SAシステムアーキテクト試験 午後Ⅰ
平成29年度秋期 システムアーキテクト 午後Ⅰ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題



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情報の扱いを検討する範囲の確認
情報の扱いを考えるときは、まず検討の対象となる範囲を確かめましょう。業務全体の話と、その一部分の話を混ぜず、与えられた条件がどこまでを対象としているかを意識すると、論点を整理しやすくなります。
この問題で問われていること
この問題では、扱う情報や業務について、どの範囲の条件を検討しているのかに注目しましょう。ある部分についての記述を全体へ広げて捉えていないか、対象の範囲をそろえて考えることが、整理の手掛かりになります。
視点
情報や業務に関する条件を整理する際は、その条件が対象とする範囲を意識します。一部分について述べられた内容を、範囲を確かめずに全体へ広げて解釈していないかを振り返りましょう。
確認ポイント
- 検討の対象はどこまでか
- 条件が当てはまる範囲を意識しているか
- 一部の話を全体の話として捉えていないか
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解説
本問は、マイナンバー制度への対応を題材に、業務要件をシステムの機能へ結び付ける問題です。申告書の印刷制御、訂正支払調書の作成、未着の申告書への督促、最後の提出日を基準とする保存期間を、本文の条件に沿って読み取ることが要点となる。
問題の全体像
A社は、マイナンバー制度の導入に伴い、契約者及び受取人のマイナンバーを支払調書に追加する必要がある。マイナンバーを含むデータは新システムだけで扱い、既存の契約管理システムと必要な情報を連携する構成です。提供が遅れても保険金を支払い、支払調書は番号欄を空白で提出できるため、後日の訂正提出や申告書の督促も必要になる。公式の出題趣旨では、業務とシステムを正しく理解し、業務要件を基に利用者が求める機能を定義する能力を問うとしている。各設問では、機能の処理内容を、その処理が必要になる業務上の理由と対応付けて読むことが重要です。
設問1
着目するのは、〔マイナンバー制度導入後の業務概要〕(1)の「登録済みの顧客のマイナンバー申告書は印刷しない」という条件です。申告書を印刷する契約管理システムには、新システムでの登録・削除の結果を知らせる必要がある。顧客番号を送信すれば、対象顧客の登録状況を印刷制御に反映できる。公式解答例では「契約管理システムでマイナンバー申告書の印刷を制御するため」としており、35字以内の答案では、対象システム、対象書類、印刷制御という目的を押さえる。採点講評では、「支払調書の印刷」とした誤答が指摘されている。制度導入後の支払調書は、新システムでマイナンバーを追記してCDを作成するため、連携の目的を申告書の印刷と結び付ける必要がある。
設問2
下線①は、既存の支払調書データの最新レコードでマイナンバーが空白だった顧客について、番号の登録時に新たなレコードを作成する処理です。業務概要(3)には、空白で提出した後に番号が提供された場合、番号を記載した訂正支払調書を再提出するとある。また、支払調書提出機能は、訂正提出するレコードを抽出してCDを作成する。したがって、下線①で登録するレコードは、この訂正提出に利用される。公式解答例では「訂正支払調書を格納したCDを作成するため」としている。25字以内では、訂正支払調書とCD作成を端的に示す。採点講評では、「履歴データを管理するため」という誤答が指摘されている。履歴保存は設計上の方法であり、問われているのは作成したレコードの利用目的です。
設問3(1)
業務概要(4)では、契約者又は受取人のマイナンバー記載欄を空白で提出した場合に、対象顧客へ申告書の提出を督促するとある。表1の属性に置き換えると、確認するのは「契約者マイナンバー」と「受取人マイナンバー」であり、どちらかが空白なら、その空白に対応する顧客番号を抽出する。契約者側が空白なら契約者顧客番号、受取人側が空白なら受取人顧客番号が対象になる。公式解答例では「契約者マイナンバー又は受取人マイナンバーが空白である顧客番号」としている。35字以内では、二つの属性を「又は」で結び、空白という条件を示します。最新の履歴を対象とするのは、後から番号が登録された場合に、過去の空白レコードを理由として督促しないためです。
設問3(2)
除外する申告書ステータスは、公式解答例では「不備対応中」です。業務概要(3)によれば、番号欄が空白になる原因には、番号が未提供の場合と、届いた書類に不備がある場合がある。一方、業務概要(4)の督促対象は、A社に申告書が届いていない顧客です。「不備対応中」の顧客は申告書が既に届いており、マイナンバー管理部が不備について連絡・対応しているため、未着者向けの督促対象から除外する。公式解答例の理由は「A社にマイナンバー申告書が届いていない顧客を対象とするから」です。理由の35字以内の答案では、督促対象を未着の顧客に限定する点を示します。採点講評では、ステータスの意味を説明するだけの答案が指摘されており、督促業務の対象条件との関係まで書くことが必要です。
設問4(1)
変更する機能は、公式解答例では「支払調書提出機能」です。業務概要(5)には、マイナンバーを「支払調書を最後に提出してから7年経過した際」に削除するとある。登録時に削除予定年月日を設定しても、その後に支払調書を提出すれば、保存期間の基準となる最後の提出日が変わる。したがって、提出を行う支払調書提出機能で、対象顧客の削除予定年月日を更新する必要がある。公式解答例の理由は「支払調書を提出してから7年後の日付を設定する必要があるから」です。理由の35字以内の答案では、支払調書の提出日と、その7年後の日付を設定する必要性を押さえる。取得年月日だけを基準にすると、最後の提出から7年という業務要件を満たせない。
設問4(2)
着目するのは、業務概要(1)の、顧客からマイナンバー変更の連絡があった場合には、管理中の番号を即時削除して再度提供を依頼するという規定です。保存期間後の一括削除とは別に、変更連絡のあった顧客だけを直ちに削除できる必要があり、画面から1件ずつ削除する機能がこれに対応する。公式解答例では「顧客からマイナンバーの変更の連絡があった場合に削除するため」としている。35字以内では、顧客からの変更連絡という契機と、番号を削除する目的を示します。採点講評では、「契約終了」や「不具合」など、本文の業務要件にない理由を挙げた誤答が指摘されている。設問で既に示された誤登録への対応とは別に、本文に明記された変更時の即時削除を根拠にする。
学習のポイント
処理方法と利用目的を区別し、業務の対象条件、状態、実行時点を根拠に、必要な機能とデータ条件を説明する力を養う。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成29年度秋期 システムアーキテクト試験 午後Ⅰ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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