SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅱ

平成29年度秋期 システムアーキテクト 午前Ⅱ 問14

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

IT投資を,投資目的によって表のように分類した。IT投資評価のKPIのうち,戦略的投資に対するKPIの例はどれか。 業務効率投資:業務の効率向上,業務の生産性向上など 情報活用投資:ナレッジの共有,管理精度の向上など 戦略的投資:競争優位の確立,ビジネスの創出など IT基盤投資:ITコスト削減,システム性能向上など

選択肢

  1. ア
    システムの障害件数
  2. イ
    新製品投入後の市場シェア
  3. ウ
    提案事例の登録件数
  4. エ
    連結決算処理の所要日数
解き方のヒントを見る

投資の狙いと測る尺度の整合を確かめる

投資の目的と評価に使う尺度は、何を成果とみなすかという一点で結び付いています。用語の響きや一般的な印象で結び付けず、その投資が最終的に何を変えようとしているのかを自分の言葉で言い直してから、尺度が測る対象と照らし合わせて検討しましょう。

この問題で問われていること

この問題で絞るべき観点は「評価指標が数値として表しているものが、その投資の目的の達成度を直接示しているか」です。指標の名称ではなく、指標が拠り所とする情報が何を意味するかに目を向け、目的の側から見て筋が通るかを確かめてください。

視点

投資を評価するときは、まず「この投資が成功したと言えるのはどのような状態か」を定めます。次に、ある尺度がその状態に近づいたかどうかを本当に映し出せるかを考えます。名称が似ている、よく一緒に語られる、といった理由だけで結び付けると取り違えが起きやすくなります。目的と尺度を別々に理解してから、両者が同じものを見ているかを突き合わせるのが基本の進め方です。

確認ポイント

  • その投資が最終的に何を変えることを狙っているのかを、自分の言葉で一文にまとめられるか
  • 評価指標が何を拠り所にして値を出し、その値が何を意味するのかを説明できるか
  • 指標の値が良くなったとき、投資の狙いも達成に近づいたと無理なく言えるか
正解と解説を見る

正解

イ

解説

戦略的投資は、競争優位の確立や新たなビジネスの創出を目的とするため、市場での成果や事業上の優位性を測るKPIが適している。

理由

戦略的投資では、IT導入そのものの性能よりも、それによって市場や事業でどのような成果が得られたかを評価する。競争優位やビジネス創出に結び付く市場成果が代表的な評価対象となる。

比較

障害件数や処理日数はIT基盤または業務効率、提案事例の登録件数は情報活用に関係する。一方、市場における成果を示す指標は戦略的投資の目的と対応する。

選択肢ア

これは不正解だよ。システムの障害件数は、システムの安定性や運用上の品質を測る指標である。競争優位の確立や新しいビジネスの創出という戦略的投資の成果を、直接評価するKPIとは異なる。

選択肢イ(正解)

これは正解だよ。新製品投入後の市場シェアは、IT投資を活用して市場でどの程度の競争力や事業成果を得たかを示す指標である。競争優位の確立やビジネスの創出を目的とする戦略的投資の評価に適している。

選択肢ウ

これは不正解だよ。提案事例の登録件数は、組織内で知識やノウハウを共有し、情報を活用できているかを測る指標である。情報活用投資の目的には関係するが、市場での競争優位や新規事業の成果を直接示すものではない。

選択肢エ

これは不正解だよ。連結決算処理の所要日数は、業務処理の効率や生産性がどの程度向上したかを測る指標である。業務効率投資の評価には適するが、競争優位の確立やビジネス創出を測る戦略的投資のKPIとは異なる。

学習のポイント

投資目的ごとに、成果を直接測定できるKPIを対応付ける。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成29年度秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問14(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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