STITストラテジスト試験 午前Ⅱ

令和5年度春期 ITストラテジスト 午前Ⅱ 問19

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

活動基準原価計算(Activity-Based Costing)を導入して実現できることはどれか。

選択肢

  1. ア
    間接費を発生要因と結び付けて把握する。
  2. イ
    経営状態を,現金収支の流れに着目して把握する。
  3. ウ
    資材の必要量,必要タイミングの予測の正確性を向上する。
  4. エ
    使用頻度が高く,単価の高い材料の在庫管理を適正に行う。
解き方のヒントを見る

導入効果を考える一つの視点

活動基準原価計算の導入効果を考えるときは、導入によって得られる情報の変化と、それが管理上の判断や改善にどう結び付くかという因果関係に注目し、目的との整合性を確かめます。

この問題で問われていること

確認する観点を、導入前後で何が変わるのか、その変化がどのような判断や改善に役立つのかという関係に絞り、個別の表現ではなく目的とのつながりを一貫して明確に見ます。

視点

導入の価値を判断する際は、方法の名称や印象ではなく、情報の把握方法が変わることで、管理者がどのような状況を理解しやすくなるかを考えます。効果は目的とのつながりで評価し、単なる作業量の増減だけで決めないようにします。

確認ポイント

  • 導入前後で、管理に利用できる情報の意味がどう変わるかを確認する。
  • その変化が、業務上の判断や改善という目的に結び付いているかを見る。
  • 効果の主張が、方法そのものの印象ではなく因果関係に基づくかを確かめる。
正解と解説を見る

正解

ア

解説

活動基準原価計算は、製品やサービスに間接費を一律に割り当てるのではなく、費用を生み出す活動や要因との関係を踏まえて原価を把握する方法です。したがって、間接費を発生要因と結び付けて把握するアが適切です。

理由

活動基準原価計算は、製品やサービスに共通して発生する間接費を、作業や処理などの活動と、その費用を生じさせる要因に関連付けて集計・配賦する。費用の発生実態に近い原価把握を目指すため、アが適切です。

比較

現金収支の把握はキャッシュフロー分析、資材の必要量や時期の予測はMRPなどの資材所要量計画、材料の使用頻度や単価に応じた管理は在庫管理の分類手法に関する説明です。これらは活動基準原価計算とは目的が異なる。

選択肢ア(正解)

これは正解だよ。活動基準原価計算は、製品やサービスに共通して発生する間接費を、作業や処理などの活動と、その費用を生じさせる要因に関連付けて集計・配賦する。費用の発生実態に近い原価把握を目指すため、この説明が適切である。

選択肢イ

これは不正解だよ。現金収支の流れに着目して経営状態を把握するのは、キャッシュフロー分析や財務分析に関する説明である。活動基準原価計算の中心は、現金の入出金を追うことではなく、業務活動と原価の関係を明らかにして原価を配賦することにある。

選択肢ウ

これは不正解だよ。資材の必要量や必要な時期を予測して調達・生産計画を整えるのは、MRPなどの資材所要量計画に関する機能である。活動基準原価計算は、資材需要の予測精度を直接高める手法ではなく、活動に基づく原価の把握と配賦を扱う。

選択肢エ

これは不正解だよ。使用頻度や単価を基準に材料を区分し、重点的に在庫管理する考え方は、在庫管理上の分類・管理手法に関する説明である。活動基準原価計算は材料の保管や発注の適正化を直接目的とせず、活動と間接費の対応を明確にする手法なので、この記述とは異なる。

学習のポイント

間接費の配賦基準と、他の管理手法との違いを整理する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和5年度春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問19(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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