STITストラテジスト試験 午前Ⅰ
令和5年度春期 ITストラテジスト 午前Ⅰ 問26
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- ア切り口となる二つの要素をX軸、Y軸として、市場における自社又は自社製品のポジションを表現したもの
- イ財務、顧客、内部ビジネスプロセス、学習と成長という四つの視点を基に、課題、施策、目標の因果関係を表現したもの
- ウ市場の魅力度、自社の優位性という二つの軸から成る四つのセルに自社の製品や事業を分類して表現したもの
- エどのような顧客層に対して、どのような経営資源を使用し、どのような製品・サービスを提供するのかを表現したもの
解き方のヒントを見る
手法の目的と位置付けを見極める
経営管理の手法を問う問題では、名称や用語の印象で判断せず、その手法が経営の流れのどの段階で、何のために使われるものかという一つの観点に絞って、記述の整合性を落ち着いて確かめることが大切です。
この問題で問われていること
問われているのは用語の暗記ではなく、その手法が計画から実行・評価へと続く一連の管理活動の中で、どの段階に置かれ、どんな役割を担うのかを自分の言葉で説明できるかという理解の深さです。
視点
経営手法の多くは、全体の枠組みと、その中で使われる個々の道具から成り立っています。学習の際は、枠組み全体が目指すものと個々の道具が担う役割を分けて整理し、それぞれが管理活動のどの場面で使われるかを対応付けておきます。そうすると、似た用語が並んでも混同しにくくなります。
確認ポイント
- その手法が枠組み全体を指すのか、枠組みの中の一要素を指すのかを区別できているか
- その手法が使われるのは計画・実行・評価のどの場面かを、自分の言葉で説明できるか
- 用語の印象ではなく、目的と使われる場面の組合せで記述の妥当性を判断しているか
正解と解説を見る
正解
イ
解説
戦略マップは、バランススコアカードの財務、顧客、内部ビジネスプロセス、学習と成長の四つの視点を基に、課題や施策、目標の因果関係を矢印などで可視化する図です。したがって正解はイです。
理由
バランススコアカードは、財務、顧客、内部ビジネスプロセス、学習と成長という四つの視点で戦略を評価・管理する手法です。戦略マップはその中で使う図で、各視点の課題、施策、目標を置き、「人材育成→業務プロセス改善→顧客満足向上→財務成果」のような因果関係を示します。こうして戦略の筋道を組織で共有できます。選択肢イがこの内容に一致します。
比較
アは二つの軸で市場における自社の位置を示すポジショニングマップの説明です。ウは市場の魅力度と自社の優位性という二つの軸で製品や事業を分類する、ポートフォリオ分析の考え方の説明です。エは顧客層、経営資源、提供する製品・サービスで事業範囲を定める、事業ドメインの定義の説明です。どれも四つの視点の因果関係を表すものではありません。
選択肢ア
これは不正解だよ。二つの要素をX軸とY軸にとって、市場の中で自社や自社製品がどの位置にあるかを示すのは、ポジショニングマップ(知覚マップ)の説明だよ。競合と比べた立ち位置をつかむための手法で、バランススコアカードの四つの視点や目標同士の因果関係を表すものではないから、戦略マップの説明には当たらないよ。
選択肢イ(正解)
これは正解だよ。戦略マップは、バランススコアカードの財務、顧客、内部ビジネスプロセス、学習と成長という四つの視点ごとに課題、施策、目標を置き、それらを矢印で結んで因果関係を示す図だよ。例えば、学習と成長の取組が業務プロセスの改善につながり、それが顧客満足を高め、最後に財務成果に結び付く、という筋道を目に見える形にして、戦略を組織全体で共有するために使うんだ。
選択肢ウ
これは不正解だよ。市場の魅力度と自社の優位性という二つの軸で四つのセルを作り、自社の製品や事業を分類するのは、ポートフォリオ分析の考え方だよ。どの事業に経営資源をどれだけ配分するかを考えるための手法で、四つの視点の間にある課題、施策、目標の因果関係を表す戦略マップとは目的が違うよ。
選択肢エ
これは不正解だよ。どの顧客層に対して、どの経営資源を使い、どの製品・サービスを提供するかを表すのは、事業ドメイン(事業領域)を定義するときの説明だよ。自社が事業を行う範囲を決めるための考え方で、バランススコアカードの四つの視点を基に目標の因果関係を描く戦略マップではないよ。
学習のポイント
戦略マップと、ポジショニングマップ、ポートフォリオ分析、事業ドメインの定義を、何を表現するかで区別することが大切です。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和5年度春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅰ 問26(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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