SMITサービスマネージャ試験 午前Ⅰ
平成21年度秋期 ITサービスマネージャ 午前Ⅰ 問19
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題

選択肢
- ア(問題の図表を参照)
- イ(問題の図表を参照)
- ウ(問題の図表を参照)
- エ(問題の図表を参照)
解き方のヒントを見る
規模と工数の増え方を捉える
開発規模と開発工数の関係を考えるときは、規模が一定量ずつ増えたときに工数がどのような割合で増えるのかという一点に着目します。その根拠を自分の言葉で説明できるかを確かめながら検討を進めましょう。
この問題で問われていること
この問題で確認すべき観点は、規模の増加量に対して工数の増加量が一定なのか、規模によって変化するのかを判断することです。開発作業の中身を思い浮かべて考え、形だけの暗記に頼らないようにしましょう。
視点
開発規模は作る成果物の量を表します。開発工数は、人数と期間の積で表される作業量を表します。両者の関係を検討するときは、規模を倍にしたときに工数も単純に倍になると言えるかを考えます。その際は、開発に含まれる作業の内訳を思い浮かべ、規模の大小で内訳の重みが変わるかどうかを自分で吟味します。
確認ポイント
- 開発規模と開発工数がそれぞれ何を表す量なのか、その意味と単位を確認したか
- 規模を少し増やしたときの工数の増え方が、規模の大小によって同じか異なるかを自分で考えたか
- 自分の判断の根拠を、開発作業の内訳に基づいて一文で説明できるか
正解と解説を見る
正解
エ
解説
ソフトウェアの開発工数は、開発規模に比例する以上の割合で増えていきます。規模が大きくなるほど傾きが急になる下に凸の曲線であるエが、この関係を表しています。
理由
規模が大きくなると要員が増え、要員間のコミュニケーション経路は人数の2乗に近い割合で増えていきます。さらに管理・調整、インタフェースの整合、結合テストなどの作業も増えるため、規模1単位あたりの工数(生産性の逆数)が大きくなります。COCOMOでは工数=a×(規模)^b(b>1)と表され、グラフは下に凸になって傾きがだんだん急になります。
比較
ウは増加が緩やかになる形で、大規模ほど効率が上がる「規模の経済」を表しています。イは途中で急増したあと頭打ちになるS字形、アは途中で一時的に伸びが鈍る形です。いずれも、規模の拡大に伴って工数の伸びが大きくなり続けるという性質と合いません。
選択肢ア
これは不正解だよ。アは小規模のうちは急に増え、中規模で増え方が鈍り、その後また急増する形だね。中規模のときだけ規模1単位あたりの工数が小さくなる根拠はないよ。見積りモデルでは、規模が大きくなるにつれて単位あたりの工数が一貫して増える傾向を想定するから、途中で傾きが緩む形は当てはまらないんだ。
選択肢イ
これは不正解だよ。イは最初は緩やかに増え、途中で急増し、大規模になると増え方が頭打ちになるS字形だね。大規模になるほど要員間のコミュニケーションや調整、統合・テストの負担が増えるから、規模が大きくなったところで工数の伸びが鈍るとは考えにくいよ。終盤の頭打ちが実態と合わないんだ。
選択肢ウ
これは不正解だよ。ウは小規模で急に増え、規模が大きくなるほど増え方が緩やかになる上に凸の形だね。これは大規模ほど規模1単位あたりの工数が減る「規模の経済」を表しているよ。ソフトウェア開発では規模が大きくなると管理や調整の負担が増えて生産性が下がるとされるから、傾向が逆になっているんだ。
選択肢エ(正解)
これは正解だよ。エは規模が小さいうちは緩やかで、規模が大きくなるほど傾きが急になる下に凸の曲線だね。COCOMOでは工数=a×(規模)^b(b>1)のように表されるよ。大規模になるほど要員間のコミュニケーション経路や管理・統合の作業が増えて生産性が下がるから、工数は規模に比例する以上に増えるんだ。
学習のポイント
COCOMOなどで見られる「工数は規模のべき乗(指数が1より大きい)で増える」という性質と、規模が大きくなると生産性が下がる理由を理解しましょう。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成21年度秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅰ 問19(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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