STITストラテジスト試験 午後Ⅱ

平成25年度秋期 ITストラテジスト 午後Ⅱ 問3

事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。

問題

問3 組込みシステムの製品戦略におけるプロモーションの支援について 組込みシステムのITストラテジストは,市場動向と自社技術を踏まえて製品開発戦略を策定する役割を担う。また,製品の販売に関して,プロモーション部門及び営業部門(以下,営業部門という)を,的確に支援することが求められる。 企業にとって自信がある製品を開発しても,ターゲットとする利用者にまず製品が認知されなければ購入につながらない。その対応として最も重要なことは,高い訴求効果を得ることである。ITストラテジストは,営業部門に対して,開発計画時の市場調査の分析結果などを提示し,支援する必要がある。また,開発担当者を通じて,自社技術の要点,知的財産権などによって競合メーカとの差別化を図れる強みについて,利用者に対する営業部門の説明を支援することも重要である。さらに,営業部門から製品のサンプルなどの要求があった場合は,開発部門に対して提供時期などの計画の立案と実行を指示する必要がある。 次に重要なことは,プロモーション開始時期の決定である。ITストラテジストは,適切なプロモーション開始時期を見極めるために,販売開始時期を踏まえて営業部門などとプロモーション開始時期を協議し,検討する必要がある。プロモーション開始後は,営業部門から市場の反響や売上実績などの報告を受け,効果を評価し,その結果によって製品戦略を見直す必要がある。 あなたの経験と考えに基づいて,設問ア~ウに従って論述せよ。 設問ア あなたが携わった組込みシステムの製品概要を,市場の特徴及び強みとなる自社技術を含めて,800字以内で述べよ。 設問イ 設問アで述べた製品に関するプロモーションにおいて,営業部門及び開発部門に,どのような支援,指示を行ったか。また,それぞれの部門は,どのように行動したか。さらに,プロモーション開始時期の決定に当たって,どのような内容を協議し,検討したか。800字以上1、600字以内で具体的に述べよ。 設問ウ 設問イで述べた支援,指示内容及びプロモーション開始時期について,プロモーション開始後の市場の反響,売上実績などから評価した結果を,600字以上1、200字以内で具体的に述べよ。
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判断を支える根拠を確かめる

この分野を学ぶときは、判断とその根拠がどう結び付いているかに注目しましょう。もっともらしさだけで結論を急がず、与えられた条件で支えられる判断かどうかを、前提を補いすぎずに確かめることが大切です。

この問題で問われていること

考える際は、結論を支える情報がどこにあるかを意識してください。一般にありそうな事情を根拠に加えると、与えられた条件から離れることがあります。自分の判断が何に基づくかを短く言葉にして、結び付きを点検しましょう。

視点

根拠は判断を支える情報です。判断の理由を整理するときは、与えられた情報と自分で補った想定を区別し、どの情報を使っているかを明らかにすると考えを点検しやすくなります。

確認ポイント

  • 判断の根拠にした情報を示せるか
  • 根拠に自分の想定を混ぜていないか
  • 判断と根拠の結び付きを説明できるか
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解説

市場の特徴と自社技術の強みを踏まえ、営業部門への支援、開発部門への指示、プロモーション開始時期の判断を具体的に論述する問題です。実施後の市場の反響や売上実績から、それらの成果と効果を客観的に評価することが求められます。

問題の全体像

本問は、自身が携わった組込みシステムの製品について、ITストラテジストとしてプロモーションをどう支援したかを、経験と考えに基づいて論述する問題です。問題文では、利用者に製品を認知してもらい、高い訴求効果を得るために、市場分析結果の提示、技術的な強みの説明支援、サンプル提供の指示、開始時期の調整などが示されています。添付の公式資料は具体的な答案例ではなく出題趣旨であり、市場分析を踏まえた支援と、成果・効果の客観的な分析を求めています。製品と市場・技術の概要を設問ア、支援・指示と開始時期の判断を設問イ、実施後の評価を設問ウに分け、一貫した内容で説明します。採点講評では、製品の強みが不十分な論述や、プロモーション支援から外れて製品開発の内容を述べた論述が指摘されています。

設問ア

「製品概要」「市場の特徴」「強みとなる自社技術」の三つに着目します。800字以内で、製品の用途と対象利用者、市場の需要や競合状況、自社技術が利用者にもたらす価値を整理します。機能を列挙するだけでなく、その市場でなぜ自社技術が強みになるのかを説明することが、後続のプロモーション支援の根拠になります。問題文に挙げられた知的財産権による差別化は強みの説明に使える観点ですが、すべての答案で必須という意味ではありません。自身が携わった製品の実情に合う強みを書きます。採点講評では、自社製品の概要に強みが含まれていない不十分な論述が指摘されているため、市場の特徴と技術の強みとの関係を明確にすることが重要です。

設問イ

問われているのは、営業部門と開発部門への支援・指示、その後の各部門の行動、開始時期を決めるための協議・検討です。800字以上1、600字以内で、これらを具体的に記述します。営業部門については、市場分析結果や技術的な強みをどのように提示し、利用者への説明にどう活用されたかを示します。開発部門については、説明支援やサンプル提供など、プロモーションに必要な対応をどう指示し、どのように実行されたかを示します。開始時期については、問題文の「販売開始時期を踏まえて」に着目し、関係部門と協議した条件、検討した選択肢、決定理由を説明します。自身の経験における事実を示し、それを基にした判断や仮定を区別すると、論述の根拠が明確になります。採点講評では、支援・指示の記述が製品開発の説明に偏った論述が指摘されています。開発上の対応を書く場合も、プロモーションの目的との関係を示す必要があります。

設問ウ

「設問イで述べた支援,指示内容及びプロモーション開始時期」と「開始後の市場の反響,売上実績など」に着目します。600字以上1、200字以内で、確認した反響や実績、それを基にした支援・指示内容の評価、開始時期の評価を記述します。成果の数値だけを並べず、利用者の理解や関心につながった説明は何か、サンプル提供がどう役立ったか、販売開始までの期間が適切だったかなど、設問イの内容と対応させて分析します。数値を用いる場合は、目標や比較対象も示すと評価の根拠が明確になります。出題趣旨では、実施した成果と効果を客観的に分析することが求められています。確認できた事実と効果についての推定を区別し、期待どおりでなかった点も理由を説明します。問題文が述べる製品戦略の見直しに触れる場合は、評価結果から導かれる改善として簡潔にまとめます。

学習のポイント

市場分析、技術的な差別化、部門間の調整、実施後の評価を一貫して説明する力を養いましょう。経験上の事実と自身の判断を区別することも大切です。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成25年度秋期 ITストラテジスト試験 午後Ⅱ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)

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