STITストラテジスト試験 午後Ⅱ
平成27年度秋期 ITストラテジスト 午後Ⅱ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
解き方のヒントを見る
顧客要求と施策評価の整理視点
顧客の期待を整理するときは、要求をそのまま判断せず、企画上の目的、実施する施策、結果を確かめる評価の観点が、どのようにつながるかを落ち着いて丁寧に確認しましょう。
この問題で問われていること
一つの観点に絞り、顧客要求に対して企画や施策の成果を何で確かめるのか、その対応関係が一貫しているかを考えてください。表現の目立ちやすさではなく、目的とのつながりに注目します。
視点
顧客要求、企画の狙い、施策、評価結果を別々に眺めず、要求に応えるための判断が評価の観点へ無理なくつながっているかを整理します。用語の印象ではなく、目的と確認方法の関係に注目しましょう。
確認ポイント
- 顧客要求と企画の目的が同じ方向を向いているか確認する。
- 施策が目的に対してどのような影響を想定しているか確認する。
- 成果を判断する観点が、要求との関係を保っているか確認する。
正解と解説を見る
解説
本問は、複雑化する顧客要求と低コスト・短納期・品質などの相反する要求を分析し、関連部署の施策を取り込んだ組込みシステム製品企画を、調査からリリース後評価まで一貫して論述する問題です。
問題の全体像
組込みシステム製品では、多様な顧客要求への対応に加え、価格競争力、品質、高信頼性、短納期化も求められる。問題文は、まず市場調査・技術動向調査を行い、顧客要求と製品化の課題を明らかにし、その後、関連部署へ施策提案を依頼し、提案内容を協議して製品企画を立案する流れを示している。さらに、初期投資予算、自社の強み・保有技術、体制、リリース時期、優先順位を踏まえて決定し、リリース後に効果を評価することまで求めている。公式の出題趣旨では、製品戦略の策定能力だけでなく、調整力、行動力、分析力を評価すると説明されている。採点講評でも、市場調査などから課題を抽出し、施策を協議して製品を企画した一連のプロセスを記述することが重要とされている。
設問ア
800字以内で、設問イ・ウの前提となる一つの製品企画を明確に設定する。まず、顧客要求の変化や事業上の必要性など、製品企画に至った経緯を示します。次に、市場調査で把握した顧客・競合・価格・納期などの情報と、技術動向調査で把握した利用可能な技術や将来性を記述する。その結果から、どのような製品を企画する必要があると判断したかを、製品の概要とともにまとめる。単なる製品紹介や開発作業の説明ではなく、調査結果が企画の方向性にどう結び付いたかを押さえることが重要です。採点講評では、問3について、市場調査などを実施し、それらを基に課題を抽出して製品を企画したプロセスが論述しやすかったとされる一方、顧客要求への対応ではなく、製品自体の課題の記述に終始した答案もあったとされている。
設問イ
800字以上1、600字以内なので、顧客要求、製品化課題、関連部署の提案施策、協議後の製品企画、決定根拠を一続きの因果関係で具体化する。多様な顧客要求については、機能、価格、納期、品質、信頼性などを示し、それらがなぜ両立しにくいのかを説明する。次に、要求に応える際の開発効率、コスト、技術、体制などの課題を明らかにする。その課題に対し、関連部署から、共通部の標準化・プラットフォーム採用、オプションや機能カスタマイズ、モジュール・ライブラリなどの資産再利用といった施策がどのように提案されたかを書く。さらに、提案をそのまま採用するのではなく、初期投資予算、自社の強み・保有技術、開発体制、リリース時期、優先順位などを比較し、関連部署と協議して最終企画を決めた内容を示します。最後に、費用対効果、要求充足、実現可能性、納期や品質への影響など、決定に至った根拠を明記する。公式の出題趣旨が求める「市場調査などから多様な顧客要求を分析し、課題への施策を基に新製品を企画する」流れを外さないことが大切です。
設問ウ
600字以上1、200字以内で、設問イで扱った施策を三つの観点から評価する。第一に、関連部署から提案された施策が、顧客要求や製品化課題に対応しており、費用、技術、体制、納期などの制約にも適合していたかという妥当性を述べる。第二に、協議して立案した製品企画について、要求充足度、競争力、品質、開発効率、投資負担などの観点から評価する。第三に、製品リリース後、標準化や再利用などの施策が実際にどのような効果を生んだかを、納期、開発工数、コスト、品質、顧客満足などの測定可能な指標で示し、その結果を当初目標と比較して評価する。効果が十分でなかった場合は、原因と改善策まで述べると、評価として具体的になる。採点講評では、問3について、施策の妥当性や効果を論じる以前に、顧客要求への対応ではなく製品自体の課題に偏った記述が見られたとされるため、設問ア・イで示した顧客要求との対応関係を維持して書く必要がある。
学習のポイント
製品戦略、関連部署との調整、施策の選定根拠、効果測定を具体的に書く力が重点です。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成27年度秋期 ITストラテジスト試験 午後Ⅱ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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