SAシステムアーキテクト試験 午後Ⅰ
平成24年度秋期 システムアーキテクト 午後Ⅰ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題



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業務連携と統制を考える視点
会計システムの再構築では、機能の便利さだけでなく、業務間の受け渡しと統制上の確認がどのようにつながるかを整理し、全体の整合性や関係者ごとの役割を確かめる視点が重要です。
この問題で問われていること
一つの連携や処理だけを単独で見るのではなく、前後の業務、担当者の役割、確認のタイミング、記録の扱いが同じ流れの中でどう関係するかを意識し、全体として読み取ってください。
視点
業務の流れと内部統制を別々に考えず、情報の受け渡し、担当の分担、確認や記録の関係を一つの連続した仕組みとして整理します。
確認ポイント
- 業務の前後関係と情報の受け渡しを確認する
- 担当者の役割と確認の分担に注目する
- 処理の根拠や記録がどの場面で残るかを整理する
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解説
A社の会計システム再構築を題材に、売上基準変更、既存システム連携、資金収支管理、連結決算、内部統制への対応を問う問題です。
問題の全体像
A社は、月次・連結決算の早期化、財務報告の信頼性向上、取引方法の変更、資金収支の予測強化を目的に会計システムを再構築する。新会計システムは一般会計、売掛金管理、買掛金管理、資金管理、経費管理、連結会計から構成され、販売管理・仕入管理・人事給与システムとは伝票ではなくデータで連携する。設問は、この方針を業務変更、連携情報、資金予定、連結処理、入力完全性の観点から具体化させる狙いです。
設問1(1)
現行業務では、納品後の受領実績登録を経て受領書を出荷部門から経理部門へ回付し、経理部門が売上・売掛金を計上している。一方、売上計上基準が納品基準から出荷基準へ変わり、販売管理システムから出荷実績を新会計システムへ連携するため、受領書を経理部門へ回付する人手業務が不要になる。公式解答例もこの回付業務を示している。
設問1(2)(a)
経理部門の仕訳伝票起票・入力を減らすには、販売管理システムで発生した売上の根拠となる出荷実績を渡す。売上計上基準が出荷基準であるため、答えは「出荷実績情報」となる。10字以内なので、情報の名称を簡潔に書く。
設問1(2)(b)
出荷実績情報を受け取った新会計システムでは、出荷を売上取引として扱い、売上と売掛金を計上する仕訳を自動生成する。公式解答例の要点は「売上及び売掛金計上の自動仕訳処理」であり、単なるデータ保存ではなく会計仕訳まで含める。
設問2(1)(a)
表1では、売掛金だけでなく受注時点の入金予定情報も把握したいとある。したがって販売管理システムから取り込む情報は、受注時点で将来入金される予定の情報です。公式解答例は「受注時点での入金予定情報」としている。
設問2(1)(b)
売掛金管理サブシステムからは、請求後に発生した売掛金について、いつ入金される予定かを示す情報を取り込む。公式解答例は「売掛金の入金予定情報」としており、実績入金ではなく将来の入金予定である点に注意する。
設問2(2)
出金予定は諸経費だけでなく、人件費も含めて把握する必要がある。人事給与システムで計算している給与、賞与、法定福利費などの人件費の見込情報を取り込む。25字以内なので、対象となる人件費の種類と見込情報であることを押さえる。
設問2(3)
取引方法の変更により、買掛金の支払は全て銀行振込となる。現行会計システムで稼働している支払手形処理は新方式では必要なくなるため、不要な機能は支払手形管理の機能です。
設問3
連結子会社ごとに勘定科目がA社と統一されておらず、連結情報の合算に手間が掛かっている。したがって、子会社の勘定科目を連結可能な勘定科目へ変換する機能を実装する。採点講評でも、勘定科目が統一されていない点を読み取ることがポイントとされている。
設問4
入力情報の完全性は、取引の漏れや重複がないことを意味します。仕入管理システムから新会計システムへ連携する際は、検収や棚卸しなどの取引情報が漏れ・重複なく入力され、連携されることを確認する。採点講評でも、仕入管理システムへの入力と新会計システムへの連携における漏れ・重複の防止が重要とされている。
学習のポイント
業務フローを読み、要求をシステム機能とデータ連携に落とし込む力を養う。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成24年度秋期 システムアーキテクト試験 午後Ⅰ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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