判断が伝わる具体性を持たせます。
学習のポイント
経営課題、変革、DX企画、阻害要因、関係者との協議を一貫させ、自分の判断と工夫を具体的に説明する練習が重点です。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和7年度春期 ITストラテジスト試験 午後Ⅱ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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