STITストラテジスト試験 午前Ⅰ

平成23年度秋期 ITストラテジスト 午前Ⅰ 問23

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

情報化投資計画において,投資価値の評価指標である ROI を説明したものはどれか。

選択肢

  1. ア
    売上増やコスト削減などによって創出された利益額を投資額で割ったもの
  2. イ
    売上高投資金額比,従業員当たりの投資金額などを他社と比較したもの
  3. ウ
    現金流入の現在価値から,現金流出の現在価値を差し引いたもの
  4. エ
    プロジェクトを実施しない場合の,市場での競争力を表したもの
解き方のヒントを見る

評価の前提をそろえて考える

情報化投資の価値を検討するときは、評価の前提がそろっているかに着目しましょう。示された条件と自分が補った想定を区別し、同じ前提の下で考えられる範囲を整理してから判断を進めます。

この問題で問われていること

取り組む際は、評価の前提として何が示されているかを確認してください。その情報から考えられることと、追加の想定が必要なことを分け、判断の途中で前提が変わっていないかを振り返りましょう。

視点

評価の前提を確かめるには、与えられた条件を自分の言葉で整理し、そこへ無意識に想定を加えていないかを点検します。判断に用いる根拠が、その条件に沿っているかを意識しましょう。

確認ポイント

  • 示された条件と、自分で補った想定を区別できているか。
  • 検討の途中で、前提の意味を変えていないか。
  • 判断の根拠を、示された条件に結び付けて説明できるか。
正解と解説を見る

正解

ア

解説

正解はアです。ROI(投資利益率)は、投資によって得られる利益額を投資額で割った指標です。売上増やコスト削減による利益を投資額と対応させるアの説明が、この定義に一致します。

理由

ROIはReturn on Investmentの略で、投資利益率を意味します。基本式は「ROI=投資によって得られた利益額÷投資額」で、百分率で表す場合は100を掛けます。アは、売上増やコスト削減などによって創出された利益額を投資額で割ると説明しているため、ROIの定義に一致します。

比較

イは、売上高投資金額比や従業員当たりの投資金額などを他社と比較するもので、投資による利益額を投資額で割る説明ではありません。ウは、現金流入の現在価値から現金流出の現在価値を差し引く正味現在価値(NPV)の説明です。エは、プロジェクトを実施しない場合の市場での競争力を表すもので、利益額を投資額で割るROIの定義には該当しません。

選択肢ア(正解)

これは正解だよ。ROIは投資利益率を表し、投資によって得られた利益額を投資額で割って求めます。選択肢は、売上増やコスト削減などで創出された利益額を投資額で割ると説明しており、ROIの定義に一致します。

選択肢イ

これは不正解だよ。売上高投資金額比や従業員当たりの投資金額を他社と比較する説明です。他社との比較によって投資規模などの位置付けを把握できますが、投資で得られた利益額と投資額の関係を示していないので、ROIの説明ではありません。

選択肢ウ

これは不正解だよ。現金流入の現在価値から現金流出の現在価値を差し引く説明は、正味現在価値(NPV)に該当します。将来の現金の流れを現在の価値に換算して差額を求める指標であり、利益額を投資額で割るROIとは異なります。

選択肢エ

これは不正解だよ。プロジェクトを実施しない場合の市場での競争力を表す説明です。投資を見送った場合の競争力を検討する観点ですが、投資によって創出された利益額を投資額で割る指標ではないため、ROIの定義には該当しません。

学習のポイント

ROIの定義を押さえ、他社との比較、正味現在価値、プロジェクトを実施しない場合の競争力評価との違いを理解しましょう。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成23年度秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅰ 問23(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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