SAシステムアーキテクト試験 午後Ⅰ
平成25年度秋期 システムアーキテクト 午後Ⅰ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
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検討の前提と対象範囲をそろえる
この分野を検討するときは、まず各情報がどのような前提の下で述べられているかに注目しましょう。対象や場面の範囲を確かめ、異なる前提を混ぜたまま判断していないかを立ち止まって確認することが大切です。
この問題で問われていること
考える際は、判断の対象となる範囲が途中で変わっていないかを意識しましょう。明示された条件と、自分が補っている想定を分けて捉えると、どこまでを根拠に考えてよいか整理しやすくなります。
視点
同じ話題でも、想定する対象や場面が違えば、判断の土台も変わります。まず、与えられた情報が扱う範囲を捉え、その範囲を越える想定を自分で加えていないか確かめましょう。
確認ポイント
- 判断の対象となる範囲を捉えているか
- 明示された条件と自分の想定を区別しているか
- 途中で検討の前提を変えていないか
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解説
本問は、安否確認の要件をASPサービスの機能に照らし、利用者IDの変換、パスワードの反映時期、連絡先の管理、個別確認の対象選定を検討する問題です。機能だけでなく、緊急時に社員が利用でき、確認担当者が効率よく作業できる運用まで具体化することが要点となる。
問題の全体像
A社グループは、大規模地震に備えてC社のASPサービスによる安否確認システムを導入する。新システムはカスタマイズせず、社内システム側のインタフェース、システム運用、業務の変更で要件に対応する方針です。公式の出題趣旨では、フィット&ギャップの分析と、その差を解消する業務・運用の変更、現行システムとのインタフェース設計が問われている。各設問では、本文にある機能や制約を、緊急時の社員の行動や確認担当者の作業に結び付けて説明する。
設問1
〔新システムの機能〕(3)の安否確認応答機能は、送信されたメールや電話を受けて応答する仕組みです。一方、(4)の自主登録機能は、社員がシステムへ直接アクセスして登録できる。緊急連絡を受けられない場合でも、この機能で安否情報を伝えられる。アクセス先のURLを常時携帯する危機管理ハンドブックに記載する運用も、この利用を支える。公式解答例では「緊急連絡を受けられない場合」と「自主的に安否情報を登録すること」を挙げている。採点講評では、場合だけを答えた答案が多かったとされている。35字以内では「緊急連絡を受けられない場合に、自主的に安否情報を登録する」と、場合と利用方法の両方を押さえる。
設問2(1)
社員は自分の社員コードを覚えているが、新システムの利用者IDは数字に限られる。方式①では別の番号を覚える必要があり、方式②では先頭のアルファベットの組合せに対応する3桁の数字を知る必要がある。方式③は各アルファベットを01~26に置き換え、下4桁をそのまま使うため、変換規則が分かれば社員コードだけからIDを導ける。利用頻度が少なく、緊急時に使うシステムであることが、この利点につながる。公式解答例でも、社員コードだけで容易に導ける点を理由としている。採点講評では、単に「覚えやすいから」とする客観的根拠に乏しい答案が指摘されている。25字以内では「社員コードだけで利用者IDを容易に導けるから」と具体化する。
設問2(2)
〔パスワード連携〕では、社内システムの変更を新システムへ反映するのは夜間のバッチ処理です。社内システムのパスワードを変更しても、バッチ処理が行われるまでは新システムに旧パスワードが残る。そのため、同じパスワードを使用する方針でも、変更直後は両システムで認証に使うパスワードが異なる。公式解答例では、変更した日は安否確認システムへ旧パスワードでアクセスすることを周知事項としている。採点講評でも、反映のタイミングを理解することが解答につながったとされている。40字以内では「パスワードを変更した日は、新システムには旧パスワードでアクセスする」と、社員が取るべき行動を示します。
設問3(1)
本文では、ほとんどの社員が携帯電話を保有しており、それを有効活用するとしている。携帯電話は常時持ち歩いている可能性が高いため、緊急連絡を受ける端末として適している。さらに、メールには応答用WebページのURLが含まれるので、社員はメールを確認した時点でアクセスして登録できる。電話の発呼と異なり、着信時に応答する必要がない点も理由となる。公式解答例では、常時携帯している可能性の高さと、任意のタイミングで応答できる点を挙げている。40字以内では「携帯電話は常時携帯する可能性が高く、任意の時点で応答できるから」と、携帯電話とメールそれぞれの利点をまとめる。
設問3(2)
着目するのは、緊急連絡先を社員自身が登録するという要件です。メールアドレスや電話番号が変わっても、社員が登録内容を更新しなければ、システムが正常に動作していても緊急連絡は届かない。定期的な訓練は、実際に連絡が届くかを確認し、変更の登録漏れに気付く機会となる。設問は既に挙げられている動作確認や操作習熟とは別に、全社員への緊急連絡に関するリスクを求めている。公式解答例では、連絡先の変更を登録しないために緊急連絡が届かなくなるリスクを示している。35字以内では「緊急連絡先の変更が未登録で、緊急連絡が届かなくなるリスク」と、原因と結果を結び付ける。
設問3(3)(内容)
〔現状調査の結果〕では、常時約100人が海外出張しており、総務部が誰がどの都市に出張しているかを正確に把握している。この情報から、国内の地震区域にいないことが明らかな社員を特定できる。確認担当者に提供すべきなのは、この判断に使える海外出張者の一覧です。公式解答例の内容は「海外出張者の一覧」で、10字以内に収まる。採点講評では、勤務場所や担当営業区域では地震区域にいないと判断できないことが指摘されている。通常の所属や担当範囲ではなく、現在海外にいる社員を把握できる情報を選ぶ。
設問3(3)(理由)
〔導入に向けての検討〕(8)では、安否が未確認の社員でも、地震区域にいないことが明らかなら一旦対象外とし、地震区域にいる可能性がある社員に個別確認を行う。海外出張者は国内の地震区域にいないため、一覧を使って個別確認の対象から外せば、対象人数を減らせる。公式解答例でも、海外出張で国内にいない社員は個別確認の対象としないことを理由としている。30字以内では「海外出張で国内にいない社員は個別確認の対象外だから」とまとめる。ただし、要件(9)では対象外とした社員にも個別確認終了後に別途安否確認を行うので、安否確認そのものを省略するという意味ではありません。
学習のポイント
本文の制約と運用条件から因果関係を組み立て、設問が求める要素を字数内で具体的に記述する力を養う。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成25年度秋期 システムアーキテクト試験 午後Ⅰ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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