SMITサービスマネージャ試験 午前Ⅰ

平成21年度秋期 ITサービスマネージャ 午前Ⅰ 問11

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

分散トランザクション処理で利用される2相コミットプロトコルでは,コミット処理を開始する調停者(coordinator)と,調停者からの指示を受信してから必要なアクションを開始する参加者(participant)がいる。この2相コミットプロトコルに関する記述のうち,適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    参加者は,フェーズ1で調停者にコミット了承の応答を返してしまえば,フェーズ2のコミット要求を受信していなくても,ローカルにコミット処理が進められる。
  2. イ
    調停者に障害が発生するタイミングによっては,その回復処理が終わらない限り,参加者全員がコミットもロールバックも行えない事態が起こる。
  3. ウ
    一つの分散トランザクションに複数の調停者及び参加者が存在し得る。例えば,5個のシステム(プログラム)が関与している場合,調停者の数が2,参加者の数が3となり得る。
  4. エ
    フェーズ1で返答のない参加者が存在しても,調停者は強制的にそのトランザクションをコミットすることができる。
解き方のヒントを見る

役割分担を整理する基本視点

二相コミットの各主体を、処理を進める側と全体を調整する側という役割の境界から見比べ、誰が何を判断し、誰へ状態を伝える責任を持つのかを整理して考える。役割の重なりや取り違えがないかも確認する。

この問題で問われていること

選択肢を読むときは、個々の手順を暗記するよりも、調停者と参加者のどちらに責任が置かれている説明なのか、その役割分担が一貫しているかに注目する。主体、判断、連絡先の対応関係を確認する。

視点

主体ごとの役割を整理する際は、全体を調整する立場と、個別の処理に関わる立場を分けて捉える。判断の範囲、状態の共有先、責任の境界を同じ基準で比較すると、説明の構造を確認しやすい。

確認ポイント

  • 各主体に割り当てられた責任の範囲を確認する
  • 判断する主体と影響を受ける主体を区別する
  • 役割の説明に重複や入れ替わりがないか確認する
正解と解説を見る

正解

イ

解説

二相コミットでは、全参加者の準備確認と、調停者による最終指示を分けて扱う。調停者の障害時には、参加者が独断で確定できず処理が停止することがある。

理由

参加者はフェーズ1でコミット可能であることを調停者に応答するが、最終的なコミットやロールバックはフェーズ2の指示に従って実行する。したがって、調停者の障害によって指示が届かないと、参加者は処理結果を確定できない場合がある。

比較

フェーズ1の応答だけでコミットを進めたり、返答のない参加者を無視して強制的にコミットしたりすることは、全体の一貫性を損なう。調停者と参加者の役割を混同せず、指示の順序を確認することが重要です。

選択肢ア

これは不正解だよ。フェーズ1で参加者が返すのは、コミット可能であることを調停者へ知らせる応答であり、その時点で最終確定する指示ではない。フェーズ2のコミット要求を受ける前に、参加者が独自にコミット処理を進めるという記述は、二相の手順と一致しない。

選択肢イ(正解)

これは正解だよ。二相コミットでは、参加者はフェーズ1で準備状態を応答した後、調停者からフェーズ2の指示を受けて確定または取消しを行う。調停者が障害で判断や指示を完了できない場合、参加者は整合性を守るため独断でどちらにも決められず、回復まで処理できないことがある。

選択肢ウ

これは不正解だよ。一つの分散トランザクションでは、コミット処理を調整する調停者と、その指示に従う参加者という役割を区別する。関与するシステムが5個だからといって、調停者2個・参加者3個のように複数の調停者を置く説明にはならず、二相コミットの構成と合わない。

選択肢エ

これは不正解だよ。フェーズ1で参加者から返答がない場合、調停者は全参加者の準備状況を確認できない。その状態で強制的にコミットすると、参加者間で処理結果が分かれるおそれがあるため、調停者が一方的にコミットできるという記述は不適切である。

学習のポイント

フェーズ1の応答、フェーズ2の指示、障害時の待機を関連付けて理解する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成21年度秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅰ 問11(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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