SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅱ

令和7年度春期 システムアーキテクト 午前Ⅱ 問14

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

ラボ契約の特徴はどれか。

選択肢

  1. ア
    依頼元がベンダー企業側の作業担当者を指名して直接指揮命令を行う契約であり,ベンダー企業はこれを前提に要員を割り当てる。
  2. イ
    依頼元は,契約に基づきスキルや人数などの基準を満たすように要員を確保することをベンダー企業に求める代わりに,一定以上の発注を約束する。
  3. ウ
    開発したシステムによって依頼元が将来獲得する売上や利益に応じた報酬をベンダー企業にも分配することを条件に,開発時のベンダー企業への発注金額を抑える。
  4. エ
    ベンダー企業は,契約で定めた最低発注工数を下回って作業を完了した場合,実稼働工数に基づく金額の支払を依頼元に請求しなければならない。
解き方のヒントを見る

契約形態は約束の中身で見分ける

契約形態を比べるときは、名称の印象ではなく、契約によって当事者が何を約束し、どこまで責任を負うのかという一つの観点に絞って整理すると、それぞれの違いを落ち着いて見極めやすくなります。

この問題で問われていること

問われているのは、各契約形態が当事者間でどのような義務を定めているかという点です。記述されている内容が、その義務の範囲と整合しているかを一つずつ自分の知識と照らし合わせて確かめてください。

視点

契約形態ごとに、受注者が約束する対象と責任の範囲は異なります。学習の際は、各形態について『何を約束する契約か』『約束が果たされたと言えるのはどの時点か』を自分の言葉で書き出し、名称や一般的なイメージに頼らず定義から確認する習慣をつけると、混同を防げます。

確認ポイント

  • 各契約形態で受注者が約束している対象を、定義に立ち返って自分の言葉で説明できるか
  • その約束が果たされたと判断できる基準を、契約形態ごとに区別して整理できているか
  • 名称の響きや一般的な印象ではなく、約束の中身を根拠に判断しているか
正解と解説を見る

正解

イ

解説

ラボ契約は、依頼元が必要なスキルや人数を備えたベンダー側の開発要員を確保させ、その代わりに一定以上の発注を約束する契約です。したがって、要員の直接指揮命令、将来利益の分配、実稼働工数だけによる精算を本質的な特徴とはしない。

理由

ラボ契約では、依頼元が求めるスキルや人数などの基準を満たす要員を、ベンダー企業が確保する。その代わりに依頼元は、契約で定めた一定以上の発注を約束する。これにより、継続的な開発体制を準備しやすくする。

比較

作業担当者への指揮命令関係を定める契約や、将来の売上・利益を分配する契約とは目的が異なる。また、実際の作業工数だけで支払額を決めることが、ラボ契約の説明そのものになるわけではありません。

選択肢ア

これは不正解だよ。ラボ契約の中心は、ベンダー企業が必要なスキルや人数を満たす要員を確保し、依頼元が一定以上の発注を約束する関係である。依頼元がベンダー企業の作業担当者を指名して直接指揮命令することは、ラボ契約の特徴ではない。

選択肢イ(正解)

これは正解だよ。ラボ契約では、依頼元が求めるスキルや人数などの基準を満たす要員をベンダー企業が確保する。その代わりに依頼元は、一定以上の発注を約束する。この要員確保と発注保証の組合せが契約の特徴である。

選択肢ウ

これは不正解だよ。この記述は、開発したシステムによる将来の売上や利益に応じて報酬を分配する契約を説明している。ラボ契約の特徴は、将来利益の分配や開発時の発注額の抑制ではなく、要員確保と一定以上の発注を約束する点にある。

選択肢エ

これは不正解だよ。ラボ契約の特徴は、最低発注工数を下回った場合に実稼働工数だけで請求することではない。ベンダー企業の要員確保に対応して、依頼元が一定以上の発注を約束する契約であり、この記述は契約の基本的な関係を表していない。

学習のポイント

ラボ契約では、要員確保と一定量の発注を組み合わせた相互の約束を押さえる。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和7年度春期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問14(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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