SAシステムアーキテクト試験 午後Ⅰ
平成24年度秋期 システムアーキテクト 午後Ⅰ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題



解き方のヒントを見る
要件が当てはまる範囲を確かめる
要件を検討するときは、個々の記述がどの範囲に当てはまるのかに注目しましょう。対象や前提を自分の経験で補わず、与えられた情報に照らして、読み取れる範囲と判断を保留する範囲を分けて考えます。
この問題で問われていること
この問題では、記述の意味を広げすぎたり、狭めすぎたりしていないかを確かめる視点を持ちましょう。考えを進める前に、対象となる範囲を示された情報からどこまで読み取れるか、いったん整理してみてください。
視点
一つの記述を別の場面にも当てはめる前に、その範囲まで含める根拠があるかを振り返ります。範囲が明確でない部分は、自分で条件を足さず、不確かなまま区別しておくと考えを整理できます。
確認ポイント
- 記述が当てはまる範囲を意識できているか
- 示された範囲を、自分の想像で広げていないか
- 範囲が不明な部分を、確かな情報と区別しているか
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解説
本問は、B社専用の写真プリント注文システムを各ショップ向けに汎用化する設計を扱う。ショップの独自性とB社による一括管理を両立し、店舗ごとの設定、連携手段、取引完了情報の用途を本文の要望や制約から説明することが要点です。
問題の全体像
B社は、自社で受注・プリント・配送していた既存システムを汎用化し、全国のショップがWeb店舗を開設できるようにする。各ショップは独自の商品やページで特色を出し、B社はシステム全体の運営・管理とショップ支援を担う。公式の出題趣旨では、多数の企業への展開を念頭に、要求事項と開発方針を理解して汎用化の改造ポイントや留意点を考える能力を問うとしている。運営形態、提供形態、店舗ごとの差異、ショップ連携を、それぞれ本文の根拠に結び付けて読む。
設問1(1)
〔汎用化システムへの要望や制約〕(1)の、独自の商品を開発・販売してショップの特色を出したいという要望に着目する。表1の電子商店街案③は、独自の商品や特色あるWebページによって各ショップの創意工夫を生かせるとしており、この要望に対応する。公式解答例では「各ショップの創意工夫が生かせるから」「各ショップの特色が出せるから」を挙げている。20字以内では、各ショップの独自性を発揮できる点に絞って述べる。
設問1(2)(B社のメリット)
表2のSaaS案②・④に着目する。サーバやデータベースを共有し、運用を全ショップ共通とすることで、B社は各ショップの運営状況を把握しやすく、一括した管理が可能になる。これは、要望(2)の全体の運営・管理と、要望(3)のアドバイスや情報提供にもつながる。公式解答例では、サイトの運営・管理やショップの管理を一括して行える点を示している。30字以内では「サイトとショップの運営・管理を一括して行えるから」のように、管理対象と一括管理の利点をまとめる。
設問1(2)(各ショップのメリット)
要望(2)の、システム全体の運営・管理をB社に任せたいという点と、制約(5)の、独自にシステムの開発・改造などを実施できないショップがある点に着目する。表2のソフトウェアパッケージ案では、各ショップがサーバやデータベースを個別に保有・運用する。一方、SaaS案ではサービスとして提供される。公式解答例では、ショップでシステムの導入・開発・運用をしないで済む点を示している。30字以内では「システムの導入・開発・運用をせずに済むから」と要点をまとめる。
設問2
〔汎用化システムの利用イメージ〕(3)では、プリント種別、受取方法、支払方法がWeb店舗ごとに異なるとされている。また、表2のSaaS案③は、ショップごとの差異を個々のWeb店舗の設定変更で実現する方針です。全選択肢を共通システムに用意し、店舗ごとに表示する選択肢を設定できれば、店舗ごとの要望に設定変更で対応できる。公式解答例もこの点を示している。35字以内では「Web店舗ごとの要望に設定変更で対応できるようにしたいから」とまとめる。採点講評では、「各ショップの創意工夫を出すため」など、開発方針と異なる視点の解答があったと指摘している。
設問3(1)(“注文伝達”をメールで実装する理由)
制約(8)では、メールの受信は数分以内に知ることができる一方、Webページを毎日確実に確認することは難しいとされている。注文伝達の目的は、注文があったことをショップに知らせることであり、メールならショップが注文を速やかに把握できる。公式解答例では「注文を速やかに通知できるから」としており、20字以内に収まる。採点講評では、「メールを素早く受信できるから」という解答が多かったとし、業務上素早く知りたい対象は注文であることを意識するよう求めている。
設問3(1)(“データ受渡し”をブラウザで実装する理由)
制約(7)では、ブラウザで大きなサイズのデータを受け取れるが、メールで受信できるデータのサイズには制限があるとされている。データ受渡しには写真データが含まれ、ショップはそれをPCにダウンロードしてプリントを作成する。この受渡しには、大きなサイズのデータを受信できる手段が必要です。公式解答例では「大きなサイズのデータを受け取れるから」としており、20字以内ではデータサイズへの対応を理由として述べる。
設問3(2)
要望(4)と〔汎用化システムの利用イメージ〕(7)にある、顧客ごとの完了した取引回数に応じた優遇に着目する。(6)では、ショップが写真の受渡しと決済を確認した後に、B社へ取引の完了登録を行う。B社はこの登録によって、優遇の判断に必要な完了した取引回数を把握できる。公式解答例では「顧客ごとの完了した取引回数に応じた優遇を行うから」としており、30字以内に収まる。採点講評では、写真データ削除のタイミングなど、本文に記載されていない機能を想像した誤答が多かったと指摘している。
学習のポイント
要望・制約から設計理由を導き、業務上の目的と実装手段を結び付けて字数内で説明する力を身に付ける。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成24年度秋期 システムアーキテクト試験 午後Ⅰ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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