SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅱ
平成29年度秋期 システムアーキテクト 午前Ⅱ 問8
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- ア乾電池のプラスとマイナスを逆にすると,乾電池が装填できないようにする。
- イ交通管制システムが故障したときには,信号機に赤色が点灯するようにする。
- ウネットワークカードのコントローラを二重化しておき,故障したコントローラの方を切り離しても運用できるようにする。
- エハードディスクにRAID1を採用して,MTBF で示される信頼性が向上するようにする。
解き方のヒントを見る
設計事例の狙いを読み取る視点
信頼性設計の事例を判断するときは、仕組みの見た目よりも、その設計が何を想定し、どのような結果を得ようとしているのかという狙いに注目します。想定と目的を自分の言葉で言い直すことが判断の足がかりになります。
この問題で問われていること
問われているのは用語の暗記ではなく、示された設計が前提としている状況と、その状況で実現しようとしている状態との対応関係です。観点を「設計者の意図」の一つに絞り、内容ごとに整理してから考え方と照らし合わせてください。
視点
信頼性設計にはいくつかの考え方があります。名称が似ていても、何が起こり得ると前提に置き、何を守ろうとするかはそれぞれ異なります。事例を見るときは、仕組みの名前や構成の複雑さといった表面的な要素に引きずられないようにします。「設計者はどんな事態を想定し、その事態にどう備えようとしたのか」を一文で要約してみると、考え方との対応を落ち着いて検討できます。
確認ポイント
- その設計が前提として想定している事態を、自分の言葉で一文にまとめられたか
- 想定した事態に対して、設計者が最終的に確保したい状態を言い表せたか
- 要約した設計の意図と、問われている考え方の定義を、自分の知識で照合したか
正解と解説を見る
正解
イ
解説
フェールセーフとは、故障が起きた際に機能を維持することよりも、危険を避ける安全な状態へ移行させる設計です。故障時に信号機を赤色にする設計が該当する。
理由
交通管制システムの故障時に信号機を赤色にするのは、通常の制御ができない場合でも交通を停止させ、事故の危険を抑える設計です。故障時に安全側へ移行するため、フェールセーフに該当する。
比較
アは乾電池の向きを誤る装填を防ぐ誤操作防止、ウは故障箇所を切り離して機能を継続する冗長化、エはRAID1による信頼性向上の説明であり、故障時に安全側へ移行させるフェールセーフそのものではありません。
選択肢ア
これは不正解だよ。乾電池のプラスとマイナスを逆にすると装填できないようにするのは、利用者の誤操作を防ぐための設計である。誤った使い方を受け付けない仕組みであり、故障が発生したときに安全な状態へ移行させるフェールセーフとは異なる。
選択肢イ(正解)
これは正解だよ。交通管制システムが故障したときに信号機を赤色にするのは、制御不能な状態で交通を進行させず、事故の危険を抑えるためである。故障時に安全側の状態へ移行させる設計なので、フェールセーフに該当する。
選択肢ウ
これは不正解だよ。ネットワークカードのコントローラを二重化し、故障した方を切り離して運用を続けるのは、冗長化によって可用性を高める設計である。故障しても機能を継続する考え方であり、安全側へ停止・移行するフェールセーフとは異なる。
選択肢エ
これは不正解だよ。RAID1は複数のハードディスクに同じデータを保持し、片方が故障してもデータ利用を継続しやすくする方式である。これは記憶装置の信頼性や可用性を高めるための冗長化であり、故障時に安全状態へ移行するフェールセーフの説明ではない。
学習のポイント
フェールセーフと、誤操作防止・冗長化・信頼性向上の違いを整理する。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成29年度秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問8(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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