SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅱ

令和6年度春期 システムアーキテクト 午前Ⅱ 問2

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

組込みシステムでDBMSを用いるときには,通信のオーバヘッド,通信負荷の発生を防ぐこと,必要なメモリ容量をリソース制限内に抑えることなどを目的として,インプロセスデータベースを用いることがある。このインプロセスデータベースの説明として,適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    クライアントサーバ形式のクライアントとなるアプリケーションプログラムとソケットを介して通信し,SQLを用いて処理を記述する。
  2. イ
    データベースエンジンはライブラリ形式で提供され,アプリケーションプログラムとリンクされて同一メモリ空間で動作する。
  3. ウ
    テーブルデータの全体をメモリ上に配置して,データベース処理を高速化する。
  4. エ
    一つのテーブルを一つのファイルで管理し,アプリケーションプログラムからはファイル入出力のAPIで操作する。
解き方のヒントを見る

実行形態と特徴の因果を確かめる

組込みシステムでDBMSをどう動かすかという構成の違いは、資源の使い方や他の処理との関係に影響します。示されている特徴が、その構成から無理なく導ける性質かどうかを一つずつ確かめる姿勢で検討しましょう。

この問題で問われていること

問われているのは個々の用語の暗記よりも、実行形態という構成上の前提から、どのような性質が帰結するかという対応関係です。前提と帰結のつながりに飛躍や逆転がないかという一つの観点に絞って吟味することが要点です。

視点

DBMSの実行形態を考えるときは、DBMSがどのような単位で動作し、それを利用する側のプログラムとどのような境界を持つかという構成を出発点にします。構成が決まると、やり取りの経路や資源の分担などが連動して決まります。そのため、性質を単独で覚えるのではなく、構成から理由をたどって説明できるかどうかを確かめると判断が安定します。

確認ポイント

  • 検討している実行形態について、DBMSと利用側プログラムの関係を自分の言葉で説明できるか
  • 示されている性質が、その構成を理由として説明できるかどうか
  • 前提と帰結の対応が別の実行形態のものと入れ替わっていないか
正解と解説を見る

正解

イ

解説

インプロセスデータベースは、データベースエンジンをライブラリとしてアプリケーションに組み込み、同一メモリ空間で動作させる方式です。別プロセスとの通信を減らせるため、組込みシステムの制約に適しています。

理由

正しい説明はイです。インプロセスデータベースでは、データベースエンジンがライブラリとして提供され、アプリケーションプログラムにリンクされます。その結果、両者は同一メモリ空間で動作し、別プロセスとの通信に伴うオーバヘッドを抑えられます。

比較

インプロセスであることは、データを全てメモリ上に置くことや、テーブルごとに単純なファイルで管理することを意味しません。また、ソケットを介したクライアントサーバ型の構成とも異なります。

選択肢ア

これは不正解だよ。ソケットを介してクライアントサーバ形式で通信する構成は、アプリケーションとDBMSが別の実行主体として連携する方式です。インプロセスデータベースは、通信オーバヘッドを抑えるため、データベースエンジンをアプリケーションに組み込んで利用します。

選択肢イ(正解)

これは正解だよ。インプロセスデータベースでは、データベースエンジンがライブラリ形式で提供され、アプリケーションプログラムとリンクされます。両者が同一メモリ空間で動作するため、別プロセス間の通信に伴うオーバヘッドや通信負荷を抑えられます。

選択肢ウ

これは不正解だよ。テーブルデータの全体をメモリ上に配置して高速化する方式は、インメモリデータベースの特徴に関する説明です。インプロセスデータベースの本質は、データ配置ではなく、データベースエンジンをアプリケーション内で動作させる構成にあります。

選択肢エ

これは不正解だよ。一つのテーブルを一つのファイルで管理し、ファイル入出力APIで操作する説明は、単純なファイル管理の方式を示しています。インプロセスデータベースは、DBMSの機能を備えたエンジンをアプリケーションに組み込んで利用するため、この説明とは異なります。

学習のポイント

インプロセス方式と、通信を伴うクライアントサーバ方式やインメモリ方式を区別する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和6年度春期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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