SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅱ

令和3年度春期 システムアーキテクト 午前Ⅱ 問16

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

B.H.シュミットが提唱した CEM (Customer Experience Management)における,カスタマーエクスペリエンスの説明として,適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    顧客が商品,サービスを購入・使用・利用する際の,満足や感動
  2. イ
    顧客ロイヤルティが失われる原因となる,商品購入時のトラブル
  3. ウ
    商品の購入数・購入金額などの数値で表される,顧客の購買履歴
  4. エ
    販売員や接客員のスキル向上につながる,重要顧客への対応経験
解き方のヒントを見る

用語の対象と目的を見極める視点

マーケティング分野の管理手法に関する用語は名称が似ていることが多く、混同しやすい傾向があります。用語が何を管理の対象とし、誰の立場から何を目指すものかという一つの観点に絞って、問われている内容と照らし合わせて検討してみましょう。

この問題で問われていること

この問題では、顧客体験管理という考え方の中身を自分の言葉で説明できるかが問われていると考えられます。名称だけで判断せず、その考え方が管理しようとしている対象と目的を明確にしたうえで、問われている内容と一致するかを確かめることが大切です。

視点

マーケティング理論の用語は、似た語を含む別の考え方と並んで扱われることがあります。用語を理解する際は、①何を対象として扱うのか、②その取り組みで何を達成しようとしているのか、の二点を自分の言葉で言い表してみると整理しやすくなります。名称に含まれる語から連想するだけでなく、対象と目的の組合せとして捉え、問われている内容との整合を確かめましょう。

確認ポイント

  • その考え方が管理の対象としているものは何かを、自分の言葉で言えるか
  • その取り組みが最終的に何を達成しようとしているかを説明できるか
  • 名称からの連想だけで判断せず、対象と目的の両面から問われている内容と照らし合わせたか
正解と解説を見る

正解

ア

解説

カスタマーエクスペリエンスは、顧客が商品やサービスとの接点で得る主観的な経験を指します。満足や感動などの反応を含むため、購買履歴やトラブル、従業員の経験とは区別する。

理由

CEMにおけるカスタマーエクスペリエンスは、顧客が商品やサービスを購入・使用・利用する際に感じる経験です。満足や感動は顧客側に生じる反応なので、適切な説明となる。

比較

購入時のトラブルは個別の問題事象、購入数や金額は購買履歴、重要顧客への対応経験は従業員側の業務経験です。いずれも顧客が得る経験そのものとは異なる。

選択肢ア(正解)

これは正解だよ。カスタマーエクスペリエンスは、顧客が商品やサービスに触れる過程で得る体験を指す。購入・使用・利用の際に生じる満足や感動は、顧客側の経験として表現されており、CEMの説明に合致する。

選択肢イ

これは不正解だよ。商品購入時のトラブルは、顧客体験に影響し得る個別の問題事象であるが、カスタマーエクスペリエンスそのものを「ロイヤルティが失われる原因」と限定して定義していない。したがって、概念全体の説明ではない。

選択肢ウ

これは不正解だよ。購入数や購入金額などは、顧客の購買履歴を表す客観的な記録である。これらは顧客の行動データであって、商品やサービスに接した際の満足・感動など、顧客が得た経験そのものを説明していない。

選択肢エ

これは不正解だよ。重要顧客への対応経験は、販売員や接客員に蓄積される業務上の経験である。カスタマーエクスペリエンスが対象とする顧客側の体験とは主体が異なるため、CEMにおける定義の説明には当たらない。

学習のポイント

顧客の主観的な体験と、企業が保有する記録や従業員側の経験を区別する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和3年度春期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問16(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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