SAシステムアーキテクト試験 午後Ⅰ
令和7年度春期 システムアーキテクト 午後Ⅰ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題

解き方のヒントを見る
業務目的と要件の対応を確認
自治体の購買業務を考えるときは、現場の目的や運用上の制約と、システムに求める役割が無理なく対応しているかを一つの軸で整理しましょう。業務の全体像とのつながりを意識すると、表面的な語句に引きずられにくくなります。
この問題で問われていること
各記述が示す内容を個別に覚えるのではなく、購買業務で達成したい管理上の目的と、システム要件がその目的にどう結び付くかという対応関係に注目してください。組織内の流れや責任分担との整合性も同じ観点で読み取ります。
視点
業務上の目的、関係者の役割、処理の流れ、管理すべき情報を切り分け、要件がどの課題を扱うものかを確認します。用語の印象だけで判断せず、業務とのつながりを見ます。
確認ポイント
- その記述が支援しようとしている業務上の目的は何か
- 目的と要件の間に、無理のない対応関係があるか
- 特定の機能名ではなく、運用全体との整合性で読めるか
正解と解説を見る
解説
本問は、消耗品の集中購買化に伴い、契約・納入・検収・請求を管理するシステムの要件を整理する問題です。
問題の全体像
A市は、各部門が個別に行っていた消耗品の調達を集中化し、単価契約、複数単価契約、分散した施設への直接納入、各部門による検収という運用に変更した。管理システムには、部門・総務課・事業者が出荷、納入、検収などの状況を共有できることが求められる。出題の狙いは、A市規定類や契約条件といった運用上の制約を踏まえ、購買PKGの機能を適切に選び、追加要件を具体化することです。
設問1
請求書は、事業者が前月の検収実績に基づいて発行する。したがって、表1の「データ集計機能」を使い、事業者別・月別・検収済みという条件で集計した金額と請求金額を照合する。公式解答例では、確認対象を「当該事業者の前月の検収済商品 の合計金額」としている。単に契約金額や発注金額ではなく、前月に検収が完了した商品の合計額である点が重要です。
設問2①
「相見積取得及びスポット注文機能」は、商品カタログにない商品について複数事業者から相見積りを取り、指定事業者へ注文する機能です。しかしA市では、少額調達であってもA市規定類に基づく手続が必要であり、PKGの機能だけで調達を完結させると規定に反する。そのため、公式解答例ではこの機能と「調達は、A市規定類に基づく必要があるから」という理由を示している。
設問2②
「商品単価変更機能」は、商品ごとの販売単価を変更する機能です。集中購買では入札によって物品ごとの単価を定め、契約書に記載しているため、契約期間中に利用者が単価を変更すると契約条件と一致しなくなる。公式解答例では、理由を「単価は契約時に定められているから」としている。
設問3(1)
各部門が必要なタイミングで納入指示し、事業者が各部門の施設へ直接納入する方式を採用している。したがって、注文内容に指定できるようにする対象は納入先の「施設」であり、公式解答例は「納入する施設」としている。10字以内では、納入先を表す簡潔な語句に絞る。
設問3(2)
契約期間は4月から翌年3月末までの単年度であり、A市規定類上、納入は契約期間内に完了しなければならない。年度末間際に新たな注文を受けると、納入が年度内に終わらないおそれがあるため、一定期間は各部門の注文を停止する。公式解答例では、この年度内・契約期間内の納入完了義務を理由としている。
設問3(3)
在庫管理機能の用途は、契約上の発注予定数量の範囲内かどうかを管理することです。複数単価契約では、特定商品の使用量が増えた場合でも、契約上の総額を超えない範囲で他商品の発注予定数量を減らし、物品ごとの予定数量を調整する。したがって、数量を増減する状況は、契約上の総額を超えない範囲で物品ごとの発注予定数量を調整したいときです。公式解答例の用途と状況を、字数内でそれぞれ押さえる。
学習のポイント
契約条件、実績データ、規定上の制約を結び付けて機能要件を判断する力を養う。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和7年度春期 システムアーキテクト試験 午後Ⅰ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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