SMITサービスマネージャ試験 午前Ⅰ

令和元年度秋期 ITサービスマネージャ 午前Ⅰ 問2

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

通信回線を使用したデータ伝送システムにM/M/1の待ち行列モデルを適用すると,平均回線待ち時間,平均伝送時間,回線利用率の関係は,次の式で表すことができる。 平均回線待ち時間=平均伝送時間×回線利用率/(1−回線利用率) 回線利用率が0から徐々に増加していく場合,平均回線待ち時間が平均伝送時間よりも最初に長くなるのは,回線利用率が幾つを超えたときか。

選択肢

  1. ア
    0.4
  2. イ
    0.5
  3. ウ
    0.6
  4. エ
    0.7
解き方のヒントを見る

利用率と待ち時間を考える視点

待ち行列の関係を考えるときは、各指標が何を表すかと、同じ前提条件で比較しているかをそろえて確認し、変化の向きを慎重に整理しましょう。

この問題で問われていること

着目する観点を、利用率が変化したとき待ち時間を判断するための前提条件と指標の対応関係に絞り、個別の式や数値ではなく意味の整合性を確認します。

視点

利用率や待ち時間は、対象となる仕組みの前提、観測する時間、指標の定義がそろっているかを確認してから関係を整理します。

確認ポイント

  • 各指標が表している対象と単位を確認する
  • 比較する条件や前提がそろっているか確認する
  • 変化の向きを判断する前に指標同士の対応を見直す
正解と解説を見る

正解

イ

解説

平均回線待ち時間が平均伝送時間より長くなる条件は、利用率を含む倍率が1を超えることです。式を比較すると、利用率が0.5を超えたときにこの条件を満たします。

理由

平均回線待ち時間をW、平均伝送時間をT、回線利用率をρとすると、W=T×ρ/(1−ρ)です。W>Tとなる条件は、Tが正の時間であることを前提に、ρ/(1−ρ)>1となることです。境界ではρ=0.5となるため、平均回線待ち時間が平均伝送時間より最初に長くなるのは、回線利用率が0.5を超えたときです。

比較

ρ=0.5では、待ち時間はT×0.5/0.5=1Tで、平均伝送時間と等しくなります。したがって「より長くなる」のは0.5を超えた範囲です。0.4では倍率が0.4/0.6で1未満、0.6では0.6/0.4で1超、0.7では0.7/0.3で1超となり、最初の境界を示す選択肢は0.5です。

選択肢ア

これは不正解だよ。回線利用率が0.4のとき、待ち時間と平均伝送時間の比は0.4/(1−0.4)=0.4/0.6で、1未満です。したがって平均回線待ち時間は平均伝送時間より短く、長くなり始める境界を表していません。

選択肢イ(正解)

これは正解だよ。平均回線待ち時間をT×ρ/(1−ρ)とすると、ρ=0.5ではT×0.5/0.5=Tとなり、平均伝送時間と等しくなります。その値を超えると倍率が1を上回るため、平均回線待ち時間が最初に長くなる条件は利用率0.5超です。

選択肢ウ

これは不正解だよ。回線利用率が0.6の場合、待ち時間と平均伝送時間の比は0.6/0.4=1.5です。この値では既に平均回線待ち時間は平均伝送時間より長くなっていますが、最初に大小が逆転する境界は0.6より前です。

選択肢エ

これは不正解だよ。回線利用率が0.7の場合、待ち時間と平均伝送時間の比は0.7/0.3で、1を大きく上回ります。ただし、これは既に条件を満たした後の値であり、最初に平均回線待ち時間が長くなる境界を示す値ではありません。

学習のポイント

M/M/1モデルにおける利用率と待ち時間の関係を、比例式の比較として理解する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和元年度秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅰ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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