SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅱ

令和3年度春期 システムアーキテクト 午前Ⅱ 問5

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

マイクロサービスアーキテクチャを利用してシステムを構築する利点はどれか。

選択肢

  1. ア
    各サービスが使用する,プログラム言語,ライブラリ及びミドルウェアを統一しやすい。
  2. イ
    各サービスが保有するデータの整合性を確保しやすい。
  3. ウ
    各サービスの変更がしやすい。
  4. エ
    各サービスを呼び出す回数が減るので,オーバヘッドを削減できる。
解き方のヒントを見る

構造と利点の因果関係を確かめる

アーキテクチャ方式の利点を考えるときは、その方式が処理やデータ、機能をどのように配置・分担しているかという構造を先に捉え、述べられている利点がその構造から自然に導かれるものかどうかを一つの観点として確かめましょう。

この問題で問われていること

問われているのは方式ごとの利点の整理です。ある利点が、その方式の構成上の特徴によって生じるのか、それとも別の構成の方式にこそ当てはまるものなのかを、構造と効果の因果関係で結び付けて判断できるかが焦点になります。

視点

システム構築の方式は、構成要素をどこに置き、どう役割を分けるかという設計上の選択です。どの選択にも得られる効果と引き換えに生じる負担があります。そのため、利点を覚えた語句で判断するより、「この構造だからこの効果が生まれる」という理由の筋道で説明できるかを確かめるほうが、紛らわしい記述を見分けやすくなります。

確認ポイント

  • 検討している方式が、構成要素をどこに配置し、どのように役割を分担する構造なのかを自分の言葉で説明できるか
  • 示された利点について「なぜその構造だとそうなるのか」という理由を一文で説明できるか
  • その利点が、配置や分担の仕方が異なる別の構造の方式の効果と取り違えられていないか
正解と解説を見る

正解

ウ

解説

マイクロサービスアーキテクチャは、システムを機能単位の独立したサービスに分割して構築する方式です。そのため、各サービスを個別に変更しやすい点が利点となる。

理由

マイクロサービスでは、サービスごとに開発・配置・更新を分けやすい。したがって、あるサービスの機能変更をシステム全体の一括変更にせず進めやすく、各サービスの変更がしやすい。

比較

サービスごとに異なるプログラム言語やライブラリを選べる一方、統一しやすいとは限らない。また、データ整合性の確保は複雑になり、サービス呼出しも減るとは限らず、通信によるオーバヘッドが発生する場合がある。

選択肢ア

これは不正解だよ。マイクロサービスでは、サービスごとに異なるプログラム言語、ライブラリ及びミドルウェアを選択できることが特徴であり、全サービスでそれらを統一しやすいとはいえない。したがって、これは利点を表していない。

選択肢イ

これは不正解だよ。サービスごとにデータを保有すると、サービス間で整合性を維持するための連携やトランザクション管理が必要になる。単一のデータベースを共有する構成より、各サービスが保有するデータの整合性を確保しやすいとはいえない。

選択肢ウ(正解)

これは正解だよ。マイクロサービスは機能単位でサービスを分割し、それぞれを独立して開発・配置・更新しやすくする。あるサービスの変更を他のサービスへ広げずに進めやすいため、各サービスの変更がしやすいことが利点である。

選択肢エ

これは不正解だよ。マイクロサービスでは、機能を分割したサービス同士がネットワーク経由などで連携するため、サービスを呼び出す回数が必ず減るわけではない。呼出しに伴う通信や連携処理によって、オーバヘッドが増える場合もある。

学習のポイント

独立したサービス構成が、変更容易性や技術選択にどう影響するかを理解する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和3年度春期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問5(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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