STITストラテジスト試験 午後Ⅰ
平成30年度秋期 ITストラテジスト 午後Ⅰ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
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評価の根拠と前提を確かめる
この分野を学ぶ際は、評価の根拠がどのような前提に基づいているかに注目しましょう。印象だけで判断を進めず、扱われている情報の範囲を確かめ、前提と評価のつながりを整理することが大切です。
この問題で問われていること
考えるときは、ある評価を支える前提が、与えられた情報の中で確かめられるかを意識してください。自分の経験や一般的な印象を補っていないかを振り返り、示された内容と自分の推測の境目を確認しましょう。
視点
評価を考える際は、その根拠となる前提を意識して整理します。明示された情報と、自分で補った想定を区別すると、判断が何に依存しているかを捉えやすくなります。
確認ポイント
- 評価の根拠となる前提を意識できているか
- その前提は、与えられた情報で確かめられるか
- 示された情報に、自分の想定を加えていないか
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解説
本問は、証券会社の問合せ対応を題材に、AIの学習による回答精度の改善、顧客の自己解決ニーズ、チャットボットの利用割合、メール回答の時間外勤務削減を、本文の根拠から説明する問題です。
問題の全体像
A社では、サービス利用の拡大に伴って電話の問合せが増え、対応品質のばらつき、応答待ち、メール回答のための時間外勤務が課題となっています。既存のオペレータサポートシステムを活用し、顧客が自ら問題を解決できるチャットボットの導入を検討する事例です。公式の出題趣旨では、事業・業務環境を分析し、新しい情報技術を活用するシステム計画を策定する能力を問うとされています。現状分析、追加する学習データ、顧客ニーズ、導入効果の測定を一連の流れとして読み取ることが重要です。
設問1(1)
本文の「オペレータが選択した回答」が記録され、AIが学習して「表示する回答候補の精度が向上していく」という記述に着目します。精度の高い回答候補を参照できることが、対応品質が向上する理由です。公式解答例では「表示する回答候補の精度が向上するから」としています。25字以内では、この原因を端的に示します。採点講評では、対応品質がどのように向上するかを述べた解答が多かったと指摘されています。品質向上の様子だけでなく、それを生む理由を書くことが要点です。
設問1(2)
本文の「適切な回答候補がない」と判断した場合、オペレータがFAQやリファレンスマニュアルから探して回答するという例外処理に着目します。AIの候補から選択した回答に加え、この場面で見つけた回答も活用すれば、従来は適切な候補を提示できなかった問合せへの対応改善につながります。公式解答例では「回答候補がない場合にオペレータが自ら探した回答のデータ」としています。35字以内で、候補がないという条件と、自ら探した回答というデータの内容を押さえます。
設問2(1)
アンケートで、問合せをした顧客の多くが、電話やメールの前にFAQやヘルプで解決を試みていたという結果に着目します。この行動から読み取れるニーズは、自ら問題を解決できることです。公式解答例では「新サービスによって自ら問題を解決できること」としています。25字以内では、顧客が望む状態を示します。採点講評では、セルフサービス機能の充実や受付時間外の対応など、ニーズの実現方法を述べた解答が多かったとされています。24時間提供できる点だけでは、問われている顧客ニーズを十分に表せません。
設問2(2)
チャットボットだけで解決できない場合は、顧客へのコールバックに切り替えて解決するという仕組みに着目します。コールバックで解決できた事例は、チャットボットが十分に対応できなかった質問と、その解決に必要な回答を示しています。これを学習に取り込むことが、チャットボットだけで解決できる顧客を増やすための改善につながります。公式解答例では「顧客へのコールバックに切り替えることで解決できた質問及び回答」としています。35字以内で、コールバックで解決したという条件と、質問・回答の両方を明記します。
設問3(1)
本文では、チャットボットの利用状況と、チャットボットだけで解決した割合について、別々のKPIを設定するとしています。本設問は前者なので、問合せ全体のうちチャットボットがどの程度利用されているかを示します。公式解答例では「全体の問合せに対するチャットボットへの問合せの割合」としています。30字以内で、分母となる全体の問合せと、分子となるチャットボットへの問合せを押さえます。採点講評では、電話やメールの問合せがチャットボットによって抑制されているかを確認できるKPIが必要とされています。
設問3(2)作業内容
メール回答は、電話に対応するオペレータが手すきのときに行い、電話の問合せが多い日は受付時間内に対応できないことがある、という記述に着目します。チャットボットで解決する問合せが増えれば、電話対応の負担が減り、勤務時間内にメール回答へ充てる時間を確保しやすくなります。公式解答例の作業内容は「メールによる問合せへの回答」です。20字以内では、コスト削減につながる対象作業を明確に示します。
設問3(2)効果
本文では、メール回答の時間を確保できない場合、19時まで勤務予定だったオペレータが時間外勤務をして返信し、業務コストが増加するとしています。チャットボットによって電話対応の負担が減り、メール回答を勤務時間内に進められれば、この時間外勤務に伴うコストを削減できます。公式解答例の効果は「時間外勤務による業務コストの削減」です。20字以内で、時間外勤務というコスト発生要因を含めて示し、作業内容との因果関係を明確にします。
学習のポイント
設問が求める理由と結果、顧客ニーズと実現手段を区別し、学習データやKPIを業務課題と結び付けて具体化する力を養います。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成30年度秋期 ITストラテジスト試験 午後Ⅰ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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