SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅱ

令和6年度春期 システムアーキテクト 午前Ⅱ 問10

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

JIS X 0160:2021 (ソフトウェアライフサイクルプロセス)によれば,移行プロセスで実施するタスクはどれか。

選択肢

  1. ア
    システムの利用及び支援に必要な情報ニーズを識別し,利用者用文書,並びに運用操作者,利用者及びその他の利害関係者への教育訓練を用意する。
  2. イ
    システム又はシステム要素が明示された要件(要求事項)に合致していることについて,利害関係者の合意を得る。
  3. ウ
    ソフトウェアシステム又は要素が利害関係者ニーズに合致していることについて,利害関係者の合意を獲得する。
  4. エ
    統合されたソフトウェアのインタフェース及び機能が,始動時点から期待されている終了時点まで,期待されるデータ値の範囲内で実行動作することのチェックを実施する。
解き方のヒントを見る

プロセスの目的からタスクの所属を考える

ライフサイクル規格では、各タスクはそれが属するプロセスの目的を達成するために置かれています。問われている作業が何を成果として生み出すのかを手掛かりに、どのプロセスの目的に結びつくかを自分の言葉で整理してから判断しましょう。

この問題で問われていること

この問題で確認したいのは、個々の作業がライフサイクル全体のどの段階の目的に寄与するかという視点です。作業名の印象ではなく、その作業の入力と成果物が何かを意識して所属を見極めることが中心になります。

視点

規格の各プロセスは、目的、そのプロセスの成果、成果を得るための作業という関係で構成されていると捉えられます。タスクの所属を考えるときは、作業の名称や言い回しの似ている部分に引きずられないようにします。その作業が何を前提に始まるのか、終えたときに何が確定するのかを考え、それがどのプロセスの目的と結びつくかを筋道立てて確かめます。

確認ポイント

  • その作業を始める前提として何が決まっている必要があるかを考えたか
  • その作業を終えたときに何が確定し、次に何へ引き継がれるかを整理したか
  • 作業名の言葉の印象ではなく、プロセスの目的との結びつきで所属を判断したか
正解と解説を見る

正解

ア

解説

JIS X 0160:2021の移行プロセスでは、システムの利用及び支援に必要な情報ニーズを識別し、利用者用文書や関係者への教育訓練を準備する。したがって、該当するのはアです。

理由

移行プロセスは、新しいシステムを実際の利用環境へ移すための準備を扱う。利用者用文書の整備や、運用操作者・利用者などへの教育訓練の用意は、円滑な利用開始を支える移行タスクに該当する。

比較

イとウは要件や利害関係者ニーズへの適合について合意を得る活動であり、エは統合されたソフトウェアのインタフェースや機能の動作を確認する活動です。いずれも利用開始に向けた文書・教育の準備とは役割が異なる。

選択肢ア(正解)

これは正解だよ。移行プロセスでは、新しいシステムを利用・運用できる状態に整えることが重要である。この選択肢は、必要な情報ニーズを識別し、利用者用文書を整備するとともに、運用操作者や利用者などへの教育訓練を用意しており、利用開始に向けた移行タスクを示している。

選択肢イ

これは不正解だよ。システム又はシステム要素が明示された要件に合致していることについて利害関係者の合意を得る活動は、要求事項への適合性を確認する性質のものである。利用者文書や教育訓練を準備する移行タスクとは、目的と実施内容が異なる。

選択肢ウ

これは不正解だよ。ソフトウェアシステム又は要素が利害関係者ニーズに合致していることについて合意を獲得する活動は、ニーズへの適合性を確認するものだ。この選択肢は、利用開始に必要な情報提供や教育訓練を準備する移行タスクを表していない。

選択肢エ

これは不正解だよ。統合されたソフトウェアのインタフェースや機能が期待されるデータ値の範囲で動作するかをチェックする活動は、システムの動作検証に関するものである。移行プロセスで行う利用者向け文書や教育訓練の準備とは役割が異なる。

学習のポイント

移行プロセスと、要求事項の確認・妥当性確認・動作検証を区別して覚える。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和6年度春期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問10(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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