STITストラテジスト試験 午前Ⅰ

平成22年度秋期 ITストラテジスト 午前Ⅰ 問23

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

エンタープライズアーキテクチャを説明したものはどれか。

選択肢

  1. ア
    企業が競争優位性の構築を目的にIT戦略の策定・実行をコントロールし,あるべき方向へ導く組織能力のことである。
  2. イ
    業務を管理するシステムにおいて,承認された業務がすべて正確に処理,記録されることを確保するために,業務プロセスに組み込まれた内部統制のことである。
  3. ウ
    組織全体の業務とシステムを統一的な手法でモデル化し,業務とシステムを同時に改善することを目的とした,業務とシステムの最適化手法である。
  4. エ
    プロジェクトの進捗や作業のパフォーマンスを,出来高の価値によって定量化し,プロジェクトの現在及び今後の状況を評価する手法である。
解き方のヒントを見る

概念どうしの関係を整理する視点

用語の印象や知名度だけで判断せず、設問が扱う対象と説明の関係を切り分け、各選択肢がどの観点から述べられているかを同じ基準で確認しましょう。まずは比較する軸を一つに揃えることが大切です。

この問題で問われていること

選択肢を読む際は、文中の主語が何を対象にし、どの目的や範囲と結び付けて説明されているかという、対象と役割の対応関係だけに注目してください。定義を断定せず、説明の軸が揃っているかを比べます。

視点

概念を個別に暗記する前に、各説明を同じ評価軸で並べ、どの対象について何を説明しようとしているのかを確認します。表現の細かな違いに引きずられず、設問の中心語と説明の対応だけを丁寧に照合すると、知識の混同に気づきやすくなります。

確認ポイント

  • 設問で中心になっている対象と、説明の主語が一致しているか
  • 説明が対象の目的や役割を述べているのか、別の観点を述べているのか
  • 各選択肢を同じ読み方で比較し、印象ではなく文の対応関係を確認できるか
正解と解説を見る

正解

ウ

解説

企業全体の業務と情報システムを統一的にモデル化し、両者を整合させながら同時に改善して全体最適を目指すのがエンタープライズアーキテクチャです。

理由

エンタープライズアーキテクチャは、組織全体の業務とシステムを共通の枠組みで整理し、現状把握と将来像の設計を通じて、業務とシステムを一体で最適化する考え方です。

比較

アはITガバナンス、イは内部統制、エはEVMによるプロジェクト評価を説明している。いずれも重要な管理概念だが、企業全体の業務とシステムをモデル化する説明ではありません。

選択肢ア

これは不正解だよ。企業がIT戦略を策定・実行し、望ましい方向へ導く組織能力という説明は、ITガバナンスに近い。エンタープライズアーキテクチャのように、業務とシステムを全体的にモデル化して最適化する手法を述べたものではない。

選択肢イ

これは不正解だよ。承認済みの業務を正確に処理・記録できるよう、業務プロセスに組み込む仕組みは内部統制の説明である。組織全体の業務とシステムの構造を整理し、両者を改善するアーキテクチャの説明とは対象が異なる。

選択肢ウ(正解)

これは正解だよ。エンタープライズアーキテクチャは、組織全体の業務と情報システムを共通の方法でモデル化し、両者の整合を図りながら全体最適を目指す考え方・手法である。この説明は定義に合致する。

選択肢エ

これは不正解だよ。出来高の価値を使って進捗や作業実績を定量化し、プロジェクトの状況を評価するのは、EVM(アーンドバリューマネジメント)の説明である。企業全体の業務とシステムを整理する手法ではない。

学習のポイント

IT戦略、内部統制、プロジェクト評価との役割の違いを整理する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成22年度秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅰ 問23(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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