SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅱ
令和元年度秋期 システムアーキテクト 午前Ⅱ 問25
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- ア1回の利用者認証で複数のシステムを利用できるので,強固なパスワードを一つだけ管理すればよくなり,脆弱なパスワードを設定しにくくなる。
- イWebサイトへの通信路上に配置して通信を解析し,攻撃をブロックすることによって,Webアプリケーションソフトウェアの脆弱性を突く攻撃からWebサイトを保護できる。
- ウ強制アクセス制御の設定によって,ファイルの更新が禁止されていれば,システムに侵入されてもファイルの改ざんを防止できる。
- エシステムへのログイン時には,パスワードのほかに専用トークンを用いた認証が行われるので,パスワードが漏えいしても,システムへの侵入を防止できる。
解き方のヒントを見る
セキュリティ対策の効果範囲を見極める
セキュリティ対策の効果を考えるときは、その仕組みがシステムのどの層で働き、何を対象に制御するのかを先に整理します。仕組みの守備範囲と、別の手段が担う役割とを混同していないかを確認しながら検討しましょう。
この問題で問われていること
問われているのは、ある仕組みを導入した結果として何が実現されるかという「効果」の捉え方です。仕組みが直接制御できる対象と、制御の外側にある事柄とを区別できているかが検討の中心になります。
視点
ある機能の効果を評価するときは、まずその機能が働く層と制御の対象を定め、その範囲内で起こることと範囲外で起こることを分けて考えます。範囲外の事柄は別の対策が担う領域であり、一つの仕組みにすべての効果を期待しないことが整理の出発点になります。
確認ポイント
- その仕組みがシステムのどの層で働くものかを説明できるか
- その仕組みが直接制御する対象を自分の言葉で言えるか
- 検討している効果が、その制御対象の範囲内に収まっているか
正解と解説を見る
正解
ウ
解説
セキュアOSでは、強制アクセス制御などによって利用者やプロセスの権限を厳格に管理する。侵入後であっても許可されていないファイル操作を制限できるため、ファイルの改ざん防止が期待できる。
理由
強制アクセス制御は、利用者やプロセスが持つ権限と、対象となるファイルなどに定められた規則に基づいて操作を制限する。ファイルの更新が禁止されている場合、システムに侵入されても、その権限では改ざんできない。
比較
アとエは認証情報をまとめたり追加要素を使ったりする認証の仕組みであり、イは通信路上で攻撃を検出・遮断する仕組みです。いずれもOSの強制アクセス制御によるファイル操作の制限とは異なる。
選択肢ア
これは不正解だよ。1回の認証で複数システムを使えるという説明は、シングルサインオンなど認証情報の連携に関する効果である。セキュアOSの強制アクセス制御が、侵入後のファイル操作を制限する効果を説明したものではない。
選択肢イ
これは不正解だよ。Webサイトへの通信を解析し、Webアプリケーションへの攻撃を遮断する仕組みは、WAFなど通信経路上の防御機能に該当する。セキュアOSそのものが行う、OS内部の資源に対する権限制御の説明ではない。
選択肢ウ(正解)
これは正解だよ。強制アクセス制御では、利用者やプロセスの権限に基づいてファイル操作の可否を判定する。ファイルの更新が禁止されていれば、システムに侵入された場合でも、許可されていない改ざんを防止できる。
選択肢エ
これは不正解だよ。パスワードに加えて専用トークンを使う認証は、多要素認証によってパスワード漏えい時の不正ログインを抑止する仕組みである。認証強化の説明であり、セキュアOSのアクセス制御による効果ではない。
学習のポイント
認証や通信監視と、OS内部のアクセス制御を区別して理解する。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和元年度秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問25(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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