STITストラテジスト試験 午後Ⅰ
令和元年度秋期 ITストラテジスト 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
解き方のヒントを見る
見直しの判断に使う根拠を確認する
サービスの見直しを考える際は、判断の根拠がどこにあるかに注目しましょう。望ましいと感じる案をすぐに選ぶのではなく、示されている情報と自分の推測を分け、検討に使える根拠を整理してみてください。
この問題で問われていること
この話題では、見直しについての判断を、与えられた情報でどこまで支えられるかを確認することが手掛かりになります。自分の経験から補った前提が混ざっていないか、根拠とのつながりを意識して考えてみましょう。
視点
根拠は、判断を支えるために用いる情報です。示されていることと、そこから自分が補った考えを区別すると、判断に置いている前提を確かめやすくなります。
確認ポイント
- 判断を支える情報を確かめたか
- 示された情報と自分の推測を分けたか
- 判断に使った前提を根拠に照らして確認したか
正解と解説を見る
解説
本問は、予備校の合併を通じて両社の情報とシステムを組み合わせ、学生ニーズへの対応と講座の価値向上を図る問題です。大学別の入試傾向、模試の成績などの情報、ALSの分析機能を使い分け、機能追加の目的を具体的に捉えることが要点です。
問題の全体像
大学受験市場では学生数が減少し、小論文や面接による選考も行われています。集団型講座を展開するF社は、この変化への対応に課題を抱えています。一方、G社は個別指導とALSに強みがありますが、大学別の講座を提供できていません。合併によって、F社の入試情報や遠隔講座システムと、G社の指導方法やALSを組み合わせる構成です。出題趣旨では、合併の狙いを実現するIT活用策、サービスの付加価値向上に必要な情報の導出、学生の要望を実現するシステム強化を考える能力が問われています。
設問1(1)
〔F社に通う学生のニーズ〕にある「学習しているその場で苦手分野を克服するための個別指導」に着目します。新設する講座はWeb会議形式なので、講師と学生が遠隔でやり取りしながら指導を受けられます。これにG社の個別指導の強みを組み合わせることで、学生の弱点をその場で解決するニーズに応えられます。公式解答例では「その場で苦手分野を克服したい」としています。20字以内では、「その場で」と「苦手分野の克服」を押さえます。
設問1(2)
〔G社のIT活用状況とニーズ〕に、G社の講座は教科別で、特定の大学向けの講座がないと書かれています。その直後の、学生が志望大学に特化した講座の開講を期待しているという記述が根拠です。大学別の情報を講座内容に取り入れる見直しは、この未充足のニーズに対応します。公式解答例では「志望する大学に特化した講座を受講したい」としています。25字以内では、単なる学力向上ではなく、志望大学に特化した講座を求めていることを示します。
設問1(3)
設問1(2)のニーズを実現するために、どの情報を講座に取り入れるかを考えます。F社の大学データベースには、各大学の過去10年間の入学試験の傾向が蓄積され、講師もその傾向を分析して教材を改訂しています。この情報を使えば、G社の講座内容を志望大学に合わせて見直せます。公式解答例では「大学の入学試験の傾向」としています。採点講評では、「ALSが保持する情報」という解答にも触れ、特定の大学向け講座という学生ニーズを理解する必要があると指摘しています。15字以内では、大学別の入試傾向を端的に示します。
設問2(1)
〔F社のIT活用状況と課題〕にある、多くの学生が苦手とする分野を教材の題材として取り上げたいが、実現できていないという記述に着目します。ALSは蓄積データから、多くの学生が苦手とする分野の傾向を分析できるため、その情報を講座の内容改善に使えます。公式解答例では「多くの学生の苦手とする分野を題材として取り上げられていない状況」としています。採点講評では、Web会議形式の講座が利用されていない状況を挙げた解答が指摘されています。35字以内では、ALSの分析で改善できる教材・講座上の課題を示します。
設問2(2)
F社の学生データベースに蓄積されている、模試の問題と解答、分野、過去の受験者の成績情報及び合否結果に着目します。ALSには、ALS以外で行った試験の結果も記録でき、蓄積データが増えるほど分析精度や演習問題の適応度が高まるとあります。したがって、F社の模試に関する蓄積情報を活用することが、学生に適した問題を出すための情報拡充につながります。公式解答例では「学生データベースの情報」としています。15字以内では、この情報源を明示し、講座の大学別対応に使う入試傾向と区別します。
設問3(1)
〔F社に通う学生のニーズ〕にある、一人で自宅学習する意思を持続することが難しいという記述が出発点です。学生は、自分と他の学生の学習時間を比較できれば競争意識が働き、モチベーションが向上すると考えています。強化策①②で学習時間を記録し、③で統計情報や自身の位置を確認できるようにするのは、この比較を可能にするためです。公式解答例では「学習時間の比較が自宅学習する意思を持続させるから」としています。25字以内では、記録すること自体ではなく、比較による学習意欲の持続まで示します。
設問3(2)
問題冒頭の、大学が小論文や面接による選考も行っているという市場変化と、G社の講師が講義時間外の面談で小論文や面接対策を指導しているという記述を結び付けます。設問には「講座の新設とは別に」とあるため、個別指導型オンライン講座による苦手分野の克服とは別の目的を捉えます。学習支援システムの双方向コミュニケーション機能は、こうした指導を行うために活用できます。公式解答例では「小論文や面接対策を行うため」としています。20字以内では、コミュニケーションの具体的な用途を示します。
学習のポイント
対象企業のニーズと課題を区別し、情報の内容、活用方法、実現する効果を因果関係で結び付ける練習が重要です。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和元年度秋期 ITストラテジスト試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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