SAシステムアーキテクト試験 午後Ⅰ
平成22年度秋期 システムアーキテクト 午後Ⅰ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題



解き方のヒントを見る
変更の影響を考える範囲をそろえる
生産方式の変更を検討するときは、影響を考える範囲に注目しましょう。業務とシステムに関する情報を扱う際も、どこまでを対象としているかをそろえ、範囲の異なる事柄を混ぜずに整理することが大切です。
この問題で問われていること
この問題では、変更の影響をどの範囲で捉えるかを意識して考えてみましょう。個々の情報から判断を進める前に、対象となる範囲を確かめ、その範囲に沿って業務とシステムの関わりを整理してみてください。
視点
検討の範囲とは、今回の判断でどこまでを対象にするかという区切りです。影響について考える際は、対象の範囲が途中で広がったり狭まったりしていないかを意識すると、情報を整理しやすくなります。
確認ポイント
- 影響を考える対象の範囲を捉えているか
- 整理の途中で対象の範囲を変えていないか
- 業務とシステムの関わりを同じ範囲で考えているか
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解説
ユニット品までを見込生産に変えることで出荷までの期間を短縮する一方、在庫過不足への対応が必要になります。販売予測、製品構成、製造工程、在庫情報を各計画に正しく連携させることが再構築の要点です。
問題の全体像
A社は、資材の手配から製品組立までを製番単位で管理する受注生産から、ユニット品までは販売予測に基づく見込生産、製品組立は受注生産という方式へ変更します。これに伴い、営業・設計・生産管理の情報連携と在庫管理を見直します。公式の出題趣旨では、業務改革を踏まえ、全体最適の観点から業務モデルと情報システム構造を設計する能力を問うとしています。各設問では、変更の効果とリスク、必要な連携情報、計画精度を支える機能を本文から対応付けます。
設問1(営業上の優位性)
〔生産方式の見直し〕の、ユニット品までは見込生産し、受注後にユニット品を引き当てて製品を組み立てるという記述に着目します。受注後にユニット品の生産や資材手配から始める必要が減るため、出荷までの期間を短縮できます。公式解答例では「受注から出荷までのリードタイムが短縮できること」としています。25字以内で、受注から出荷までという対象期間と短縮効果を押さえます。
設問1(在庫管理上のリスク)
機種ごとの販売予測に基づいてユニット品を先行生産する点に着目します。予測と実際の受注がずれると、ユニット品やその生産に必要な資材が余ったり不足したりします。公式解答例では「ユニット品,資材の在庫過不足が発生すること」としています。25字以内で、対象となるユニット品・資材と、過剰・不足の両面を示すことが要点です。
設問2(1)(製品組立計画)
〔現在の業務内容〕の営業部門では、見積段階で仮の製番を付与し、受注確定後に正式な製番として生産へ引き継ぐとあります。製品組立計画は製番で管理するため、この流れに対応する情報が必要です。公式解答例では「見積り提示及び受注の情報」としています。15字以内では、受注情報だけでなく見積り提示の情報も含めて示します。
設問2(1)(ユニット品生産計画)
〔生産方式の見直し〕と〔各部門への要求事項〕の、ユニット品は機種ごとの販売予測に基づいて生産するという記述が直接の根拠です。ユニット品生産計画には、将来の需要を見込むための情報を営業システムから渡します。公式解答例では「機種ごとの販売予測情報」としています。15字以内で、販売予測の単位が機種ごとであることまで押さえます。
設問2(2)
〔各部門への要求事項〕の生産管理部門には、納期回答のために、製品組立計画の内容と進捗状況を営業部門へ適時にフィードバックすると明記されています。営業部門は、その情報から顧客に回答する納期を判断します。公式解答例では「納期回答業務」としています。問われているのは情報の名称ではなく、その情報を使う業務なので、10字以内で業務名を答えます。
設問3(1)①
〔現在の業務内容〕の設計・技術部門が、製品を構成するユニット品・資材の情報を設計仕様書に記載して渡すという記述に着目します。これは、所要量計算の基準となる部品表を生成するための情報です。公式解答例では「製品を構成するユニット品・資材の情報」としています。25字以内で、製品の構成関係と構成要素を示します。
設問3(1)②
設計・技術部門が渡す情報には、構成情報に加えて、製品・ユニット品組立及び部品加工の製造工程情報があります。これは工程表を生成し、組立てや加工の計画・指示に利用する情報です。公式解答例では「製品・ユニット品組立及び部品加工の製造工程情報」としています。25字以内で、製品組立、ユニット品組立、部品加工を対象として押さえます。
設問3(2)a
表の基準情報管理には、設計システムとのインタフェースと、部品表・工程表への情報追加が示されています。また、現行業務では担当者が設計仕様書を読み取り、部品表・工程表を生成しています。受け取った情報を生産管理で使う基準情報にする処理が必要なので、公式解答例では「部品表,工程表の生成」としています。15字以内で、両方の表と生成処理を示します。
設問4(1)
〔各部門への要求事項〕の生産管理部門には、製品組立計画の立案でユニット品の所要量計算と在庫引当てを行うと明記されています。必要数を計算するだけでは、その受注に使用する在庫を確保したことにはならないため、引当てが必要です。公式解答例では「ユニット品在庫を引き当てる機能」としています。20字以内で、対象在庫と引当てという処理を押さえます。
設問4(2)①(機能モジュール名)
〔各部門への要求事項〕に、資材所要量計画はユニット品の生産計画を基に資材所要量を計算するとあります。資材の必要量を求めるには、まずユニット品をどれだけ生産するかが必要です。公式解答例で挙げられている機能モジュールは「ユニット品生産計画」です。サブシステム名の「生産計画」ではなく、表に記載された機能モジュール名で答えます。
設問4(2)①(考慮すべきこと)
ユニット品の生産量が不適切だと、それを基に計算する資材所要量も過大・過小になります。公式解答例では、販売予測に基づいてユニット品生産量を適切に設定することを挙げています。30字以内では「販売予測に基づきユニット品生産量を適切に設定する」とまとめられます。販売予測と、そこから設定する生産量の適切さを結び付けることが要点です。
設問4(2)②(機能モジュール名)
〔各部門への要求事項〕に、資材の在庫量を加味して正味の資材所要量を決めるとあります。必要な資材の総量に対して、既に保有している量を把握するための情報が必要です。公式解答例で挙げられている機能モジュールは「資材在庫管理」です。製品組立で使うユニット品の在庫管理と、資材正味所要量計算で使う資材在庫管理を区別します。
設問4(2)②(考慮すべきこと)
在庫記録が実際の資材在庫とずれていると、正味所要量の計算に誤りが生じます。表の資材在庫管理には資材入出庫処理があり、公式解答例では、その確実な実施によって在庫精度を向上させることを挙げています。30字以内では「資材入出庫処理を確実に実施し在庫精度を向上させる」とまとめられます。処理を確実に行うことと、在庫精度の向上を結び付けます。
学習のポイント
業務改革の目的から必要な情報と機能を導き、所要量計算・正味所要量計算・在庫引当ての違いを理解しましょう。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成22年度秋期 システムアーキテクト試験 午後Ⅰ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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