STITストラテジスト試験 午前Ⅰ

平成25年度秋期 ITストラテジスト 午前Ⅰ 問5

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

フェールセーフの考え方として,適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    システムに障害が発生したときでも,常に安全側にシステムを制御する。
  2. イ
    システムの機能に異常が発生したときに,すぐにシステムを停止しないで機能を縮退させて運用を継続する。
  3. ウ
    システムを構成する要素のうち,信頼性に大きく影響するものを複数備えることによって,システムの信頼性を高める。
  4. エ
    不特定多数の人が操作しても,誤動作が起こりにくいように設計する。
解き方のヒントを見る

信頼性設計用語を目的で区別

信頼性設計には名称の似た考え方が複数あり、混同しやすい分野です。各用語が何を目的とし、どのような事態を前提にしているかを自分の言葉で定義し直してから、問題の記述と照らし合わせると判断がぶれにくくなります。

この問題で問われていること

この問題で確認すべき観点は一つ、「その設計が目指している目的」です。記述の表面的な言葉や仕組みの名前ではなく、その工夫によって最終的に何を実現しようとしているのかを読み取り、学んだ用語の定義と一致するかを確かめてください。

視点

信頼性に関する設計の考え方は、どれも「障害や誤りにどう備えるか」という共通の問いに対する、それぞれ異なる答えです。そのため、用いる手段だけに注目すると、複数の用語に当てはまるように見えることがあります。区別の決め手は手段ではなく狙いにあります。用語ごとに「何を優先する設計か」を教科書などで確認し、一行で説明できる状態にしておくと判断しやすくなります。

確認ポイント

  • 学習した各用語について、その目的を一文で説明できるか確認する
  • 記述中の手段や仕組みの名前ではなく、その結果として実現される状態に注目する
  • 自分で整理した定義と記述から読み取った目的が一致するかを最後に照合する
正解と解説を見る

正解

ア

解説

フェールセーフは、故障や障害が発生したときに、システムを安全な状態へ移すよう制御する考え方です。障害時に常に安全側へ制御すると述べたアが正答です。

正答の理由

フェールセーフ(fail safe)は、故障(fail)が起きても安全(safe)な状態を保つ設計の考え方です。例えば、信号機が故障したら全方向を赤信号にする、踏切の制御が故障したら遮断機を降りた状態にする、といった設計がこれに当たります。障害時に運用を続けることよりも、危険を避けることを優先します。したがって、「システムに障害が発生したときでも,常に安全側にシステムを制御する」と述べたアが適切です。

関連用語との比較

フェールソフトは、障害時にすぐにはシステムを停止せず、機能や性能を落として(縮退運転)運用を続ける考え方で、イに当たります。フォールトトレランスは、重要な要素を冗長化するなどして、障害が起きても機能を保つ考え方で、ウの内容に対応します。フールプルーフは、人が誤操作をしても誤動作や危険が生じにくいように設計する考え方で、エに当たります。フェールセーフは、きっかけが障害であり、安全側への制御を優先する点で、これらと区別できます。

選択肢ア(正解)

これは正解だよ。フェールセーフは、故障や障害が起きたときにシステムを安全な状態へ移す、つまり安全側に倒れるよう制御する考え方だよ。信号機が故障したら全方向を赤にする、踏切の制御が故障したら遮断機を降ろす、といった設計が代表例だね。選択肢の「常に安全側にシステムを制御する」はこの定義と一致するよ。

選択肢イ

これは不正解だよ。異常が起きてもすぐにはシステムを停止せず、一部の機能を切り離したり性能を落としたりして運用を続けるのは「フェールソフト」の考え方だよ。この運転状態を縮退運転と呼ぶんだ。フェールセーフは運用の継続よりも、障害時に安全な状態へ移ることを優先する点が違うね。

選択肢ウ

これは不正解だよ。信頼性に大きく影響する構成要素を複数備えて信頼性を高めるのは「冗長化」で、障害が起きても機能を保つフォールトトレランス(フォールトトレラント)を実現する代表的な手段だよ。予備の要素で処理を続けることが狙いなので、障害時に安全側へ制御するフェールセーフの定義とは違うね。

選択肢エ

これは不正解だよ。不特定多数の人が操作しても誤動作が起こりにくいように設計するのは「フールプルーフ」の考え方だよ。人は誤操作をするものという前提で、誤った入力を受け付けない、確認なしに危険な操作をさせない、といった仕組みを組み込むんだ。対象は人の誤操作なので、障害時に安全側へ制御するフェールセーフとは焦点が違うね。

学習のポイント

フェールセーフ、フェールソフト、フォールトトレランス、フールプルーフの定義を、きっかけと優先事項の違いで区別しましょう。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成25年度秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅰ 問5(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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